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Feb 14, 2019

荒船山 昇天の氷柱 初めましてドラツー


■ 初めましてドラツー 入門ルート

これは結論からすれば、難しいミックスではありませんでした。ルートの性格からすると

初めましてミックス

です。

■ 師匠に連れて行ってもらった山

荒船山のミックスルート昇天は、師匠の青ちゃんが私の山梨時代の登攀のまとめ、そして次の段階へつなげる山として、連れて行ってくれた山だ。

クライミングとしては、マルチピッチのルートなので、ご褒美でもあり、これまでのゲレンデのショート練習の集大成でもある。

一方、ドライツーリング(あるいはミックスルートという)としては、”初めましてドラツー” であり、アイスからのステップアップの一歩目である。

■ 荒船山 昇天の思い出したくない思い出

しかし、これはとても心が痛む山でもあった…。

それは、師匠の青ちゃんが、別の女性を復習の1回目に連れて行ったからです…。しかもその人はアイスの1年目で修練も積んでおらず、フリークライミングが強いだけでアイスの初心者…で、なおかつ、私と組みたいと言って最初に私に来てくれた人…でした。ジムで登っているところに会いに来てくれたのです。

しかし、初心者をアイスに紹介するのは、私は一人では指導に手が余るので、師匠の青ちゃんと3人で登るような日時の設定をしたのですが、それを連絡するなり、私から青ちゃんに鞍替え…彼の会に入会したんですよ…と、とっても失礼でしょう…私にたいして。

そもそも私に、アイスクライミングを教えて欲しいと言って来たのですから…。しかも、その後、何度も3人でのアイスに誘ったのですが来ない。よほど青ちゃんを独り占めしたかったのでしょう… 私はそんなことはないので、いつも合同でクライミングするように、計らってあげるのですが。

20代の人はそういう人が多く、失礼だなといつも感じます。紹介を受けた人を、紹介した人に断りを入れずに誘うというのは、20代では普通のようですが、社会人生活を一度でもしたことがある大人には受けがよくないでしょうね。

私はそういうことはしないので、それで年配のクライマーと続いていると思います。それに言っておきますが、師匠に弟子入りするには、本来2人で1セットですからね。じゃないと、どうやって連れて行ったもらったところを復習するの?

さて、荒船山ですが、私にとってはその失礼千万な彼女を、私を連れて行く前に、師匠は、このルートに連れて行ったのです(ムカつくよなぁ、もう!)。

したがって、私にとっては、1つ目はパートナーになりたいと言って近づいてきた人から手のひらを返される無礼、2つ目には、師匠から、ついでの人扱いされるという、2つの無礼の山でした。ので、荒船山 昇天の記録については書く気になれないでいました。

もう情けなくて、この山は行くことを辞めようと思っていたくらいです。

しかし、聞いたのが登山口で。もう来ちゃったし。聞いていたら行かなかったです。

師匠の青ちゃんも人心に配慮できないタイプの人で、私は何度もこういう目に合っているのです… 後輩のO君の時も…。

そして、また別のことになりますが、私は下手くそクライマーだと認知されているので、この記録を書いたら、ひどく嫉妬で気が狂いそうな人もいたのです…。もう誰も私の記録には見ていないだろうということで書く気になりました。

年配の男性クライマーの嫉妬は恐ろしいです。つまり、その方が若い時にやっとこさ登れたところを、私のような下手くそクライマーが登ってしまうと、メンツが…というやつです。しかし、何も分からない一般の登山者に向かって、南沢大滝に登ったぜ、ジョウゴ沢に登ったぜと言ってかっこつけても…。ジョウゴ沢なんて、1年目でフリーソロで登ってしまいました。その方がかっこつけられなくなるのは、私のせいではないでしょう…。

私はこう言っては何ですが、下手くそですが、経験年数と知識、技術、体力がほどほどにバランスよく比例しているクライマーだと思います。

■ 中山尾根vs昇天

そもそも、私は、荒船山ではなく、中山尾根に行きたかったのです。それは、中山尾根であれば、入門を終えた、初級クラスの山やとして通りが良くなるからです。

山には、誰もが目安としているものがあります。八ヶ岳では中山尾根に登ったと言えば一通り一人前だということで、誰とでもそれなりに組める中級のバリエーションですので、私にとっては、今後の山ライフの選択肢の幅を拡げるのにぜひやっておきたい山でした…。そういう山は、どこの地域にもあるでしょう。

しかし、私の夫の転勤が決まり、山に使える日々も残り少なくなり、青ちゃんが復習山行したいというので、中山尾根からの転進で昇天でした。

結局のところ、後輩というものは、先輩の復習要員であるのです(笑)。しかし、私にとっても、

 ”初めましてドライツーリング”

という山は、当然勉強になるものですし、最初の一つの山… 初めてのアルパインマルチの三つ峠や、初めてのフリークライミングのマルチの小川山春の戻り雪、などと同じ位置づけですので、行くことにしました。

どのようなルートであっても、つまり難易度が自分の能力を超えていても、ということですが、一通り自分のことを自分で解決できる、自立したセカンドクライマーであれば、登攀グレードに関わらず、どんなルートにでもセカンドであれば行くことができます。

九州では、比叡ニードル左岩稜、白亜スラブにセカンドで登っていますが、特になんっちゃこっちゃないです。セカンドなので。リードで登る山が自分の実力です。セカンドで行くのは、経験値を積むためで、実力の証明ではありません。

荒船山 昇天は、入門のミックスルートで、アプローチも1時間程度、ピッチ数も4p、岩壁にペツルが整備され、安全面もよい、ゲレンデ的で小粒のミックス入門ルートです。

ただし、4Pとは言えマルチですし、自然環境の厳しさというのは、その時それぞれです。条件によっては厳しくなることもあると思われます。

こうしたアプローチも短めでピッチ数も少なく、山頂に積め上げる山というのは、歩きの負担、体力負担が少ないが、山という自然環境についての経験値が豊富、もしくは積んでいるところ、というクライマーに適しているので、ベテランと入門者がそれにあたり、ちょうどよいということになります。中・上級者や、体力のギリギリに挑戦したい若者には、小粒すぎます。

■ 2017年3月23日の荒船山 昇天の氷柱

さて、荒船の氷はシーズン後半にないと出てこないです。滝ではなく雪が解けて再凍結したものだからです。ので滝が凍るもの、というスラブのアイスの思い込みを裏切ることがあり、シーズン後半、この年は3月後半で登っています。

これは1P目です。

アプローチですが、これは読図でもなんとかなるとはいえず、案内者が必要だと思われるアプローチでした。

昨今は岩の場所にGPS座標が書いてあることが多いですが、そのような措置があれば、初見でも行けるかもです。途中はちょっと怖いⅢ級のトラバースが出てきますが、大したことはありません。ロープを出すことは無いと思います。

1P目は短いですが氷でスタートし、岩へつなぐ。

ここは私でもリードできそうでした。岩とアイスの切り替えが必要ですし、岩を登るべきか、アイスを登るべきか、判断が要ります。スラブとフェイスです。



 これは、3Pか4P目です。

2ピッチ目は、易しい4級のアイスで、短いので、私もリードできそうでしたが、念のためというので来たことがある人がリード。

その後の3P目は、ステミング多用のピッチだったように思いました。

と言っても岩登りと比較すると、寒さやアイスアックスで登るため、易しいです。

例えると、冬季のチムニー登りという感じでした。
このような景色が味わえます



■ 悪い落ち口4P目

核心は、一番悪いのが4P目の落ち口です。これは伊藤さんも、苦労したようですが、この日はコンディションが良く、私でも、特に問題なくスルーしてしまい、あとで伊藤さんに報告したら、「山は日によって違うよなー」という感想でした。

ので、悪い日に当たった人にとっては、登攀の困難度が一気にアップすると思われます。

下山は一般登山道を下ります。小1時間でした。トータルで昼には終わってしまいます。帰りには温泉に入るゆとりがあるのが普通だと思います。

■ ペツル併存

昇天の良いところは、ペツルも併存しているということです。

これは、このルートがガイド登山にも使われるためです。ガイドさんは、お客さんにビレイをさせるわけですが、当然、お客さんのビレイは当てにできない。ので、基本的にはビレイを当てにしなくて良いグレードのところに行くはずです。

つまり自分にとって楽勝なところ。

そうすると、安全マージンの厚み的に、必然的に、5.12が登れる人であっても、5.7~5.9当たりを登るのが適当だ、ということになります。つまりソロイストや単独登攀で、登るとしたらどこを登るか?という考えと同じです。これは後輩の当てにならないビレイで登る場合に必要な安全マージンとも同じです。

ということで、それは、多くの場合、入門ルート、初級ルートと重なる、ということに。というので、山岳会の新人は、ガイドさんが打ったボルトのルートをありがたく使うということになります(笑)。

という性格のルートが、荒船山昇天でした。

■ ダブルアックスで登る

これに連れて行ってもらったことで、”なるほどね、岩もアックスで登れば、手が冷たくならずに済んでいいわね”、と思いました。

昨今、八ヶ岳のバリエーションルートでも、皆さんダブルアックスで登ります。

以前、中山尾根で、昔風のストレートシャフトのバイルでリードして、苦労した男性の先輩が、後輩のセカンドがクオークでサクサク登ってきたと言って、文句を言っていました… 私は当時、ほとんど知見が深まっておらず、なんで後輩がサクサク登ってきて、不満なのか分からなかったのですが…。その方は、リードでもシングルアックスだったみたいです。アイゼンもモノポイントではなく平詰めだったみたい。冬壁スタイルなのでしょうか?

