Showing posts with label ゲレンデ. Show all posts
Showing posts with label ゲレンデ. Show all posts

Feb 26, 2017

角木場の氷柱 4回目

■ デジャブー感なアイス

日曜は、気温もあまり低くなく、低標高の氷はいまいちだろうと、転進して角木場へ。部活アイス。

ここは、数回目なのだが、すでにアックスの穴があちこちに空いており、どのラインも、

導かれ感

があり、アックスの打ち込みは、易しく感じる。打つ場所が決まると、必然的にムーブが決まり、初めてでなければ、なんとなくデジャブー感なアイスクライミング、となる。

■ トップロープは経験がもっとも多い者が行う

今回は、トップロープを張る作業は、一緒に行った3人の中で一番経験豊富なY君に張ってもらった。

上では懸垂はやっぱり悪くて、彼は懸垂で降りず、歩いて降りてきたので、えらいな~と感心した。

のは、やっぱり、”危ない” vs ”危なくない”では、より”危なくない”を取るほうがエライと思うから。

以前、読んだ世界的クライマーの本には、「私が今まで命があるのは、他の人より雪庇を1m余分に避けるからだ」とあった。

保険なしでリスクに近づいて行くことを煽られているような人もいるし、それを煽っているような風潮もある…。ロープを出すべきところで出さないで済ませるほうが、”すごい”のような風潮や適切なトレーニングなしでの山行など…  でも、選択肢があるなら、そうではない方が良い。

危険を認知していても山は危険なので、危険を危険と考えなかったら、もっと危険。

今回は凍結があったので、雪の道はアイゼンが効いて歩きやすく、前回のようなラッセルはなかったが、急斜面は氷が出て危険だったので、安全なほうのアプローチを使った。

■ ムーブの出

今日は部活アイスで、3人で次々と登り、7~8本でお腹いっぱいとなった頃合い、15時ごろで引き上げ、エリアの別の滑滝を偵察して、完了。

今日はムーブの出が良かった。やっぱり二日連続でクライミングすると、二日目のムーブの出具合がとても良い。

一回目は二日酔いだったからなー。

■ トラバース練習 脱落防止コード

しかし、トラバースの練習をしていて、一度アックスがするっと手から抜けてしまった…

うーん… こんなウッカリをするとは。

アックスを落とすような人には、脱落防止コードがいるではないか…(汗)

