アイスクライミングを始めると、まず最初にテーマになるのが、基礎技術を身に着けることです。
基礎技術って言われても、何か分かりませんね(笑)。基礎技術は、従来の山岳会では先輩の背中を見て盗むモノだったようなのです。なので、誰も言葉にして、表現していなかったりします。
私はアイスクライミング歴4年ですが、アイスクライミングの基礎技術がちょうど身についた、という頃合いらしいです。つまり中級者になりました。
そこで私がこれまでに理解した基礎的内容を記しておきます。
第一1段階 基礎
1)アックスの振り
2)氷を落とさないアックスの入れ方
3)アックスのテスティング
4)アックスを喰い込ませる
5)フッキング
6)蹴り込み
第二段階 パンプしない登り
7)二等辺三角形のバランスクライミング(レスト)
8)対角線バランスのクライミング
9)フラッギングによるバランス保持
10)足の入れ替え
ここまでがクライミングの基礎です。多くの人がムーブばかりに意識が行きすぎて、肝心の 第一段階で身に着けるべき、
アイスアックスがバチ効き
が疎かなまま、足をあげて登ってしまっています。それは、トップロープ登り、と言われる不安定な登り方です。
■ まずは、アックスバチ効きクライマーになりましょう
アイスアックスの振り方は、他の色々な所で紹介が出ていますので省略します。私は一言でいうなら、振りかぶる、ということをし始めて、きちんと効くようになりました。
大事なことは、
アイスアックスは、バチ効きでない限り、それより先に登ってはいけない
ということです。
余談ですが、これが自然と理解できるのに、私にはクラックが必要でした。クラックを登るには確実なクライミング力が必要だからです。
■ アックスを利かせるには?
たたきすぎては、氷そのものを壊してしまいます。
現代のアイスアックスは先が縦にとがっています。ので、力いっぱい叩くと、アイスピックのようにアイスをクラッシュしてしまいます。
そうではなく、しっかりと効かせるために、
アックスの先で氷をホジホジ
します。3~4回ホジホジして、力を強めに打つとしっかり入ります。
■ テスティング
バチ効きか調べるために、ぐっとアックスを下に引いて、確実に効いていることを調べてから、登ります。
テスティングする際、体重を掛けることで、アックスが氷に食い込む、というメリットもあります。
テスティングしないで、登ってはいけません。
■ フッキング
打ちこみを省略できるのがフッキングです。ひっかけるだけで登ります。フッキングするには、きちんと氷の穴を見つける目が必要です。あとはどの程度の厚みの氷で登るか?
という見極めも必要です。
■ 蹴り込み
アイスのクラインポン(アイゼン)は、つめの出し方がポイントになります。初心者は、アイスのクランポンの調整がイマイチなことが多く、しっかり足が蹴り込めていないことが多いです。
私はアイゼンを調節しただけで、いきなり登れるようになりました。
それまで、かかとが上がっているという技術的な欠点を指摘されていましたが、私のアイゼンの調整ではかかとを上げていないと、爪が外れてしまうのです。なので、アイゼンを調整しただけで、踵が上がると言う欠点は無くなりました。
以上で、基本的にはしっかりと氷に張りついていられるハズです。
次は楽に登る方法を身に着けます。
■二等辺三角形のバランス
これは正対でのバランス保持と同じということです。 ジムで登っていれば、普通にできるようになります。
大事なことは、ジムでのリード練習でクライムダウンを疎かにしないと言うことです。
私はジムで易しい課題(9級程度)を数多く登り、必ず、クライムダウンして、ムーブを理解しました。クライムダウンでは完全にぶら下がりになるので、正しいムーブ以外出てこないからです。
二等辺三角形のバランスは、レストの体制でもあります。
クラシックな三点支持の登りとも言えます。
■ 対角線バランスでのクラミング
これは側体でのバランスクライミングです。これもジムで被った壁をすると理解できます。
クラックのムーブは基本的にホールドが縦に一直線にある場合の側体です。
■ フラッギング
フラッギングは、手と足が同じになってしまった場合の、バランス保持です。
ジムの場合と違い、アイスでは、ほぼレストする場合に使うのみです。フラッギングはジムの易しい課題で、フラッギングだけで登る練習をすることで身につきます。
基本的に、正対で登れる課題は、側体でも登れ、側体で登れる課題は、フラッギングでも登れます。3種類同じホールドですべてを試す、ということもできます。その場合、必要ないときにフラッギングを使うと、パワーを消耗します。
■ 足の入れ替え
アックスがバチ効きなので、足を入れ替える際は小さくジャンプしてもOKです。
■ その他
ドライではマッチをよく使います。アイスではマッチではなく、持ち替えです。
あとアックスを打ちおろす先ですが、
30cm以上離す、
と言う風に最初に教わりました。
また凹みを狙って打ちます。
■ リズム
正対= ”閉じる閉じる開く開く”のリズム。右手を出したら右足です。
側体= 3拍子のリズム。手足は交互になります。
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