セカンドはとにかくさっさと登るのが価値だと思っていたので、楽に登れるなら、リードクライマーも、クオークにしたらいいのに、と思ったのですが…(笑)。そうすると登山としての面白さが欠けてしまうかもしれません。

困難が困難でなくなってしまうと面白くない、ということだからです。

しかし、残念ながら、現代のクライマーは最初からクォークを2本買い揃えます(笑)…ので、登攀は易しくなってしまったところのルートグレード感がスタートなのかもしれません。

その辺は、昔の山のスタイルを知らないので、いかんとも理解しがたいです。

この昇天に連れて行ってくれた師匠は、片手はハンドル付きのアイスアックスのカシンエックスドライを使い、片手はセミチューブのストレートシャフトのバイルです。新旧のギアをミックスして、過去に踏みとどまらず進化を続けてきたクライマーがこうなった、というのなら、それは参考にするに値するギアセットかなぁと思います。

ちなみに伊藤さんは、ダブルでクオークみたいでした。だいぶピックがすり減っていて、打ち込んで引ける角度が変わっていそうでした。

■ オマケ

こちらは、クライミングマシーンと言われた、Ueli・Stickの仏・ドリューの動画です。規模は違えど、やっていることは同じです。

標高はちゃんと調べたわけではありませんが…おおざっぱに言えば、

 標高1500くらいの荒船山でやるマルチピッチ → 入門
 標高3000mくらいのドリュでやるマルチピッチ → 時代の頂点

と、まぁこんな感じです。

昇天は、Ⅳ+、Ⅵ-、M5、130mです。
ユーリのクライミングは、VI, Al 6+, M8、800mです。

規模は違っても、やっていることは同じだというところがミソ。これをどんどん大きくして行き、それを標高が高いところに持っていけば、いいっていう話です。

もちろん、昇天のようにすでに出来上がったランニング支点やアンカーがあるわけでないので、クライマーは、支点構築スキルがないとだめ、ですが、どういう練習が世界につながっていくか?ということは、想像力がないクライマーでも、さすがに分かるだろう、というのが昇天の良さではないかと思います。

学生君たちは、ここまではせめて頑張ってみたらどうでしょうか?

時代の最先端の登攀が一体どういうことをやっているのかという理解が、アルパインをしているのに分からなかったら、山をやっていない一般市民と同じということ。悲しいですよね。

Mar 17, 2017

カブコロン・ナメネコフォール

■ カブコロン

木曜は、教えてもらったカブコロン、ナメネコフォールへ。久しぶりに会う友人が来てくれるというので楽しみにして出かけた。友人はアイス初めて。

カブコロンは、6級でおもしろかった。ムーブを探るのが楽しい。

■ パンプがパンプになる


1本目は下部のムーブは楽しかったが、上部のⅣ級で、腕が張ってきて、張ってくると正対。余計、張る。

同じところを2度目は回収で出かけたが、回収便ではもう慣れており、パンプせずに登った。やはり、パンプが少しでも来ると、パンプがパンプを呼ぶ循環みたいだ。パンプが来ても、ムーブで登るようにしないと。

■ 初めてアイス

カブコロン
友人は、フリーが上手(12)な人だったので、6級部分はムーブでこなしていたが、むしろ、正対登りで良い4級や、歩きで良い3級が苦手なようだった(笑)。やっぱりクライミングと歩きは、別個の技術なんだよなぁ。

最近、思うのだが、アイスも二級、三級、四級、五級、六級と、それぞれ別のクライミング、として考えて技術習得した方が良いかもしれない。

アイス2級が、実は一番事故が多い。2級と言えば、ロープが要らない、フロントポイントなしのアイゼンで歩けるところ。そこで事故が多いのは、それが技術である、と言う認識がないから、なんではないだろうか?

山なんて2本足あれば、誰でも歩けるけれど、歩けるのと、安全に歩けるのは違う。山には、山の歩きがあるのだ。その辺の理解の難しさと同じかもしれない。

歩きのところは飛ばして、クライミングしている人で、自己認識が余りない人だと、2級?カンタンだ~と思ってしまうだろう。

3級はロープは一応つける傾斜だが、3級もまだ歩きの範疇。3級でもコケれば、滑り台のように滑り落ちて行くし、スラブと同じで、地面が近いので、こけると、必ずどこかを打つ。3級にはムーブは要らない。正対で、ワニ歩きで登る。

4級は4級で、傾斜は垂直以下だが、ムーブがあると楽に登れる。カウンターバランスで。正対だとパワーロスになる。

5級からは完全にムーブが必要。組み立ても必要。パワーも必要。

ナメネコフォール
6級では被りを乗り越えないといけないのだから、完全に振らないと大変。パワーもいる。

全部、別の登りだ。

■ ドライ

カブコロンをそれぞれ登って、回収便で懸垂し、下に降りたら、メンバーが増えていた。

あれ~?

Iさんだった。

なんでいるんだろ~ 林道で車を見たのかな~

それで、次のナメネコフォールに一緒に行くことになる。

ナメネコは、4級で易しそうだったので、私はとりあえず順番後回しで、二人に先に楽しんでもらったが、Iさんがミックスをやると言うので、がぜん興味が湧いた。

え~?!これって登れるの~?!というクラックと氷をつないだミックスラインだった。ラインとして考えたこともなかったので、ビックリ。ドライをやっている人を初めてみた。

■ ギザギザ

自分の番が来たので、あまり面白くない4級は下部をスクリュー回収しながら登り、隣に右トラバースして、少し降ろしてもらい、薄い5級+に取り付く。

黒いところ限定で登ったら、超、難しく、一度フォール。アックスの先端に、まだギザギザがついているバターンで、そのギザギザが氷を切ってしまうのだ。

なんとか足の限定を外して登り、満足して降りた。

後は、Iさんのドライ登りを見て、勉強。

この日の成果は、Iさんのドライ登りが見れたこと。カブコロン、ナメネコフォールを知ったこと。

クラックと氷をつなぐって、思っても見なかったけれど、やってダメそうには見えなかった。

そこ、またやってもいいなー

■ オマケ

今回はオマケは、30キロの有機玄米。

我が家は、いつも玄米は近所のお米屋さんで、無農薬の玄米を買っているのだが、1kg800円。1kg500円で農家から直接売ってもらった♪

オマケにトマトジュースをもらってしまった☆ これ、ほんとに美味しいんです。



Mar 13, 2017

相沢 5回目

■ 相沢 5回目

さて、先週後半は、主に宴会に呼ばれ(笑)、また相沢へ。児玉さんという指の無い往年のクライマーがいらっしゃると言うことで… その児玉さんのお弟子さん?で伊藤さんが参加すると聞いていた。私は伊藤さんにお会いするのは2度目だ。

今回は、アルパインクライマーの伊藤さんが参加していたので、私の周りで、最低でも5.12を登る人には、みな声を掛けたのだが、みな忙しいようで、来なかったのが残念だった。ちゃんと勉強している人なら、多少無理してでも、ぜひ会いたい!と思う様な人が来るのにな~。

伊藤さんは、佐藤祐介さんらと黒部の横断をしている記録を持ったクライマーで、ちょっと気の利いた人なら名前を知っている。私だって知っていたくらいなんだから。

『チャレンジ!アイスクライミング』にも、後ろのほうのヒマラヤクワンデ北壁の新ルートの紹介でちょろっと名前が出ている。興味のある人は、こちらこちらも良い内容。日本のミックスルート。

呼ばれていた木曜は忙しい日だった。今度こちらに引っ越してくるクライマーに車を譲渡してあげることになっており、ついでに兜でも行こうかと話していたからだ。結局、整備工場のおじさんに面通しするために、1時に甲府にいなくてはいけなかったので、結局、兜は行かず、人工壁でお茶を濁してきたのだが、女性同士のクライミングっていいな~って感じ。

その人がお酒をひと瓶くれたので、これはラッキーと持って行った。あとは黒富士農園の高級卵。黒富士農園の卵は、放し飼いでとても美味しい有名な卵だ。

■ 宴会

初日の宴会は、近所のクライマーも参加して全員で6名。楽しく鍋をつつく。イノシシ鍋。それから、鹿肉の刺身。珍しいものを頂きました。最後、鹿をうっかり獅子鍋に入れたら、ちょっと微妙な味になっていた。

青ちゃんは宴会大好きっぽいのですが、お料理をきちんとしてくれるのがすごい。うちの旦那さんだと宴会そのものも好きではないのもあるが、料理の戦力としてはゼロ、皿洗いの戦力としてもゼロ、ホストとしてもゼロなので、全部私がいないといけないので、宴会負担は重い。青ちゃんの場合、すっかり準備が整っていて、6人くらいの宴会は平気みたいだ。

児玉さんが到着するのを今か、今かと待っていたんだが、待ちきれず獅子鍋に手を付けてしまっていたが…なんとか、刺身は手つかずで死守(笑)。

やはり話題の中心は伊藤さん。何の話したんだっけ。とにかく盛り上がったが、すっかり忘れてしまった。やっぱりお酒はほどほどが良いようである。

ああ、そうか、黒部とトレーニングの話題だ。

■ 相沢

翌日は相沢。相沢は5回目なので気が楽だ。相沢の大氷柱は体積があるので、長持ちするだろうと期待して行ったが、行って見ると、氷はスカスカで、昔の霜鳥機能がないころの冷凍庫の霜の塊みたいになっており、見るからに、初心者のリードには向かなそう。

伊藤さんいわく、平爪のほうが効くよ、とのこと。青ちゃんのリードで全員トップロープしたが、私はまぁついでの人、なので。

時間もないことだし、伊藤さんと児玉さんとの二手に別れて、それぞれ登るほうが時間の節約になったと思うんだけどなあ・・・

伊藤さんのクライミングを見れたのは、ありがたかった。最初、リードラインのⅣ級を行ったので、ええ~易しすぎるラインでしょーと思った。

クラゲの上なら少しは楽しいので…。さらに左のつらら集積のほうが伊藤さんのレベルに合っていると思ったが、「何をさせようと言うんですか~」などと、かわされてしまった。でも、ギリギリの人にとっては、いくら多少悪い6級でも、TRでは楽しくないのではないかと…(笑)

これを各自2本、私だけ1本登った後は、エイプリルフールへ。その右をリードしたが、別途書いたようにリード中に氷が欠けたり、氷塊が落ちたり、氷は大氷柱と比べ質的には良かったものの、あんまり楽しいクライミングとは言えなかった。

そもそもリードしたい!という気持ちにすら、ならなかったしなー。

とりあえず、下のツララが欠けて、空洞になり、かぶっている箇所があったので、その部分はムーブで越えるのが楽しかった。

伊藤さんたちペアは、エイプリルをつるべしようとしていたが、なんだか何時まで経ってもロープアップされない。どこまで行ったのかな~と思っていたら、上でロープが重くて苦労していたのだそうだ。

16時で下山。佐久で解散。

■ 100m級

伊藤さんが言うには、55mでもう何ともないのなら、米子不動に行って100m級のアイスを登るべきなんだそうだ。わざわざ韓国に行かなくても、日本にも大きな氷はあるよ、ってことなんだけど。うーん、確かにそうなんだが、季節的にもうギリって言うか… 