まったく落とすつもりがなく、落としてしまったので、ショックである。

最近、アイスは、アックスばき効き以外ありえないということが、理解できるようになり、と言うことはつまり、脱落防止コードは要らないということだと理解していた。

が、落とすなら必要。

通常、クライミングとは垂直方向に登ることで、あまり横方向の移動はやらない。

が、トラバースは実践的であり、練習の必要があるので、トラバース、ちょっと難しい。足のホールドが見えづらいからだ。

まだ思案中。

脱落防止コードのせいで、墜落時にアックスが自分に刺さるというケースを聞くからだ。

■ 触られていないライン

最後に触られていない垂直のラインを触ったら、しびれた。

ここは、氷の柱を抱っこするようなムーブになる。足が切れるので、右足を隣の氷柱にステミングしてしまうと、易しくなる。

細い、細いラインにこだわると、氷を壊さないような繊細なクライミングとなる…のだが、この細いラインにこだわると言うのが難しい…。

ちょっと難しくなると、すぐ隣のホールドやスタンスに逃げたくなるんだな~

アイスは自分の好きなホールドをたどって登れるので、そうしてしまうとずいぶん易しくなってしまうことが多い。

■ ラインにこだわる

ラインにこだわる、というのが、アイスの上達への、有効な方法論なのだろう。

どれだけ細いラインにこだわれるか?というのは、アイスの上手下手の目安になるだろう。

まっすぐで細いラインで登れれば登れるほど上手ということになるかもしれない。

■ 出会い

週末は、良き出会いが一杯の週末だった。

今日は、恩師とも言える、松本さんに八ヶ岳山荘の前でバッタリ。お会いして直接お礼が言いたかったので、会えて良かった。

山岳総合センターで私の班の講師をしてくれた村上さんにも会えて良かった。

八ヶ岳山荘では、美味しいピザをいただいた。感謝☆

角木場は6級だが、もう飽きたな~などと感じていた。が、たくさん登れば、それなりに満足♪
2月26日の角木場

もっと登ってくればよかったな(笑)。



Jan 24, 2017

湯川 6回目

■白髪の奥

6回目の湯川は、白髪エリアの奥が登れた。

今日は保科ガイドにバッタリ会った。

青ちゃんはすでにリードして、トップロープにしてくれていた。そこは、クライミングは易しかったが、雨が降っていて、手袋が濡れ、手が凍傷になりそうになったそうだ。今日はえらい寒い日だった。
ビレイ中も寒くて、つま先がかじかんだ。

そのライン、スクリュー回収しながら登ったが、落ち口で氷がなく、ドライになっていて、ちょっと怖かった。トップロープにしてある支点のスリ
白髪エリア 奥


ングは、1点は、残置で、残置はなんとも心細い4ミリくらいのスリングで、作ってあった。

回収しながら、トップロープで登り、終了点で、捨て縄を追加。お役目はワタクシ。

後から来た保科さんはリードしないで、歩いて上まで行ってトップロープを張っていた。今日はリードのビレイができる人材がいない日だったのだろうか?

青ちゃんと保科さんがニコニコと会話しているので、何を話しているのか興味があったが、詮索ははしたない。

保科さんは私が保科さんの講習でアイスデビューしたことを知らない。会ってもあんまり覚えていないようだ。ま、3回しか会っていないからな~。

■ 6級のライン

その後、かぶっているラインのほうへ移動。一本目は、回収しながら登る。2本目はスクリューを打ちながら登る。

連続3回登ったりして、腕に負荷を与える。 

今日はアイスの難しいラインを少し味わってみたのだが、まだ中がスカスカのツララの場合は、ムーブに法則が見いだせない。まだ氷柱タイプのほうが、クラックみたいで何とかなっている。

中すかすかツララは、洞窟登りみたいな感じなのかなぁ・・・ステミングをどうしても使いがちで、それであっているのかどうか不明。

被っていたら、振らないといけない。大事なことは完全に腕にぶら下がると言うことだと思う。

■ 左手にぶら下がる

しかし・・・今日はなんと重大なことに気が付いたのだ!

今日まで気が付いていなかったわたくしは何と愚か者だろう!!! アイススクリューを打つときは、超ヨワヨワの左手にぶら下がらなくてはならないのだと言うこと・・・

つまり、弱いほうの手にぶら下がらなくてはならない・・・。ということで、今日は左手の腕力が切れて、アックステンションをしようとした。

■ 新しいアックステンション

今日は、新しいアックステンションのセットを持って行ったのだが、微妙。

アックステンションの調節コードをアックス側に付けると、アックスのお尻に紐がブラブラして、あまり、快適ではない。

首からぶら下げるフィフィの側で調節しようと思い、アジャスタブルフィフィを持って行ったら・・・使いづらかった。6mmのコードで作るように書いてあったので、6mmのコードを持って行ったのだが、6mmではなく、4mmがいいのだそうだ。

たしかに、6mmのコードでは、全然調節できない。

というわけで、左手が特に弱いので、垂直以上ではアックステンションかなり重要。

・・・左手の腕力が強くなる理由も分かる。

左手よ、早く強くなっておくれ、って感じ。右手の前腕はだいぶ強くなったんだけどなぁ・・・

≪課題≫

・快適なアックステンションセット
・左腕の腕力強化
・6級ムーブ

Jan 18, 2017

三つ峠 金ガ窪沢偵察

■ 電車で行けるアイス 

三つ峠は、三つ峠駅という駅もあるくらいだから、首都圏から電車でアプローチができる山だ。

花と富士山の眺望で知られるが、実は、古典的ロッククライミングのゲレンデである屏風岩もあり、アイスクライミングの初心者向けゲレンデである金ヶ窪沢もある。

霜山方面には、カチカチ山ロープウェイがあるおかげで、ハイヒールにふわふわのコートの観光客もいるし、背後には御坂山塊の主脈を抱えているので、ロングな縦走の起点・終点とすることもできる。

山のサイズとしては、小さい山なので、初心者のハイキングにもよく選ばれる山だ。

■ 一粒で三つおいしい~!

