先日、相沢の大氷柱に行きました。トポでは、50mですが、左の長いラインでは55m必要。実際隣のパーティが、私たちと同じ右のラインを50mダブルロープで登っていて、距離が足りなくなっていました。
登攀中ロープが足りないと、どうなるか?
リードクライマーは終了点に到着する前に、ロープ一杯、になってしまいます。
長いルートでは、下のビレイヤーの声も届かないことがあるので、大変、危険。
足りなければ、登れないか、引っ張り落とされてしまいます。ひえ~、恐怖ですね!!
実際、私もビレイヤーをしていて、ロープが足りなくなったことがあるのですが…、どうしたか?というと…ビレイヤーの私も少し登りました(汗)
だって、ビレイ解除するわけには行かない…。ビレイヤーはクライマーの命を預かっている責任があります。
ビレイヤーも登っていると言うことは、その間の時間は、微妙な具合にコンテってわけです(^^;)
でも、ノービレイになってしまうよりは安全です。クライマーが墜落しても、ビレイヤーの体重で均衡するはず…。
クライマーが支点を作ったら、ビレイヤーはクライムダウンです…(汗)もしくは、ロープにスリングを継ぎ足します…簡単な所だからいいけど。シビアなところでは、泣けてきそうですね。
このような事態を避けるためには、大きな氷瀑を登る場合、持参するロープをどうするか?には多少考察が必要です。
こうしたことは連れて行かれるだけの場合、まったく考察不要…(汗)つまり、自立したクライマーに必要なのはロープ知識です。
■ 長さ
・長さが足りるか?
一番大事なことは長さが足りるか?ということです。
例えば、55mの滝の場合、トップロープで遊ぶなら、基本的に
55m×2の長さ + 余剰
が必要です。
リードフォローで、懸垂で降りるなら、最低
登攀用: 55m×1 の長さ
懸垂用: 55m×2 の長さ
が必要です。
■ 余剰&末端処理
ロープはタイプにも寄りますが、大体3%ほど伸びますから、50mなら1.5m伸びるので、余剰はイラナイ、という向きもいます。が、やはり少し余裕があった方がより安全です。5mほど余裕があると完全に安全。少なくとも、1~2mくらいは、余裕が欲しいものです。
長いルートの時には、トップロープであっても、末端のすっぽ抜け事故が報告されていますので、末端を結びましょう。
その際は、確保器をすっぽ抜けないことが大事ですので、バルキー(かさばる)結びにしましょう!
■ 2本連結するか?1本にするか?
さて、長さは足りたとして
60m×2本
120m×1本
どちらがベターでしょうか?
■ 2本で使う場合: ノット知識や気配りが必要
120m×1本
どちらがベターでしょうか?
■ 2本で使う場合: ノット知識や気配りが必要
2本で使うと、ノットの知識が必要です。2本のロープの径が全く同じということは、一般的には考えにくいので、
異なるロープ径をつなぐときの確実なノット知識、
が必要になります。また、ノットの通過があるため
・フラれ止めの掛けるロープはどちら側か?(ノットが通過しない側)
・連結ノットが支点をまたがないために、どちら引きにするか?
・ノットの通過があるため、1本しか登攀ラインが取れない
をあらかじめ、考えて行かないと、引っかかってトップロープも登れなくなります。
ちなみに、懸垂し始めてから、考えても遅いです。というのは、懸垂から登り返しにするのは、かなり大変だからです。宙吊り脱出時の単独登攀と同じことになります。
色は別々のほうが間違いが起こりにくいです。
■ 1本で使う場合: 人的ミスのリスクが少ない
1本であれば、上記のような考えは必要なく、普通にリードして、トップロープ支点を作り、ローワーダウンで降りれば大丈夫です。
つまり、一本で登ることは、
ロープワークにおける人的ミスの余地を大幅に減らす
ことができます。
ただ、一般に120mのロープを持っていること自体が、かなり稀ですが…。特注品の部類。
こうしたことからも、リーダーのリスク管理意識がうかがえます。
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