八ヶ岳は標高が高いので、例年4月の第二週まで行けるが、去年も今ごろは岩をしていたんだよな~ 

そろそろアイスの季節も終わりなんですよね。まぁ大滝リードが課題として終わっていないので、終わりたいですが。あと摩利支天大滝とその上の滝。

角木場の氷柱はとても面白く、シーズン後半のほうが、かぶりも複雑になるそうなので、また行きたい。前回は7本くらい登ってもパンプせず、楽しく登れた。

伊藤さんは大変心の広い岳人です。私のような初心者レベルの人にも、とてもさわやかに接してくれる。アイスのコンペでも、上のほうの人ほど、みんなさわやか~。変な嫌味を言ったり、登れなきゃクライマーじゃねーみたいな態度とか、取ったりしない。

帰りは、荒船山の近所の山の氷瀑のアプローチを偵察して帰った。写真は後程。

私自身の感想としては、相沢は楽しい氷だけど、私の個人的課題ではなく、むしろ青ちゃんが私に登らせたかったんだろうな~。きっと男性は大きな氷に燃えるんだろうな~

私は雪の八つで山を始めたし、アイスで通ったのも八つで、八ヶ岳Loveだ。もう一度、広河原沢の大滝を見たいと思っていたが、今シーズンはアルパインのメンバーはおらず、叶わなかった。ちょっと残念。

でも、善五郎も行けたし、角木場も師匠と擬似リードしたラインはリードを2回もこなしたし、成長を感じた。

山は人格形成の場でもある。できなかったことを数えるよりも、できたこと、叶ったこと、を数える。そういうことを実践して行くのも山のうちだ。

今回は伊藤さんに色々とアドバイスをもらって楽しかったなー。山岳会の先輩って感じだった。前にアルパインクライマーの天野さんの講習に出たときも、こんな感じだったなー。
 

Mar 3, 2017

相沢 4回目

■ 相沢リベンジ

水曜は再度、相沢大氷柱へ。4回目。55mをピンクポイントでリードした。

この日は昼ごろから気温が上がる予報だったため、まだ氷柱が大丈夫か心配しながら登る。朝は4時起き5時半出発で、8時に佐久入り、9時ごろ登山口到着、大氷柱には11時ごろ到着した。

甲府は朝の空気が生温かく、太平洋側の暖気が入っているのが分かる。憂鬱な重い雲がかかり、どんよりとしている。パートナーと会うのは、少し気が重い。なぜなら、このピンクポイントを巡っては、コミュニケーションの擦れ違いがあったからだ。

私は個人で成長してきた。だから、積み上げ式の登山しか知らない。いきなり、大きな山など行かない。厳冬期の甲斐駒に単独登頂するまで、6年、下積みした。厳冬期の阿弥陀北稜をソロで行くまで、フリーを含め3年の下積み。そのような登山者の私には、ただ55mもの高さの氷柱が、今の私のスキルで、いきなりリードできるとは思いもよらなかった。

下積みのステップを端折る山をしている人たちも知っている。彼らはいきなり中級ルートに初心者で取り付く。もしくは、ガイド(ベテラン)に連れて行ってもらう。しかし、それはズル、あるいは浅ましさを感じてしまう。酒にも即醸造(普通酒)と低温でゆっくり時間がかかる醸造(吟醸)がある。私はさしづめ、吟醸造りを目指しているのだ。

山梨の中は温かい朝だったが、野辺山まで行くと標高が上がったこともあり、美しい樹氷が見え、青い空も広がってきた。川上村の辺りだけが晴れていることも多い。気温も下がり、なんとか、まだ冬を感じる。これは良い予兆だ。

アイスクライミングは、氷質の見極めが最大のクライミング課題であり、氷が悪ければ登れない。

今回、マスタースタイルではなく、ピンクポイントでのリードとなるのも、わたしがまだ、プロテクションが良く効く氷質の見極めについては、初心者であるからだ。登攀が上達したとしても、それは守りの技術が十分な証拠とは言えない。

パートナーを拾って、登山口に到着。

「春山だなぁ」

が、開口一番のセリフだった。荒船山はもう春山だった。スプリングエフェメラルの季節を感じさせる、温かい空気だ。腕時計式の温度計は、4.9度をさしていた。

山は山梨の山に似ている。登山道からは雪が消え、落ち葉の埋もれていた凍った土もなく、ぬめって滑ることを心配しなくてはならない。

これまで3回通った中で、一番、トラバース部分が悪い登山道だった。私は雪で山を始めたため、アイゼンでの雪上歩行は慣れがあり、相当な傾斜でもあまり怖いと感じることがないが、今回のトラバースは悪いと感じた。

■ 大氷柱

相沢大氷柱へ着くと、まだ氷柱はご健在だった(笑)。が、一番易しい右のラインは、もう氷が薄くなっており、登れない。

ビレイエリアも、スケートリンクのように凍って滑りやすく、足元が悪くなっている。前回来た時は、おじさんがコケていた。

今回は、ランナウトしない、清く正しいリードライン、をお願いしている。

私はリードするときのライン作りが、まだ課題だからだ。ベテランがランナウトするのは、それが合理的選択だからだが、初心者がリードするときのランナウトは、単なる未熟の証明にしかならない。

≪リードラインの作り方≫
・プロテクションが打てるラインを探す 通常、氷がもっとも厚いところ
・その結果、強点を行かなければならないこともある。”プロテクションが良く登攀が難しいところ”と、”プロテクションが悪く登攀が易しいところ”があれば、前者の方がよりベター
・プロテクションの数を想像する それに+2本持って行く(敗退用)
・ロープの屈曲を考え、スリングで伸ばさないといけない場所を考える
・体力の配分を考える (レストポイント)
・ビレイヤーのビレイ位置を考える
・終了点のセットを忘れずに

■ 17本!

今回は、パートナーは私のために17本もスクリューを打ってくれた。スクリュー打つ方が大変だよ、は、パートナーの弁。

確かに…。前回は7本で登った。登攀が易しいので、スクリューを打っているほうが、氷壁の中での滞在時間が長くなり、登攀は困難化する。

しかも、今回は、2月のもっともよい時期とは違い、3月に入ってしまったため、氷の質が水氷で、ペツルのレーザースピードライトは入りづらい。力持ちのパートナーでも苦労していた。

前回1本目を入れた緩傾斜までに、スクリューを3本も入れた(笑)。

でも、55mで17本は私には必要な保険だ。

アイスクライミングは、落ちれないとよく言われる。それは落ちれば大事故が待っているからだ。足首の骨折で済めば軽傷。

しかし、アイスは基本的に落ちることは考えにくいクライミング形態だ。なぜなら、アックスがバチ効きでなければ、そもそも次の一手を出さないからだ。

けれど、それとランナウトしていいかということは、また違う話だ。

落ちないことを理由にするのなら、フリーソロでもいい、という極論にたどり着かざるを得ない。

落ちる落ちないにかかわらず、プロテクションを適切に設置する技術というのは、身を守るための防御の技術として、まず初心者は身に着けなくてはならないものなのだ。

■ リード

さて、ロープを抜く。チェストハーネスとフィフィを身に着ける。

あまり緊張はしていない。

これは、ドライをして、アイスクライミングの知見が深まり、アイスではバチ効き以外登らないのだ、と分かったおかげだ。

緩傾斜帯で、立ち止まって、スクリューにロープを掛けるが、たしかに、ロープを掛ける動作が加わるほうが、ふくらはぎがパンプしそうだ。垂直部に行くまでに3本。

やっと垂直部だ。このラインは、初めて登る。一番易しい右のラインなら…という思いがあったが、この真ん中のラインも、アックスの跡だらけ。半分くらいはフッキングでも行ける。

が、プロテクションにロープを掛ける動作が煩わしい。トップロープって本当に登攀だけに集中できて、楽しいクライミングスタイルなんだな~と改めて思う。

中間部は垂直に立っていて、一番気を使う。プロテクションの間隔も近く、3m置き。

ゆっくり確実をモットーに登った。本来は、対角線バランスを使って登れるところも、わざと、正対で登った。アックスは2本とも確実になるまで、体をあげない。

すこし、フットホールドで紛らわしいところもあった。すでにある穴を信用するより、自分の背丈にマッチしたスタンスのほうが良いかもしれないと考えたが、考えすぎのようだった。ともかく、デコボコだらけだった。要するに登攀は易しい。氷は悪く、プロテクションを入れる場所は要考察なようで、ピンクで良かったと思った。

中間部の垂直が終わると、あとはレッジに立てる易しい三級部分が続く。寝ているとはいえ、傾斜が緩いと登攀のラインを優先して、多少の垂直部は直上する。

すぐに上部の棚を終わり、終了点だった。意外にすぐに終わった。

ローワーダウンは、振られないように、セルフを登攀した側のロープに掛け、ローワーダウン中にスクリューを回収する。回収があるため、ローワーダウンのほうも登攀と同じくらい時間がかかった。

追突された鞭打ちで首が痛いパートナーにビレイをさせて悪いなぁ…とは思うが、そもそも、私の今年のリード課題は、南沢大滝だったのに、この相沢大氷柱のリードが積み残し課題になったのは、彼のせいだしなぁ…とも思う。

私自身は、ここが自分のリード課題になるとは、つゆとも思っていなかった。

■ 怖さの元凶

だから、恐怖を克服する、という課題を与えられたのは、正直、心外だった。高さに恐怖と感じている、とは、今まで自分に感じたことはなかったからだ。

多分、多くの女性クライマーが最初に感じている恐怖は、パワー切れだと思う。

アイスクライミングはパンプとの戦いで、パンプへの恐怖がパンプを呼ぶ。

だから、パンプで落ちる、という恐怖は持っている。

その恐怖に対する心の保険は、アックステンションなのだが、アックステンションは、ここしばらくフリーの底上げのためにお預けにしてあったのだった。

パワー切れについては、励ましと実際の筋トレが有効な対策と思う。ラオスは励まされて登ったら、登れた。

■ 高さへのチャレンジ

高さにチャレンジする気は元々あった。

今シーズンは、シーズン初めに青のスクリューを3本買い足した。トータル7本。それはいよいよ35m南沢大滝をリードする段階に来た、と自分で思ったからだった。大滝は35mなので、7本くらいだろうと思っていた。それでも単純計算で5m置きなのだが。

余談だが、自分のを買った時、ついでに後輩にもシーズン初めにスクリューを買わないと売り切れて買えないよ、と伝えておいた。去年は私のスクリューで、初級ルートにセカンドで登らせているからだ。同じルートを、今年はつるべで行こうね、と話してあった。