富士山目当てのカメラマンや観光客、花目当てのハイキングの人たち、クライマーやアイスクライマー・・・、色々な趣向を持つ人たちが一度に集まる・・・という三つ峠の特徴を生かして、

 ・金ヶ窪沢 偵察
 ・ラクラクルートで歩荷訓練
 ・久しぶりの友達との楽しい語らい

をしてきた。

■ 金ヶ窪沢偵察

とりあえず、友人は富士山に121回も登る健脚だが、クライミングはしないので、アイゼンだけ持ってきてもらう。

私は友人のためにアックスを2本、歩荷訓練向けにロープやギアを入れたザック。今回は雪道ハイキングなので、ストックを持つ。

金ヶ窪沢は入り口を見落としやすい。一度上の堰堤まで行って引き返した。沢から離れるカーブに行くと間違いだと分かる。

トレースはついていた。小さい徒渉一回。凍結はイマイチで残念だった。



堰堤の上の支点に良い立木

初心者の練習に良い歩いてトップロープが張れるアイス

こんな段々

堰堤は、上に、トップロープ支点にピッタリのしっかりした立木があり、そこまで歩いて行けるので、初心者同士のクライミングにも使える。

傾斜はこのような様子。階段の段々なので、トップロープならアックス要らないかもしれないくらいだ。

■ その他

快晴の三つ峠から富士山。

カチカチ山ロープウェー山頂駅には、中国人観光客が一杯だった。



Jan 2, 2017

湯川ドライツーリング 上手くなる時は一瞬に


■ 初ドラツー

正月休みは、急遽、湯川にドラツーへ行ってきた。

いきなり、上達していた。驚いた。

勝因の分析・・・。

1)城ケ崎クラックリードで、丁寧にムーブを作るようになっていた


2)気温が高く、氷が柔らかかった

3)スタンスが多かった

ふむ。なんと、辛口批評家、青ちゃんさえも、褒めざるを得ない、好感度クライミング。

いや~。私に一体何が起こったのでしょう? 

上手になる時は、一瞬。

■ 悪かった

しかし、元旦はともかく、2日は悪かった・・・。

3月下旬並みの気温ということで、気温が高かった。

クライミングのゲレンデは、ゲレンデ(下界に近いことが多い)なので、山の天気予報に含まれない。

ので、うっかり赤岳の予報なんかを見て行くと、大違いだったりするのである。

さて、湯川がある小海町の気温。岩根のアイスキャンディのライブカメラは参考になる。

 9時 1.2度、
 12時 6.3度、
 15時 7.6度、
 18時 3.3度

・・・(汗)。もちろん、八ヶ岳では、マイナスである。

プラス気温に転じると、アイス=氷は、当然ながら溶け始めるので、大変、危険。

今回は初日は、氷が落ちると言っても、ところどころだが、二日は、盛大な大音響と水しぶきと共に、崩れ落ち、冷や汗ものであった。

ので、氷は柔らかかった。イコール、腕力は要らなかった。

■ ドライ

初のドライツーリングだったわけだが、肝心の凍土が・・・ない。

凍っているべき個所が、ただの岩であったので、その箇所だけ、グレードアップしていた・・・(汗)。

アックス、全然引っかからない・・・。一番難しいのは、岩にアックスのピックの先でひっかけて、それを信じて登ることでした・・・いや~ここだけはパンプが来て大変。

いちど、ブロック塀のブロック大の氷を割ってしまい、大きな落氷を起こしてしまいました。

いや~ドライツーリングってより、泥ツーリングって感じでした(^^;)

ただドライのところは、アイスのようにくぼみではなく、凸の土があるところをたたいたほうが良いということは分かりました。

■ 今回の成果

今回は

・アックスを打ちこむか所が、なぜかはっきりと分かった

・氷の質の見極め。凹角で良いところはハッキリわかる。凸角でダメなときと良いときがある。

・凸角には、穴を先に作ってから打つ

・足の位置。正対と側体を使い分ける。どちらか一方では行き詰まる。

・氷の形状をよく見て、スタンスを探す。岩と同じ。

・シャンデリアは使わない。使うなら、すごく良く蹴り込む。

・氷柱 = 側体

・正対=2拍子、側体=3拍子

■ 次回の課題

・支点の確認を共同作業とすること

・足の蹴り込みを確実にすること

・スクリューの設置に慣れる





Mar 21, 2016

南沢大滝

■ 回収便

火曜に南沢の氷瀑に行った時、回収担当になった。で、ケブラーのスリングを残置してしまった。

回収便は私だったのだが、残置なのかどうか迷うスリングがあり、上から聞いてみたが、声が届かなかったようで、「カラビナのみなのか?」の問いかけに、「そうだ」との答え。しかし、同行者がギアを整理していたら、あるべきスリングがない、ということで、結局、回収に出かけることになった。

どうせ行くなら、と1泊二日の予定・・・が、結局土曜は雨で流れた。突然のテント泊でも、まぁ何とかなる。2名だったのだが、同行者がどうしたいか(小屋泊まりなのか、テント泊なのか)分からなかったので、自宅の2テンと寝袋二つをとりあえず車に放り込み、食事も2人前を用意したが、インスタントラーメンにマカロニ、酒と、もとがそう重くないので、構わなかった。一人テン泊ということになっても、2テンを辞めてツエルトにすればいいし・・・。

結局、雨で流れ日帰りになって良かった(笑)。雨の中の冬のテント泊は2月にやったが、まぁ楽しいこと!テントの中に池ができた。

降雪で道路状況が悪化していることを懸念して、5時小淵沢道の駅としたため、2時起き、3時出発だったが、結局道路の状況が良く、5時には美濃戸口に着いてしまった。同行者とは6時合流

■ 大滝

7時半大滝。


先行パーティは、ぶなと思われる会が、左端に取り付いていたが、表からは見えないライン。

同行者は、佐久アッセントのA木さん。

実は彼は、講習会で講師を務めるほどの実力者。

アイスクライミング歴35年のベテランだ。

ベテランだけに知り合いが多いらしく、後でついた年輩者のペアとも知り合いだったらしい。

左の変わったアックスは、国産のアックスで、たつのおとし子型。

日本人向けにアックス全体の全長が短い。しかも、軽い。

山岳会はどこかなと思い聞くと、無所属と言う。

年輩の人は誰でも会に属しているものだと思っていた・・・(汗)




■ ガイド講習の利用について

この方は何シーズンもガイド講習に通ったそうだ。

有料の講習会は、ガイド講習と言う都合上、安全が確立したゲレンデ(小屋が近いなど)しか使えない。つまり、使えるゲレンデが限られており、アイスを学ぶには、限定的なやり方かもしれない。

例えば、南沢は、ガイド講習に人気があるのは、いつでもひとけがある八ヶ岳で、小屋も開いており、すぐに救援が呼べるから。

でも、小滝なら、ビレイヤーがいれば、一度もガイドと来なくても、普通にトップロープで練習することができる。実際、私はガイドと来たことは一度もない。(ちゃんと支点は自分で作れることが必要だが、支点くらいも自分で作ろうとしない人は、そもそも山に向いていないかもしれない)

私がガイド講習を使ったのは3回。 

 1回目: まったくの初心者 アックスが何かも知らない。アイゼンも持っていない
 2回目: 師匠がリードするルートにビレイヤーで行くことになり、ビレイ練習
 3回目: 先輩が凍傷になり、パートナーがいないため、クライミング練習 

だ。

初めてリードをビレイするとき・・・まさか初心者の私のビレイで登れ、と先輩に”命がけいっちょお願いします”と言う訳にも行くまい・・・。

・・・と考え、保科ガイドに「リードのビレイをさせてほしい」と頼んで2度目の講習に出かけた。

ガイド講習は、利用者がどのような目的を持って利用するのか、はっきりとお願いするのが大事なことだ。

先方は山の大先輩なので、ちゃんと意図を分かってくれる。3回目なんてただ登りたかっただけだったので、たまたまいた講習生の人とパートナーを組んで上り下りするだけでガイドさんは左うちわだったが、それでも夜になってナイターになるまで登らせてくれた。