でも、彼はいまだにスクリューを一本も持っていない。つるべもリードも興味がないという意味になる。せっかく、つるべも手取り足取り、ロープワークもレスキューも教え、アルパインを紹介したのに、彼も結局は、金魚の糞登山組なのか、と残念だ。

■ ビレイヤーの選択のこと

初心者のリードを見守るのは、ビレイヤーの方も疲れるものだ。

2回目に、相沢に来た時、明らかに初めて相沢をリードする男性クライマーを明らかにまったくビレイ経験初心者の女性がビレイしていた。その女性はアイスは、まるで初心者でギアも借り物。そのわきに彼女より初心者の若い男性一人。ベテランと思しき男性が引率していたが、先輩と私たち二人が滝に到着すると、私たちの会話を聞いて、初心者を見張っているのはやってくれそうと感じたようで、エイプリルの方へ行ってしまった。

初めてリードする男性は緊張でガチガチになっており、大変そうにしていたが、ビレイしている方は、のんきなもので退屈そうだった。初心者のビレイヤーは、クライマーの心には寄り添えない。クライミングが何か?よく分かっていないからだ。

でも、見ていて正しい山岳会の在り方だと思った。登攀している彼は相沢をマスタースタイルのリードで取り付くくらいなのだから、すでにリード経験は豊富なハズであるし、ビレイヤーの方はアイスは初めてでも、岩でのビレイ経験は十分やっているだろう。連れている若い男性は、先輩らを見て学んでね、という意味だろう。だから、彼には彼女のビレイで登るクライミングのリスクは取れる。

1回目の相沢では、初めてリードする人は、ベテランにビレイされていた。見ていると、リードクライマーは一度落ちそうになった。そんな人には確実なビレイヤーが必要だ。また、2本連結したロープでのリードでも、下からアドバイスが必要で、リードクライマーとしての能力はまだ100%ではなさそうだった。私が後で登ってロープを治したのだから。やはり、そう言う人には、後輩のビレイではなく、ベテランのビレイヤーのサポートがないと、登るべきでないだろう。実際、育成されている、ということが明らかなペアだった。

私はどうだろう?

1回目の相沢の、落ちそうになった彼と比べてムーブは洗練されているが、当然だが腕力は劣るだろう。2回目に先輩と行った時は、先輩との腕力差は明らかなのに、その先輩でも55mは、なかなかのチャレンジで、パンプで大変だと言うことが分かった。また後輩にビレイされている上記の他会のクライマーも見た。

やはり、どの人も私より経験値やパワーが上で、私は、まだ南沢小滝も大滝も終わっていないのだから、落ちる可能性や、リード自体の経験値が不足しているクライマーだと思えた。

やはり、ビレイは確実な人でクライマーに指示を出せる人にお願いするべきだろう。

■ エイプリルフールへ

そつなくピンクをこなした後は、以前、先輩と来た時に来た、エイプリルフールへ。

エイプリルの横の滝をリードしたいと思っていたが、なんだか精神的に疲れて、リードするタイミングではないように思われた。ビレイしてくれたパートナーも、心配で精神的に疲れていそうだった。

それで、結局エイプリルフールを登ってもらい、セカンドで、回収しながら登った。エイプリルは予想より悪かった。簡単そうに見えたのに。意外に氷がバージン状態だった。

アックスの跡がパートナーの分しかなかったので、正確にアックスの跡をたどり、スクリューが腰の位置にくるまで、回収を我慢。

プロテクションは、腰の位置が一番安全なのだ。手繰り落ちがないから。

テーマは、パートナーと私の登攀の身長差をどう埋めるか。

20cmくらい身長が違うのだから、安定する位置が違うハズだし、アックスを打ちこむ先も違うはずなのだ。

アックスの打ち込み先を優先すれば、スタンスをあげないといけないハズだし、スタンスを利用すれば、アックスの打ち込み先が下がるはずだ。

たぶん、岩のように、ハンドホールドの決定が先で、そのホールドを取りに行くために、小さい人は、細かく足をあげるのだろうか?

それとも、アイスの自由度を生かして、立ちこみやすいところに立ち、アックスのほうは、穴ホジホジ作戦で行くのだろうか?

私の結論は両方で、基本的にスムーズな所は、アックスを優先して、足は蹴り込んであげるが、顕著なフットホールドがあって、明確にそれを使った方がいいと分かる場合(ハング気味のところで、出っ張っていて傾斜が殺せる唯一のスタンスなど)は、アックスを後回しにして届くところに、アックスを掛けてもよい。

■ 帰り

以上であっという間に、15時。もう帰る時間だ。帰路にワークマンに立ち寄り、ドライ用のグローブを物色したが、あまり良いものがなかった。一応毛糸の手袋をゲット。

翌日は、雨予報で、湯川から角木場の転進を考えたが、標高の高い角木場でさえも雨のようだったので、登攀は中止にして、アックス研ぎの費やした。

■ 次の課題

今回は、正対にこだわってリードした。アックスは2点、バチ効き。

次回は、プロテクションとプロテクションの間の登攀は、対角線バランスでスピード重視で行くべきだと思う。

プロテクションを取るときは、二等辺三角形が必要だから、それは3ムーブ、4ムーブ起きにレストする、という意味だ。

プロテクションを設置するとき、教科書的にはセオリーは左手を伸ばした状態だが、それだと、私の場合はパンプが早く来てしまうので、左手は引きつけた状態でスクリューを打ちこむのが、私にとっては最も安心できる体制だ。だから、引きつけをマスターする必要はぜひともある。

また、今回のことで、パートナーとより細かく自分の登攀のテーマについて普段から、共通認識を持っておくことが大事だと気が付いた。パートナーはアイス歴40年のため、先輩後輩というよりも、コーチと選手の間柄になってしまう。選手である私は、コーチに自分の技術的課題をきちんと伝えておかないと。

翌日、帰りに清里ラインを帰ったら、雨がみぞれに変わり、霧氷が美しかった。野辺山の辺りは何度通っても美しい場所だなぁと思う。

八ヶ岳に通い始めた頃、夫と本沢温泉へ歩いた。道路に落ちている寝ぼけたヤマネを発見したり、残雪期で、凍ったつるつるの登山道を6本爪アイゼンで歩いたりした。

懐かしい思い出の地だ。またひとつ良き思い出ができた、と思う。


Feb 24, 2017

神津牧場 シャイアン4級20m

■ 乱菊のこと

水曜は急遽、朝に決まって神津牧場へ。

きっかけは、湯川の乱菊が発達していたことだった。急に登りたくなった。しかも、その日、日中12時でも氷点下。素晴らしいアイス日和り!

そのため、帰りに乱菊を偵察した時には、ちょっと残念な気持ちだった。「こっちを登れば良かった…」

乱菊…は、前の師匠、鈴木さんの思いやりが詰まった場所だった… 2年前、鈴木さんが私のために選んでくれた、楽しいアイスクライミングの候補地が湯川…鈴木さんは神奈川の人だったので、遠方から…となる。角木場でのリード練習と合わせて、二日連続で来てくれたのだった。

当時、ちょうど懸垂下降で降りてきた保科さんに、乱菊の下で、ばったりと出会い…私は当時リード練習中で、その話をすると、保科さんが言うには、

「アイスでリードするなら、これくらい登れないと!」

その刺した先が乱菊。 私としてはビックリ仰天、ということだった。こんなスゴイ氷柱を登れないと、アイスクライミングはリードしちゃいけないくらいなのに、なんで私、最初からリードしてるの?って感じだ。

むろん、師匠の狙いは、初期にリード練習しておくことで、アックスバチ効きしか登らなくなるということだったのだろう、と今では分かる。

でも、当時は、さらにリードが怖くなる効果しかなかった。自分のアックスが信用できる状態ではなかったからだ。ので、その日、湯川ではアックスの振りをテーマに練習した。

それで、この日、いきなりアックスの振りは上達した。

ちなみに、保科さんは私が初めての体験アイスでアイスデビューさせてもらったガイドさんである。

そういうわけで、

湯川に通うのは、単純に乱菊が一つの技術的な目安になっているから

である。

しかし、この日は、気温が高かったので、乱菊に登るなら、10時前限定。あまり時間がなかった。

■ さっさと片付けておくモード

それで、リード練習で神津牧場を提案された。と、遠い…。片道運転3時間半だ。

正直、神津牧場なんて興味がなかった。ただ、シャイアンは、楽勝でリードできるだろうと言うことは、あらかじめ知っていた。

前回の合同クライミングでリードできるなーと思ったくらい楽勝だったからだ。初リードの課題としても、氷の張り方が悪いことがなく、支点も良い。

しかし、混んでいたので、時間のかかる人よりも、時間のかからない人がリードした方が合理的だろうと思い、辞めておいた。

というわけで、WIⅣ級リードは、機会を逃しており、宿題になっている。さっさと片付けておきたい。しゃーないなーという気分で車を飛ばす。

なぜなら、私はコンペ向きの練習に集中したいからだ。

道中、レンズ雲があちこちにかかり、悪天候が予想された。

■ 恐怖を因数分解する

私はアイスのリードが、かつて怖かった。

それは落ちたときに重大事故になっているからだ。摩利支天大滝のそばには、慰霊碑があり、女性の名が刻んであったと思う。

私の周りでも皆落ちている。そして、グランドしている。

ビレイは?あった。

それでも、グランドしている。

大体の人が落ちてから、

 ”パンプしない登り” & ”氷質の見極めが重要だ”

ということに気が付く。

素朴な疑問。そんなこと、落ちなくても分かるんじゃないか?

パンプは氷の堅さによる。そんなこと、トップロープで登っていても分かる。

自分がパンプしなくても、氷質が悪ければ、落ちる。

落ちて停めてもらえなければ?