■ 教わって当然という態度をしないことが大事

この年輩の方は、アイスシーズンだけに全資金をつぎ込み、何年もかけて技術を習得したそうだった。つまり、私が実力者と半ば弟子状態で来ているのが羨望だった、というわけなのだろう。

その気持ちは分かる。私自身も、基本的な登山技術を習得する講習会に1年かけて出て、30万円ほど出費したし(山小屋バイトで補てん)、アイスも自分のお金で保科さんでデビューしている。レスキュー講習も多くの人は、会からの助成金で出ているが、私は自腹だ。

地図読みに至っては、自分の金で出た講習会を、会に伝達講習しているが、会からは一円も出ていない。

自分が連れて行く側に回ったら、

自分が有料で教わったことはみな、無料で教えなくてはならない

のだ。だから、今回の私のようにまだ初心者に毛が生えた状態で、ベテランと組んでいる人が羨ましくて当然だ。それに、昨今、無料で教わって当然と思っている新人が多い。一言、言いたくなる気持ちもあるだろう。

しかし、私は後輩には、見返りを要求することはしないつもりでいる。恩着せがましくもしたくない。

あくまで対等のパートナーとして遇することが、その人の成長に資すると思うからだ。

それは責任感の問題ではないだろうか?

ついでに言えば、自らの道を自ら歩み、自分で学んできた人しか、結局はパートナーとして残らないものである。

今まで一緒にアルパインに行って快適だった人は、単独で冬山の一般ルートくらいは平気な人ばかりだったからだ。それに最低限ビレイができない人は、連れて行けない。

連れて行くのは、半ば自分のためだと思っているが、本当に損した気分にさせられる人もいる。そういう人とは二度と山行を共にしない。たとえば、冬ウエアや冬靴まで貸して連れて行った、初回の南沢小滝など。あとで靴をねだられた。その靴は、小屋バイトでねん出したお金で買ったもので新品。自分は古いほうを履き、新品を貸したのだ・・・。ただし、そういう段階だった人が山を続け、自分のレベルにあった山をしているのを知るのはうれしい。

ちなみに日本で一番高額な、保科ガイドのガイド山行で行くと

 南沢小滝・大滝 1日17000円 2日間30000円
 岩根 17000円

である。誰もパートナーがいなければ、甘受しなくてはならないコストとなる。

■ ビレイミスを謝らないビレイヤー

今回は女性がビレイしているリードのビレイで、隣のパーティの男性クライマーが、盛大に落ちていた。

幸い、あまり高さがない段階で落ちたので、「だいじょうぶ、だいじょうぶ」と、再度リードトライしていた。(エライな~!)

驚いたのは、ビレイヤーが、まったく謝罪をしないことだった。

いつから、こういう世界になってしまったのだろうか?

こうした例は、今回が初めてではなく、自分の会でも同じ例があった。

ある先輩をビレイしている人に、ビレイ位置のまずさを私が指摘した時も、無視された。目の前で口頭で指摘し、なおかつ、隣のパーティも同じ危険を指摘したのにもかかわらず、である。無視した人は会の若手。

ビレイヤーはクライマーの命を預かっている。

つねにきちんとビレイできているか下から監視してやらなくてはならない。

クライマーが落ちたとき、墜落を止めることができなかったら、それはビレイヤーのミスだ。

■ フォールライン以外でビレイする

アイスのリードでは、決して落ちれない。

しかし、それは、ビレイヤーが当てにならないから、という理由であるべきではない。

ビレイヤーもクライマー同等、命を守る必要があり、落氷を避ける結果、通常の岩場よりは離れたビレイポジションに立たねばならないからだ。

その点を理解せず、単純に1ピン目が遠いだけで、落氷の通り道でビレイしているのに驚いた。

落氷を避けるために、ビレイ位置を妥協しているのがセオリーだからだ。

ビレイ位置は、フォールラインから外す、というのが基本だ。

考えるに、おそらく、そのことが理解できていないか、教えられていないのだろう。

■ 行く人によって同じ場所も危険になる

そのようなパーティと行くと、同じ南沢大滝、同じライン、同じ日であったとしても、その場所は危険な場所になってしまう。

つまり、危険か危険でないか?は、一緒に行く人の危険予知力に因るのである。

■ リードの写真

全体像を取ることができなかったのだが、以下2つの写真で、ダブルでリードしているパーティのリードのランニングの取り方や、ビレイ位置は、危うさがない。きわめてオーソドックスにきちんと、リードし、ビレイされている。

が、奥のクライマーになるとそうではない。アイスでは特に両者の見極めが、微妙すぎて見極めづらいが、現地で見れば、かならず分かる。

奥のクライマーのリードラインは、ロープが地面に着いてしまっている。つまり出過ぎだが、今いる位置ではどうしようもないだろう。下がテラスになっているので、2ピン目をとっているが、早急に3ピン目を入れたいところだ。




2枚目をみると、

奥の、だらりんビレイ
手前の、きちんとビレイ

の差が良く分かると思う。このような状態の時には、緊張していないといけない。

■ フォールライン

今回は、(というか南沢大滝ではいつものこと、であるが・・・)落氷が怖かった。というのは、ほとんどの人が、フォールラインでビレイするからである。

ビレイするとき、フォールラインを外す、ということは重要なことだ。

つまり、脇に逸れればよいのである。もちろん、登っていたらクライミングラインが変わってしまい、結果、落が落ちる位置になってしまうこともある。それでも氷の陰や、凹凸の凹角に立たないなど、最初の工夫でしていれば、大きな落は来ないことが多いだろう。登山は確率を下げつつやるものである。

今回、氷が緩んだ午後の早い時間帯に、ブロック塀のブロック大の落が起り、それがビレイ準備中のビレイヤーを直撃し、ヘルメットに当たって、「ぼこっ!」とにぶい音を立てた。それはビレイ準備していた手にもあたったようだった。

あたった人は「ちょっとー。トップロープなんだから、もっと落とさないように登ってよー」と上に叫んでいたが、登っているクライマーは無視していた。しかも、下りてからも謝る様子はなかった。

そのことにまず驚いた。

が、当たった側にも責任の一部はあったようだ。トップロープのビレイだったが、ロープの長さがギリギリで短いので、クライマーが登るまでは、その大滝全体の一番の凹角に立たないではいられないのだった。

やはり長いロープが南沢大滝では必要だ。

■ 南沢は混雑を避けるべし

・・・というわけで、正直言って、自分のクライミングどころではなかった。

それは、初めて行った南沢大滝でも同じだった。やはり、南沢大滝は空いている時限定にしなくては、クライミング練習にさえもならない。

クライミングに関しては、今回は朝かなり冷え、朝一リードのシビアさが出た。手が寒さでしびれるのである。

つまり、初心者のリードクライミングデビューには、南沢大滝はかなり向かない。

やはり、手のかじかみなどのリスクがない、美濃戸口の氷瀑など低標高の場所が適しているだろう。

また混雑により、リードのリスクは非常に高い。ビレイヤーとしても、落による怪我が起るリスクが高い。

■ ムーブ逆戻り

自分のクライミングは、またムーブが逆戻りしていたが、まぁそれは最初の一登が長いのが、ダメだからだ。

岩でも、アイスでも、最初の一登が長かったり、難しい課題は、私のアップには向かない。

4級の易しい課題が私のアップには向いていて、しかもパンプする前に降りるようにしないといけない。

前回も、5.10Aクラックをアップなしで触ったら登れなかった。登れなかった回を振り返ると、かならず、いきなり限界グレードなどであって、アップがない。

私のアップには、まだ5級以前が向いているのだ。そうすると、調子が上がれば、10台前半まで行ける、という感じ。

本当は、調子が上がっていれば、リード練習まで進みたかったので残念だった。リード練習はベテランビレイヤーの時にしかできないからだ。

次回のリード練習を考えて、一番リードしやすいラインで、スクリューの回収をしてみたが、あまり難しさは感じなかった。

ただ、女性はアイスに関しては、リードするグレードと、トップロープで登れるグレードの開きが大きい。それだけリード負担が岩より大きいということだ。

というわけで、一般の女性よりも腕力に劣る私は、もう少し高グレードをトップロープで登れるようになってから、リードへ進み、それも小滝程度でスタートすべきと思う。

成果としては、落とさない登り。最終的にはほとんど落とさないで登れた。(が、まぁ午後遅い時間帯になって、すでに多く登られて段々が出来ていたという事情にもよるので、実力のためではないかもしれない・・・(笑))