最悪は、死が待っている。

山に一か八かはない。なのに、今の時代の山登りでは、なぜか一か八かがデファクトスタンダードになっている。

それはつまり、

・パンプしない登りも身に着けず、
・氷質の見極め力も身に着けず、
・そして、ビレイヤーとの信頼関係も築かない

でリードで登る、という意味だ。

■ 分かっていないビレイヤーのビレイは怖い

私自身、悪いビレイには懲りている。

1)人工壁では引っ張り落とされかけた。
2)外岩では、だらりんビレイで落ちても止めてもらえず、頭を7針縫った。
3)クラックに出かけてリードし、振り返ったら超だらりんだった。
4)沢ではフィックスが信用ならず、ロープがあるほうが登攀が大変だった。
5)アイスでは超だらりんで、指摘してもビレイの重要性や責任を学ぶ意識ゼロ
6)後輩はビレイを習得するよう言い聞かせてもリード壁通いしていない

危ない橋を渡りっぱなしだ。で、分かっていないビレイヤーには懲りている。

たぶん、一度落ちないと若い男性には責任感は身につかないのだろう…

分かっている人は誰か?ちゃんとリード壁での人工壁通いをやっていることが最低条件で、それでも十分ではなく、人工壁のビレイヤーにも誤ったビレイをしている人はいる。

ベテランならいいかというとそうでもなく、ベテランはベテランでフリーの経験値が浅く、墜落を止めていない人も中にはいる。時代が止まったままの人もいるのだ。

パンプ2では人工壁なのに死亡事故さえ起こっている。だから、人工壁でのビレイ経験だけではだめで、その中でも、ちゃんとしたビレイをマスターした人を見極めないといけない。

一番最初に必要なのは、責任感とビレイを学ぼうと言う意思だ。それは登りたいという意思が明確だと自覚できたなら、克服しないといけないことは明白な課題なので、登りたいと言う自覚が自己認識としてある人は、そのハードルをすぐに越えてしまうだろう。

だからビレイをマスターしようとしていない人は、まだクライマーとしての自覚や心構えがない。

以前、岩根だが、隣のクライマーが怖くて登れなくなったらしく、急遽ビレイを頼まれたことがある。なんと、トップロープで、だ。

クライマーは、落とされるかもしれないビレイヤーでは、当然だが登れない。いや、そもそも、登るべきでない。

クライマーは登りたいあまり、危険なビレイを受け入れてしまうものだ。が、それは、煩悩というものだ。なんとか我慢できないと、命がいくつあっても足りない。

ビレイが不確実な人はセカンドとしての資格すらない、ということをしっかり互いに、自覚しておかないと、確率の問題で、いつか人を落とす。

山に、一か八かはない、というのは、ここでも生きる教えなのだ。

■ てかてか

さて、神津牧場である。この日は前日火曜と違い、悪天候の前触れであるレンズ雲があちこちに沸き立ち、あまりお天気はよろしそうでない。

インディアンサマー広場に付くと、氷はてかてか。差しやすいだろうけど、スクリューの効きはイマイチだろう(汗)。やだな~。

気温は日中高くなる予報だったが、結局、そう上がらなかった。

■ クライミングは共同作業

今回は、好きにやらせてもらうよ、という気分で、ビレイヤーに指示を出す。

ビレイヤーはクライマーの精神的支柱になってくれなくては、ビレイヤーの意味がない。

下のビレイヤーは、もう2度も私の精神的支柱になりそこなっている。私が危険だと判断したことを、無理強いしてリードさせようとしたことが2度ある。

判断が割れた場合、クライマーの判断を優先するのが正しい。登るのはクライマーで、落ちて死ぬのも、怪我をするのも、クライマーだからだ。

私はビレイするときは、クライマーにとって一番安全になるように考えて、下から指示を出す。最初は、ロープを短く持って、氷に近づいている。落ちてもグランドしない位置にクライマーが登ってから、後退している。クライマーがロープを足にひっかけそうになったら、ロープを振って避けてやる。

クライミングは、ビレイヤーとクライマーの共同作業だ。

しかし、クライマーが希望を出して来たら、それに反対することはない。100%クライマーの味方だ。

もちろん、ランニングを取っていないのに、テンションと言われたら、「今テンションしたら落ちるよ」と言うが(笑)。

ビレイヤーとしての安心と信頼をクライマーに提供することは、登攀力とは関係がない。

誰だって、その気になれば、できることだ。分かりやすい言葉で言えば、寄り添う、ということだ。

ちなみに余談だが、私にとって一番良かったビレイヤーは、ラオスで会ったトニーだ。

■ チェストハーネス

さて、ハーネスは、チェストハーネスを用意した。これは私のハーネスが、スクリューを大量にぶら下げると、下がってくるため。キツキツに引き締めても、スクリューの重みで下がってくる。

チェストハーネスがないと、落ちたとき頭が後ろに反転してしまう可能性がある。

そのようなハーネスになっている人は、チェストハーネスを併用した方が良い。

やっと日の目を見て良かった。

■ シャイアン Ⅳ級 20m

さて、リードだ。どこに最初の一ピン目を入れるか、で、最初から揉める。

私が見た先輩たちはみな、立てるところで、最初の1ピン目を入れていた。岩登りでも、そうしている。ならば、私だって、そうすべきだろう…

と言うと、そこでベテラン青ちゃんは反駁。一ピン目が近いと、ビレイヤーが後退できない。じゃ長いスリングで、というとそれも反対。スリングで伸ばせば、一ピン目の意味がない。

そんなのは、誰だって知っている。誰もが分からないのは、じゃあ、どうするべきなのですか?という話だ。

結論は、クライマーがグランドのリスクを受け入れて、高い位置に一ピン目を入れるのだ。しかも、60のスリングで伸ばして。

つまり、緩傾斜で落ちるような人はリードで取り付くことは、そもそも、してはいけないのだ。

スリングで伸ばすのは、縦の屈曲を避けるため。言うまでもないが、屈曲でロープは流れなくなるのだから。

というわけで、1ピン目を取っても、その一ピン目にぶら下がれるか?というとぶら下がれない。

つまり、ロープという保険は無しに等しい。

■ 2ピン目

では、2ピン目は?

垂直になったら、立てるところで、入れないといけない。しかも、これも、縦のゼットを避けるために、スリングで伸ばさないといけない。

つまり2ピン目を取っても、それにぶら下がれる状態にはない。2ピン目で落ちたら、緩傾斜帯に激突だ。グランドはしないだろうが。

というわけで、これも重大事故を防ぐような保険にはならない。

■ 3ピン目

3ピン目は完全に垂直だ。これは、レーザースピードライトを入れた。水氷でも、立っているところは、乾いていて、レーザースピードライトでも、回しやすいことが多いそうだ。

それは知らなかった。ので、下から指示をもらって助かった。

■ 4ピン目

4ピン目は、アックステンションでハンギングして、設置。近くに設置した。2メートルほど。

■ 5ピン目

5ピン目は、傾斜が緩くなったので、特に怖いとも感じず、しばらく登ってピンを入れたら、ランナウトしてしまった。

■ 6ピン目 

6ピン目は、もう落ち口付近なので、そろそろ入れないといけない。でも、傾斜の緩いほうに来てしまい、傾斜のきつい、厚い氷は、自分の左側にある。

困ったな…。左手でスクリュー設置を試みるが…左手では打てそうにない。

体を左に移動することを考えるが、傾斜が寝ていて、アックスが打ちこんでも寝てしまうため、ななめ下に氷を引くことになり、鉛直のラインで下に引くのではないため、ハズレそうな気がして、そのアックスの配置で長時間滞在したくない。

ので、妥協して、安定しているスタンスで立っていられる、右に打ったが、そこは、氷の切れ目から、30cmくらいしかないので、落ちたら、氷が崩壊する可能性があった。

でも、落ち口では打つ決まりになっているし…今、打たないと、大ランナウトになってしまう。

ので、一応で打った。でも、100%の信用はできないので、まぁいいかとクライミング力でカバーした。

■ 終了点と支点構築

あとは、もう支点へ駆け上がるだけ。支点は、残置のロープがあるだけだった。

残置にカラビナ1枚かけ、残置ロープのバックアップとして、自分のスリングを入れて、さらに環付ビナ一枚で支点構築した。

■ ローワーダウン

ビレイヤーに声を掛けて、ローワーダウンをお願いした。ローワーダウンが分かっていないビレイヤーもたまにいるそうで、

「ロープの両端を持って、落ち口まで後退し、ビレイヤーがビレイしていることを確認してから、ローワーダウンしてもらうように」

とのアドバイス。これは実践的だ(笑)。

実際、誰と組む場合でも、最初から信頼できるビレイヤーであることはほとんどなく、最初は互いに信頼できないことを受け入れて、信頼を育てて行かなくてはならない。

ほとんどのパートナーシップの問題は、その信頼を育て損ねることだ。

互いに分かっているクライマー同士は、クライミング経験の披露になることが多い。互いに安心するためには、どの程度の経験があるのか?が目安になるからだ。

実際、失敗と言うのは誰にでもある。私だって、全く初めて小川山で小川山物語をしたときは、先輩をビレイしていてロープが流れてしまった。一瞬だったので握って止めれたが、流れたロープを握って止めることが非常に難しいことは理解した。ので、以後は必ずビレイグロープをしてからしか、ビレイしないし、コールの聞き違えには気を使っている。

「セルフ取りました」と言われて、解除していいのかな?と思い、セカンドで登る準備を始めたこともあった。本当の初回のフリーの時だ。ローワーダウンと言われて、「待ってください」と返事した。その後は、フリークライミングでの作法は、アルパインでのつるべとは違うことに気が付き、フリークライミング向けの本を買って来て勉強した。

こうした登攀を含む山は、ちょっとした、きっかけ(気づきとも言う)で、1から10を勉強する人でないと、危ない。

特に初心者の頃は学ぶべきことが非常にたくさんある。その時期に、”時間がない”などという言い訳で、勉強しない人は、(時間)と(パートナーであるクライマーの命)では、自分の時間の方が大事だという判断をしたということなのだ。

人の命を軽んじていることに無邪気な人が多いけれども。その人は、知識の面で十分勉強して理解が進むまで、登攀に行かない方が良い。

心・技・体・知・経の、知が遅れを取っているということなのだから。

■ リードラインの評価

このリードは、こんな感じだった。まったく不安なし。登れて当然のリードだった。

せっかくベテランといるので、リードラインを評価してもらった。最後の落ち口に設置した中間支点は、やはりまずかった。

そこは、強点を登るべきだったのに、弱点を登ったのがよくなかったのだろう。

■ 打ち足し

さらに、青ちゃんは、落ち口に、もう1ピン打ち足した。傾斜が変わるところで、落ちることが多いからだ。

■ 再度ピンク

再度、ピンクポイントで、修正されたリードラインを登る。

■ より保守的なラインに

青ちゃんは、上がドライでプチアルパインになっており、危険が大きい湯川でリードさせたがったりした割りに、大して危険にも見えないシャイアンの上部では、もう一ピン入れろと言う…。

随分、保守的だ。私が大丈夫だろうと思うところで、アブナイと思うらしい。逆に私が危ないと思うところで、大丈夫と思っているようでもあるし、危険の認知については、ずれがある。