■ シャンティ

帰りは、車を止めておいたJ&Nで、ケーキセットを食べて終わった。楽しい?南沢大滝だった。
とりあえず、第一目的の、残置が回収できて良かった。

それに、実力者と一緒だったので、独占して申し訳ない感じだった。

正直、とても恵まれた環境にある。シャンティ(感謝)。

洋ナシのタルト

それを独占しては、世間に対して強欲と非難されても仕方ないと思うので、周囲にも声はかけている。が、9人に声掛けして全滅。

まぁ、チャンスとは見る目がある者にだけ見えるもの。チャンスをチャンスと見出す、というのも一つの才能ではある。価値観が確立していないと、チャンスがチャンスと映らない、と言うことも言える。

私には、安全についてよく知っている人と登れ、その様子を盗めることは大チャンスである。

■ まとめ

・アイスではフォールライン(凹角であることが多い)に立ってはいけない 

・ビレイヤーは、フォールラインから、右か左にそらし、なおかつ、もっとも近い位置でビレイする

・1ピン目を取るまでは、ゼロピン目を取っておくこと

・南沢大滝では、80mの長いロープか、2本のロープが必要

・南沢大滝の核心は、混雑と混雑による未熟なクライマーによる落氷

・リードクライミングデビューには大滝は向かない。

・午後の南沢はアイスが緩むのでトップロープで

・氷はバチ効きであった



Mar 17, 2016

南沢小滝・大滝&角木場の氷柱

■ 視野を広げる山行

今冬知り合った0さん。クライミングがとっても上手。今シーズン中に、南沢大滝を経験してもらいたい…。・・・けれど、私自身はまだリードできない。

まぁ、リードできないところに行くべきではない、時期尚早、とも言えるのですが、かと言って、垂直もやらないでは、クライミング技術が向上できない・・・。それに視野も広がりません。

人工氷壁や南沢小滝って、多くの人が登って、段々がついてしまい、クライミング自体が簡単になっているのです。

なので、岩根や小滝で、自信をつけてしまって本番に行ってしまうと、”ああ勘違い・・・(汗)”となり、超危ないです。

本番では、小滝と同じように見える垂直の滝でも、誰も刺していない。いわば、カンニングなし!なので、岩根や小滝程度で培ったグレード感覚で出かけてしまうと、痛い目を見てしまいます。

それは師匠にも言われていました・・・「楽勝で登れったって?ふーん。段々のついている小滝程度ではね~」 まさしくその通り・・・(^^;)。

Oさん、今年アイス元年で、アイスのルートも経験したし、あとは大きな氷を体験するだけかな~と思っていました。

それに、ベテランとの山行は、単純な練習以外にも色々と学ぶことがたくさんあります。例えば、

 ビレイヤーの位置とか、
 中間支点の取り方とか、
 ゼロピン目の取り方とか、

・・・というので、だれか大滝に連れて行ってくれないかな~と、方々に声をかけていたら、K田さんが誘ってくれました。やったあ~!

■ 前日の人工壁

Oさんは電車なので始発に乗っても、南沢到着が昼前になってしまうので、前日移動です。せっかく来てもらうので、少し早めに来てもらうことにしましたが、あいにくの雨。

十二ヶ岳の岩場で、マルチピッチのコールを教えようと思っていましたが、雨なので人工壁。被った壁がやりたいということなので、前回できなかった5.10aを復習。まずはアップでトラバースをやってもらいます。

私もトラバースで持久力を付けているところで、辞めてしまったんだよなぁ・・・。トラバース課題を何度もやっていると、力を抜くことを覚えるらしいのですが、おと年の夏は調子よかったけど、もうやらなくなってしまった・・・。反省が必要です。