しかし、全く同じ人間であることはないのだから、危険認知にずれがあるのは、当然のことだ。

大事なことは、相手が危険だと思うことを強いない、ということだ。

ピンを多く入れすぎて危険になることはないが、なくて危険になることはある。入れたいなら入れればいいのだ。

■ アパッチ 6級トップロープ

青ちゃんはとなりのアパッチ6級をリードしたかったので、お礼にビレイ。

私には、ピンクでトライしたら?という提案もあったが、登った後で気を変えたらしく、トップロープへ変更。アパッチはトップロープなら何も難しいところはない。

私は本来はアパッチの隣のチョロキーは傾斜が寝ていて、そこはトップロープでも登っていないので、完全オンサイトでのリードになるので、やってみたかったが、見たところ、全然楽勝そうだったので、青ちゃんのアドバイス通り、登らず、難しい6級アパッチの方を2本トップロープで登った。

■ アイスのリードは落ちれないのではなく、落ちない

先日岩根のドライツーリングに行き、意識が全く入れ替わってしまった。

アイスのリードは落ちれないのではなく、落ちないのだ。アックスばき効きが前提だから、手を離さない限り落ちる理由がない。

アックスにぶら下がればいいからだ。もちろん、敗退用のギアをもっていかなかったりして、進退窮まってしまうことはあるだろうが、それだってアックスを残置するという最後の手を使えば、ローワーダウンしてもらうことはできる。

このリードは、最初から最後まで、ちゃっちゃと片づけておく、という印象だった。

青ちゃんは、文字通り青くなっていた(笑)。まぁ、よっぽど、私はリードクライマーとしては、信用ならないんだろうな~(笑)

まあ、ビレイするほうの心臓も、心配で大変ってことだ。オンサイト力はこれからだ。

■ 守りの技術不足

実際、マルチに出ていないので、悪場の経験がない。

ゲレンデアイスばかりで、アルパインアイスの経験が圧倒的に不足しているのは、事実なのだ。

なので、クライミング力ばかりが、上達してしまっており、氷を見極める目、悪い氷の質のアイス…たとえばシャンデリアなどにプロテクションを設置する技術などは、身についていない。

したがって、リードラインの読みは、保守的であるべきだし、攻撃的なラインでの墜落は命取りだ。

■ 今、できること

だから、トップロープ限定のコンペを頑張るほうが、今の私にはふさわしいと思う。

神様は、私には、三級がゆとりを持ってリードできるような頃…1~3年目…に、私に相応しいザイルパートナーを送ってよこさなかった。今もいない。

それは、たぶん、それが私にとってベストな選択だったからだろう…

判断を手放すとは… 本当は〇〇であったら良かったのに…という思いを手放すことだ。

私は信頼できるビレイヤーがいなかった中でも、我ながらよく頑張ったと思う。自分がやってきた努力の内容に、これ以上、ということはなかったと思う、ベストを尽くした、と言える内容だ。

その結果が今であるのだから… 今の技術やスキルに多少の問題点があるとしても、それにフォーカスすることは、自分を否定することになるだろう。

そもそも、全方位的に100%順調な成長をする岳人などいない。レスキューが、丸でお留守な人もいれば、懸垂下降すら知らず、ルートに行く人もいる。

■ 技術的課題

今の技術的課題は、

リード方面は

・4級で距離を伸ばす=スクリューが打てる数を広げる

・プロテクションへの信頼を育てる (悪いところに打ってTRで落ちてみる)

登攀方面は

・ドライツーリングを頑張る
・体重の軽量化
・前腕のパワーアップ

だ。まだ習得していないクライミング技術がいっぱいあることが、岩根ドライツーリングに行って判明したから(笑)。

■ 関連記事

Ⅳ級初リード








Feb 17, 2017

相沢3回目

 ■ 3回目の相沢

3回目の相沢はとても楽しかった♪

以前の山岳会の先輩が応援に来てくれたのだった。

その先輩は、私の実力を知っている。

アイスも私より登れる。

それで、相沢大氷柱が私の今の実力に相応かどうか、良く分かるだろう。










■ リードの順番

アイスのリードは、落ちれない。

落ちれば、重大な事故につながる。

私のビレイは、かなり確実で、すでに墜落を止めた経験は10回以上だし、そのうちには、体重の自分より重いクライマーの落石による墜落も含む。

年間のクライミング日数は128日だ。

お願いだ、誰か確実なビレイを提供してくれ、という気分。私自身は確実なビレイを提供しているのに、私に逆に提供し返してくれる人がいない。

今回は転進だった。相沢は先輩は初めてだったそうなので、案内。私は、自分がリードするつもりで出かけた。

しかし、滝を見て、彼は気を変えたようだった。彼のリードに決定。まぁ、この先輩とはクライミング力で違いがあるのが分かっているので、決断は大体先輩がしてくれる。

要するに、55mのリードは、まぁ私には早いってことですね。先輩とはありがたいものだなぁと思った。

ロープは各自が持ち寄った。

■ 参考になった

先輩がリードしてくれたわけだが、このリードのライン取りはとても参考になった。

青ちゃんが最初の1ピンを入れたところまでで、彼は3ピンも入れた。

クライミングは登り出しが一番危ない。1ピン目は重要だ。ただ、あまり大きな滝で、早くに、一ピン目を入れてしまうと、ビレイヤーが後退できない。屈曲が90度近くに大きくなってしまうからだ。

かと言って、スリングで伸ばすと、1ピン目の意味がない。安全ではない。

結局、安全を犠牲にして、ロープの流れをよくするか、屈曲が大きくなるのを甘受するか、というようなことになる。

彼は、最初は弱点を突かず、強点を行ったので、強い点を行く=ランニングが多数必要。

テラスに乗り、ハングの乗越もリードした。これは、ほとんどの人がリードでは取りつかない。強点だ。

しかし、その上は、シャンデリア。シャンデリアであるということは、リードで取り付く前にベータで伝えてあった。私は相沢は3回目であるからだ。

リードラインの相談ができるのが、自分とスキルが近い先輩と登るいいところだ。同じレベルの者同士でも、リードラインの相談ができる。

氷は、リードラインの読みがほぼ9割を占める。フリークライミングは、強点を敢えていくというクライミング。しかし、アイスでは落ちられないのだから、弱点を繋ぐ。とはいえ、弱点はもっとも登りやすいラインとは限らない。もっとも、プロテクションが良いラインが弱点であるのだ。

彼はシャンデリアを見て、リードラインを変えたので、ほっとした。シャンデリアは、スクリューが効かない。結局、中間部の難しいライン取りができる部分は、弱点を行った。

その上のすでに消耗戦、持久戦となる部分も、弱点のラインを行った。要するに、力の配分が、アイスのリードでは大事だと言うことだ。

彼は、今が体力の絶頂期にある強いクライマーだ。たいていのアイスは彼はリードできる。その彼が、テラスのある上段でパンプと戦っているのである。

リードする条件としては、天候も程よく冷え、かつ冷えすぎず、寒さでパンプするのではないような日で、滝が溶けて流れている、ということもない日に、だ。

こういうことは、ベテランとばかり登っていると学べない。

ベテラン青ちゃんと登ると、誰もいなければ、当然弱点を突いて登るが、誰かがいたりすると、別に一番易しいラインでなくても登れるので、強点を直上してしまうし、悪い箇所でもプロテクションを入れてしまう。しかも、それは特に難しい様子には見えない。

相沢の2回目、私がピンクポイントでリードできるかもしれないな、と感じた日、彼は一番易しいラインを行かず、しかも、ランナウトさせ、私はビックリ仰天させられた。話が違う、という感じだ。

もっとも易しいラインである右のラインが完全氷結になることは少ないのだそうだ。欲目を出したばかりに、残念な結果になった。

先輩にどういう風にリード練習したかと聞くと

醤油樽の滝 3級、35m
南沢小滝  4級  
南沢大滝  4級+

と進んだのだそうだ。私はまだ醤油樽の滝もきちんとリードしていない。なのに、なぜ、いきなり55m?

やはり唐突感があるのと、期待が大きすぎることが分かった。

が、先輩によると、私のムーブはだいぶ洗練されており、登りを見ているとリードでも行けるんじゃないか?と思うのだそうだ。

しかし、だからと言って、いきなり55mを期待するのは、アイスでは、特に危険が大きいのだから、アブナイ思想だと思う。

■ 登る楽しさ

私が何に登る楽しさを見出しているか?というと、基本的にはラインの読み。アイスではラインを読むのが楽しい。

こうして、こうして、ここにアックスを刺せば簡単に登れる、という最も易しく登れるラインを見出すのが楽しいのだと思う。

もちろん、氷はラインによって違う。難しいラインもあれば、易しいラインもある。それが山との駆け引き感があるのだ。

そろそろプロテクションだなぁと考えるのも楽しい。なので、プロテクションが取りやすいライン、滑のアイスが私の今のグレードだ。

なにしろ、私はプロテクションを入れるという視点で、氷を見始めたのは、ここ数週間くらいだからだ。

リードすることが視野に入るクライミング力がなければ、氷を見る目は、課題にならない。

氷を見る目がない人は、氷を見なくても良いラインで登る。

■ イコールパートナーに成長してくれない人

まったくロープさえも持っていないようなクライマーだと、そもそもクライマーとは言えないし、ビレイがきちんとできない人も、そもそもクライマーとは言えない。

まだクライマー未満の人を後輩で連れて行くのは、私には荷が重い。

例えば、「どっちのロープを引きます?」という会話ができない。初心者だと、きょとんとしてしまうだろう。

「ロープ径、何mです?」「同じくらいだったら、ダブルのオーバーハンドノットでもいいですね」

という会話もできない。なにしろ、ロープ径が異なる場合はノットが複雑になる、という知識もないだろうから。なにもかもを、こちらが責任を負わないといけなくなり、そのこと自体について、自覚がないだろう…

ということで、やはり、荷が重いのである。特にアイスのリードでは落ちれないのだから。

落ちないところは登ってあげるけれど、それは、正直言ってノービレイと同じことだ。

そうしたリスクを背負って登ってくれているということが分かってくれているだけでも、良い後輩であると思う。しかし、そういう初心者は少ない。

私は師匠のアイスのリードをする機会ができたときは、アイスでのリードのビレイは、初めてだったので、保科ガイドのアイスの講習に出かけ、リードのビレイの仕方を教わってきた。それだけの責任感を持って、ビレイした。

同じことを他の人には期待できない… ただ持っているだけのビレイで登るべきクライマーなんていない。

最低限の資格は、やはり、アイスで墜落を止めたとは言わずとも、通常の日常的なクライミングでインドアでのリードのビレイ経験を積むことだろう。

■ 楽しそう

相沢では宇都宮の山岳会の人たちと会った。初心者の二人組には、こちらのパーティがリードするので、トップロープクライミングをするのをだいぶ待ってもらった。

となりのエイプリルフールを偵察に行ったら、これが私のリードにちょうど良いサイズなのでは?という滝があった。

プロテクションも良く効きそうで、良いプロテクションを見極める目も必要ない。

■ ピンクポイントは嫌い

今回のことで、よく分かったのは、私はピンクポイントは嫌いだということだ。マスタースタイルで登るカムでのクラックでも、ピンクは嫌いだった。

自分で登ったと言う感じがないのだ。もちろん、そのピンクが、自分の判断で行ったことだったら違うだろう。

吉田さんのマーズはピンクポイントだったが、それは吉田さんが判断したことだっただろう。

スタイルにこだわって登りたいのに、それができない。

ものすごくフラストレーションだ。

私の考えでは、ピンクで登った55mよりも、マスターで登った10mのほうが価値がある。







左が私の今のレベルでのリードに適しているのではないかと思える滝。

エイプリルの左。

Feb 13, 2017

湯川&神津牧場

■ 久しぶりの非日常クライミング

週末は、久しぶりに非日常のご褒美クライミング~。つまり、宴会&温泉付き。私は毎週クライミングに行くので、そうなると、ご褒美クライミングしている場合じゃない(笑)。日常なので、コスト削減がテーマだ(笑)。

今回は、初対面のY岡くんと青ちゃんとの三人に、後輩のO君が自分のパートナーを連れて参加した形。

初日は、課題が難しい湯川でムーブを意識した練習をし、翌日は、相沢大滝で、易しいが大きな氷瀑に挑戦する予定。

■ 混雑核心

実は、週末にはあまり登りたくない…のは、混雑している、から。アイスクライミングでは、混雑=リスク。なぜなら、落氷のリスクが一気に増えるからだ。

しかも、週末来る人たちは、例えば、年に一回しかアイスクライミングしません、というような人もいるので、落氷を落とすようなクライミングスタイルの人が大多数で、中にはすっごく大きな落氷を起こす人もいるのだ。他人の落ち度で怪我をするリスクが増える。

とは、いえ、今回のアイスクライミングでは、前に湯川に行った時のような、なにか胸騒ぎがするような、”経験者の指導の下に管理されていないホンモノの超初心者クライマー”は、いないようで、特に怖いと感じることはなかった。

■ 湯川

初日は湯川。湯川はもう、8回目である。あー、退屈。って具合なのだ(笑)。

私が登りたいのは、乱菊なのだが、全然凍結が悪く登れない。

相変わらずの白髪エリアへ・・・。ああ~別の課題が登りたいなぁ。白髪エリアの課題は短く、ビレイエリアが遠い。支点は遠く、支点まではプチアルパインで、ドライツーリングを経由しなくてはならない。なので、まったく初心者のリードには不向き。

≪白髪エリアの特徴≫
・短い
・難しい
・ビレイエリアが遠い
・支点が悪い

難しいから面白いのであるが。しかも、林道奥の駐車スペースから徒歩5分。

このような位置関係にあります ベテラン以外はリード不可

つまり、この上記の写真のような位置関係にある。ロープが出ている長さに注目してほしい。(ビレイヤーから一ピン目までの距離)と、(1ピン目からクライマーまでの距離)
では、どう見ても

(ビレイヤーから1ピン目までの距離)>(1ピン目からクライマーまでの距離)

である。比率で、3:1 くらいになっているのが分かるだろうか? 

例えば、9m:3mとしよう。 シングルロープでは、衝撃荷重で36%伸びると仮定しよう。

トータル12m出ているから、リードで墜落した時の伸びは、約3割と概算して、4m。しかし、最後のピンからロープが出ているハズだから、それを入れて、まだ足元くらいで落ちたとしよう。0.5m。ビレイはパツパツではないハズで、ビレイ中のたるみがあるから、0.5m。 合計5m落ちる。 登った距離が3mだから、3m-5m=-2m。 

グランド(地面への墜落)となる。

墜落を止めた経験がないビレイヤーだと、手前に引かれて踏ん張れない可能性も高い。一歩足を前に差し出しただけで、グランド(地面に墜落すること)確実である。

こういう連想は、別に詳しく計算しなくても、今落ちたらグランドだな、と、フリークライミングでも、日常的にリードクライミングを毎週、外岩や人工壁に通って、半年くらいは経過した人は分かる。

普通の人は、今落ちたらグランドするか?どうか?良く分からないのだ。

だから一般的には、山岳会など危険が分かっている人の元の指導では、人工壁で練習させ、こうしたことが分かるようになって、初めて外岩に連れて行く。

昔の教え方から脱却していない山岳会は、そういう流れになく、まったくダメな人でも、その人にビレイさせなければいい、とか、トップロープだからいいや、と連れて行ってしまう。

連れて行かれた人が気が利いた人なら、そういう機会に、ビレイヤーとしての責任の重さを理解し、”しっかりビレイをマスターしなきゃ!!”と思うものだが、一般に登っていることが楽しいだけだ。結局、機会を与えようという先輩の気持ちは通じず、全然ビレイはお留守のまま、クライミングだけが高度化していく。

こうして、”登れるがビレイがダメ”、という”登れるお粗末クライマー”が出来て行くのだろうな~。残念な経緯である。

正しい経緯は、「登りたかったら、ビレイをマスターしてね♪」ってのが正しい流れである。

■ ダブルのロープでシングルストランドでリード?

後輩のO君が、ダブルロープ買いました♪と言ってくれ、とっても嬉しかった。のだが、今回の湯川は、悲しきかな、ゲレンデではシングルが基本なのである。ダブルは本チャンで使う。本チャンは基本落ちないのだ。

つまり、ゲレンデでは伸びないロープが欲しい。ここは、トップロープ限定エリアだからである。

私は、ここの一番易しい課題とその次くらいは別段リードに問題ないスキルを既にもっている。

が、だからとって、ダブルのロープでシングルストランドでリードするような馬鹿なことはしない。

ダブルのロープは、細いので、ロープの伸びが大きいのである。ちなみに私の持って行ったシングルロープ9.4mの伸び率は静荷重6% 衝撃荷重36%である。

彼のダブルの伸び率が何%なのかは知らないが、私のダブルは、静荷重7%、衝撃荷重36%で、静荷重でもシングルより伸びる。

シングルでも落ちれないのに、ダブルだとなおさら落ちれないだけでなく、ダブルは、2本引きながら登るもの。ピンAに右を掛けたら、ピンBに左をかける、という登り方をして、屈曲しているルートに対応する。

湯川の課題は、そもそも、そんな登り方は必要ない。湯川の課題ではなくても、アイスでは、ほぼまっすぐに上がるのが普通。よほど、易しいラインだけを狙うというのなら、ダブルで振り分けながら登っても良いが、それはクライマー次第な話だ。

ダブルのロープをシングルで使って、一本だけでリードするなんて、アリエナイ、と異議申し立てをしたら、半分で折って中間者ノットで、カラビナでアンザイレンし、ダブル仕様にして登れ、と言う…

リードなのに、カラビナでアンザイレンなんてない。リードではエイトノットでしょう。しかも、中間者結びは、ノットの締りが悪いシープシャンク。しまりが悪い=落ちたら伸びる。

しかも、ツインのように一つの中間支点に、2本とも掛けたら、という。1本だけをカラビナに掛ける場合と、ツインのように2本とも一遍に中間支点に掛ける場合が混在することは、教科書的にNGである、とされている。もし、山岳会でそのような登り方をしている写真がアップされていたら、あールール違反してる、と誰もが思う。

私は個のロープ構成では、ダブルではなく、ツインで登るのが一番安全だと思い、そうしようとしたら、全部ツインで掛けるのはダメだと言う。

だとしたら、ダブル、ツインの混在はなぜいいのか?不明だ。

なんで、初めてのリードなのに、そのような変則的な登り方をしないといけないのか?

しかも、リスクは、ノーマルスタイルのリードより増えている。

通常、リードは自分のロープでするものだ。

結局、リードは取りやめた。「自分のロープでリードします」と言った。

オーソドックスな登り方以外を試すのは、ベテランの領域の人がやるべきことで、初心者がやるべきリードスタイルとは思えない。

パートナーに嫌われようが何しようが、自分の命は自分で守るものである。

≪まとめ≫
・湯川白髪エリアは初心者のリードには向かない
・登攀技術の練習向き
・リードは自分のロープでするもの
・ビレイヤーはクライマーが選ぶもの
・ツイン使用とダブル使用の混在はNG
・リードではアンザイレンはエイトノットで
・山は自己責任

■ 神津牧場

翌日は相沢の予定で、7時出発8時には登山口に到着したが、すでに登山口の駐車エリアは満杯だったため、神津牧場に転進した。
神津牧場も満員御礼。20人以上の大混雑したクライミングデーだった。
そのため、2人パーティ+5人パーティだったというのもあるが、一人3本くらいしか登れず、多少、消化不良。
右のライン、中央の氷柱を登った。
一緒に行ったY岡君の顔の広さにビックリ、みな知り合いのようだった。となりも山岳会の人で、みなで和気あいあいモードだったのが、とても良かった♪

山岳会のベテランさんたちは、好きだ。みな、何をどうすればいいのか分かっているから。一緒にいて、とても安心感がある。

私自身もまだ知らないことが多く、リスクには敏感なほうだが、それでも、気が付いていないリスクがいっぱいあることを自覚している。たとえば、膝や腰ラッセルしていても、そこで雪崩の可能性があるとは感じない。なので、自分よりも、より良くリスクが分かっている人がその場にいるだけで、うれしい。

中央の氷柱は、氷の状態が悪く、6級+であったが、すでにアックスがフッキングでき、足場も、皆が登った後で、ムーブは決まった動作になってしまっており、リードが怖い以外は易しい6級。特に問題なく登れた。
リードは、プロテクションが悪く、ベテラン以外は、禁止の領域。

左のラインは、むりやりドライにしない限り易しい階段状の4級-。三級とさえいえそうなくらい、簡単。私は、きちんとしたビレイヤーさえいれば、普通にリードできそうだった。氷も特に悪いとは考えられなかった。

この日は、非常に天気がよかった。帰りは、ちょっと日焼けしたようだった。

■ オマケ

初日は、灯明の湯(800円)、翌日は荒船の湯(600円)に入り、甲府帰着は19:30.

結論: 楽しく、ご褒美クライミング♪

失敗:ロープの知識を与え損ねたこと
感動:だいぶ自分が上達したこと
目標: 難しいドライツーリングに移行する(トップロープ課題)


Feb 10, 2017

相沢大滝 2回目

■ランナウト

昨日は、2回目の相沢大滝へ行ってきた。

リード練習(ピンクポイントでのリード)の予定だったのだが、予想外の展開で、リードで取り付くことは許されない状況になってしまった。

相沢大滝は、55mある。相方は、私のピンクポイントのために、スクリュー15本持参したにもかかわらず、7本しか打たなかった。

相沢大滝の右のラインはWIⅣ級で易しい。しかし、易しいからと言って、ランナウトが許されるのはベテランのみ。

そのグレードを初めてリードする人は、ランナウトするくらいなら、登らない方が良い。

登るのはクライマーだ。ランナウトするかしないかは自分で決めるべきであり、特に初心者では、きちんとランナウトしない間隔で登る感覚を覚えるべきで、「ランナウトしてもいいや」を受け入れるべきではない。

特にグレードを上げるときはそうだ。

私はもう普通にルートではリードできる。ルートでは、60~70度しか出てこないからだ。今年のリード経験は、

・南沢小滝 Ⅳ級- ピンクポイント 18m
・春日渓谷 Ⅳ級- マスタースタイル 10m 2段
・善五郎 Ⅳ級+20m ピンクポイント/Ⅳ級-15m マスタースタイル
・広河原沢三ルンゼ Ⅳ級- マスタースタイル

そこから、いきなり相沢大滝55m、しかも、ランナウトした状態でのピンクポイントは、取るべきステップが大きすぎる。

これから・・・
いきなりコレ?

おかしいでしょう。

安全とは小さいステップを刻むことで、無理をすることではない。

自信と言うのは小さいステップを重ねることでつくもので、一発逆転を狙って、賭けに失敗することではない。











■ランナウトすべきではない

高いことが怖い、というのは、空想上の恐怖である。ロープを毒蛇と見まがうような事であり、クライミングにおいて、高いことはリスクではない。むしろ、地面に近いほうが、地面ぶつかるため、リスクである。

一方、ランナウトが怖いというのは、実態のある恐怖である。ランナウトするということは、ロープを付けている意味がない、という意味だ。

そのため、今回の相沢大滝でのリードはなし、と決めた。初心者がリードするにあたって、ランナウトすることは、危険が大きすぎる。

■リード技術の自己判定

リードするには、守りの技術と攻めの技術がある。

もちろん、最大の守りは攻撃力だ、と考えることも可能である。

攻めの技術
1)ムーブの安定 (凸角、凹角の登り分けなど)
2)ルートグレードの理解と力量に見合ったルート選定
3)氷の見極め (氷コンディションとリスクマネジメントの関係性とプロテクション)
4)氷を落とさない登り
5)安定したアックス(効いていて、効きすぎていない)
6)リード用の登攀ラインの読み
9)6級が登れること
10)パワー (前腕の引きつけ力、体力のこと)
12)高さへの慣れ
13)ヤル気

守りの技術
7)スクリューも打ち、レスト体制
8)アックステンション
11)ビレイへの信頼

■ 圧倒的に不足する、守りの技術

前の師匠の鈴木は、初心者の時点から、リードをさせる人だった。そのため、1年目からリードしていた。

一方、所属していた山岳会では、きちんとしたビレイヤーがいなかったため、リード練習することはできなかった。なので、三級やⅣ級のルートへ行くべき時に、行けていない。
なにしろ、ゲレンデのメンバーを集めるだけで一苦労なのだ。つまり、スクリューを打ち、リードラインを読み、壊れやすい氷を読む技術を身に着けていない。こうした技術は易しい初級のルートで身につくものだからだ。

3年目も同じで業を煮やして、初心者の大学生をフォローにして、やっとこさ、ルートでの初リードを貫徹した。

今年は四年目である。すでにリード経験はあるので、相沢大滝まで無理してリードする必要はない。

登山において大事なことは、焦らず無理せず、たゆまず取り組むこと。焦りと無理は無駄である。

焦りとは、早く上達してほしいと言う思いのことを含む。一発逆転思考は、山では事故や墜死のリスクと直結する。

■できない理由をつぶす。

マーケティングは、買わない理由をつぶしていく活動だが、リードクライミングは、できない理由をつぶしていく活動だ。

特にアイスのリードクライミングは、中間支点の整備された岩登りでのリードとは異なり、プロテクションであるスクリュー設置の負担が非常に大きい。

どの程度の負担まで、負担可能か、という見極めができるまで、大きすぎるチャレンジは禁物である。

登るのはクライマーであり、落ちて死ぬのも、クライマーである。楽勝だった、というところで、アイスにおいては、氷は日々異なる。

A “picked out” WI grade six will often be a lot easier than a fresh WI 4 on a cold day, and vice versa. 

~略~ 

a route was 5.8 one day and 5.11 the next week based on number of ascents, temperature, refreezing, and how the rock formed that year.

良く登られている6級は、誰も登っていない、寒い日の4級よりも、うんと易しい。課題が、ある日は5.8で、ある日は5.11である、ということをイメージしてみて欲しい。登られた回数、気温、再凍結、その年のアイスの形状で、難易度が、ころころ変わるのである。

アイスの神様 Will Gadd のサイトより
http://willgadd.com/ice-and-rock-grades-a-review-and-perspective/

登りたくない人にリードを強いてはいけない、

ということは良く覚えているべきことだ。

Feb 3, 2017

相沢奥壁の大氷柱

 ■ 荒船山

今日は相沢奥壁の大氷柱へ行ってきました☆

実は、ここは、二週間ほど前に偵察に行ったものの、転進で霧積温泉になったところ…。

今回は凍っています~

 アプローチは荒船の湯からです。

短い林道ですが、四駆スタッドレス必携

登山口には、車が2~3台止められます。

堰堤の氷が凍ることもあるそうです。
 荒船山は、中高年のハイキングでも人気の山。

秋の紅葉の美しさが売りですが、氷瀑はすごかった~
 行きに「荒船70分、相沢30分」の標識の辺りから見た、大氷柱。
 登山道にはケルンが積んであり、沢2個、尾根2個向こうです。
 2個目の尾根に載って、通常モアイ岩(?)が出てきたら、左折します。
 じゃーん!こんな感じ~

すごい。

55mあるそうです。

ロープは、今回

 9.2㎜ 120m

を用意しました。お、重い…。

まぁ、アプローチ1:30なんで…。

登山口では、しっかり寒かったのですが、大氷柱に到着すると、なんだか気温が高いみたいな?アックス刺すと、氷が柔らかい…。

ちょっとがっかりでしたが、これはこれで、登攀が易しくなっていました。スクリュー効かないので、登れるのは右の凹角だけ。


青ちゃんリード中。私はリードを薦められていましたが、真に受けていませんでした。

だって、善五郎の滝、20mピンクポイントでビビっているのに。南沢大滝35mもまだ終わっていないのに、いきなり55mって…。

リードするなら20本スクリュー持って行く、と言われていましたが、当然ながら、リードしない予定なので、15本しか持って行きませんでした(笑)

いや~、いきなり過ぎるでしょ!

青ちゃん曰く、私は最近、急成長したそうで、もう登るスキルはあるそうなのですが・・・。確かに最近は、アックス、バチ効きしかしていないけど…。

でも、それでも、20mからだよねぇ… なんせ、55m… かなり高度感あります。

でも、取り付いてみたら、段々になっていて、登攀的には難しくなかった。

でも、後続パーティの若い男子がリードしていましたが、落ちそうになっていた(汗)やっぱり男子でも、そうなるんじゃ…?

終了点は左にあります。これでもかってくらい残置スリングがいっぱい。


今回は、以前、広河原沢左俣に行った時に舟山十字路でお会いした豊野さんにあって嬉しかった。沢のガイドブックで有名な方です。アイスもするのか~。さすが、のベテラン登りをされていました。


帰りに見た相沢の氷。 一番右が、大氷柱。

今回は、急遽行き先を決定したので、いきなり感がありましたが、どうも登攀が楽だったみたいで、2本しか登っていないのもありますが、全然パンプしません。

55m×2本なので、110mって計算…。

湯川なら、5mくらいなので、110m登ろうと思うと、22本も登らないといけないんですが…(笑)

■ オマケ

帰りは、荒船の湯でのんびりして帰ってきました♪ 

鹿肉もらって帰りました。


Jan 15, 2017

霧積温泉 細い氷柱

■ 初めて群馬へ

先日は、初めて群馬のアイスへ。群馬県の山には登ったことがなく、荒船山は、名前は知っていたが登ったことはない。

その荒船山の周辺をドライブしたら、なんだか山の様子が山梨ソックリでビックリ。転進で、霧積温泉になったが、周辺の林道の感じは、昇仙峡って感じだった。

しかも、-30度の寒気が入る日なのに、寒くない・・・(汗)。アイスの発達は・・・雲行きが怪しげだ。

霧積温泉は、冬季はやっていないのだが、奥地にある温泉のおかげで、林道があり、そのすぐ5分程度先に、アイスのゲレンデがあった。

特徴的な水車を見て、あれ?と思う、以前行くことを検討したが、あまり行くメリットがない、と却下したことがあった場所だった。

■ 悪いアイス

氷を見て、登るか、どうかを考える・・・。

とっても悪そうだったので、トップロープ限定だな~、と思えた。が、相方の青ちゃんはリードする、と言う。で、傾斜は寝ているが、ブラックなアイスの箇所をリード。

うーん、薄いような気がするが、半分は草つきの悪そうな場所だった。

■ 6級の氷柱

これは、まだ登るには適していない、と、先着していたガイドパーティは判断していたのだろう・・・

一番右の氷柱のラインは空いている。んだが、つららが細すぎて、登ることはできないだろうと思った。

が、青ちゃんが行けると言うので、試してみる。

・・・と登れた。

・・・こんな、ほっそい氷柱でも登れるんだ~というのが、発見だった。

細い6級


全体像


■ オマケ

帰りは下仁田ネギとこんにゃくをゲットして帰った。