その後、被った壁をリードしてもらいました。が、途中敗退なので、”極地法”で(笑)。 極地法というのは、私たちの間の言葉で、リードできないときは、そこで降りて、次の人がリードする方式。じわじわ高度を上げる(笑)って意味です。

とりあえず被ったところで懸垂練習をした方が良いので、途中でリード&フォローに替え、懸垂下降のセットを確認。2度目はカラビナ懸垂を教えました。最後はビレイヤーの自己脱出をやって終了。

・リードフォロー手順おさらい
・空中懸垂 (バックアップを付けて降りる)
・カラビナ懸垂
・自己脱出

こういうのは、器具との相性もあるので、あらかじめ本番前にやってみていることが大事ですが、人が多いクライミング練習の時は、終了点に二人で上がって、のんびりロープアップしている場合ではなく、なかなか機会が作りづらいので、空いている平日の時間にやっておくのが得策です。クライミングだけなら、一人でもボルジムで練習できますしね。

■ 今シーズン初の冬!

翌日は、なんと!雪! やっぱり・・・甲府で降った雨は、山では雪ではないかと心配していたんです。

我が家のラシーン君は先日の南沢小滝山行でお亡くなりになり、現在、車がノーマルタイヤのジーノ君しか今いない・・・日野春を越えたあたりから路面に雪が出始め、小淵沢インター前の坂道では、発車が核心・・・(汗)。

急遽、電話。「道の駅小淵沢で拾ってください~」 鉢巻道路は雪でした。そして、山は冬日でした。

今シーズン初!というくらいの積雪量。美濃戸口で10cm 小滝大滝で40cmのふかふか新雪。

余談ですが、この日、阿弥陀南稜で雪崩で死亡事故が起きました。ガイドパーティが率いる3人パーティで一人死亡。

八ヶ岳では、積雪が40cmを越えたら、新雪雪崩を心配しないといけません。特に地形的に危険な所にいないように。中岳沢や赤岩の頭下部、三叉峰ルンゼなど、雪崩れ地形は避けましょう。

南沢は小滝から先はノートレースでした。

■ 南沢小滝

南沢小滝では、基本の2点支持でのクライミングを教わりました。各自普通のラインを1本づつ登り、アップ。

その後、右のラインの難しいほうへ・・・ここは5.9しかないそうですが、確実にムーブが必要そうでした・・・。70mと長いロープだったので、1本でトップロープしながら、となりで同じロープでリード。

セミチューブと言うアックスは、ピックが半分に切ったチューブになっているから、セミチューブって言うんですね。やっとわかった。

氷が落ちなくて良いのだそうです。古いアックスの代表のように言われていますが、今でも、フリーソロでアイスを登るようなギリギリクライマーには好まれているアックスなのだそうです。





正しいビレイ
ムーブが面白いライン 5.9
■ 南沢大滝

昼ご飯を食べて、大滝へ移動・・・誰も来ていなくて、トップはラッセルでした。張り切るOさん!頑張って~!

ラッセルも、下に氷があるほうが潜らなくて歩きやすく、踏まれていない側面のほうなど、腰まで埋まる・・・



大滝では、ベテラン2名がリード。私はビレイを担当しました。これはとても勉強になった。


≪ビレイ位置の決め方≫

 ・クライミングラインを考える

 ・クライミングラインのフォールラインから外れた位置(落氷があるところには立たない)で、もっとも滝に近い位置にビレイポイントを作る(ハンギングすること)

 ・1ピン目を取るまでは、ゼロピン目を取る

ランニングの取り方に注目
先日峰の松目に行った時、F8の弱点の中では、強い点である凸を登るために、凹角にビレイポイントを作ったのですが、安全を考えた位置関係では、正解を選んでいました。

しかし、その後ビレイポイントを後退させたのですが、その位置はやはりリードするには向かない位置でした。トップロープでの確保地点としてはOKでしたが。

話を大滝に戻しますと、大滝は何度か来ていますが、以前、フォールラインに背を向けて立っていた先輩が、レンガ大の落氷を頭に受け、ヘルメットが割れていました。私はその割れた氷の片割れが、肩に当たって、帰ったら、あざになっていました・・・。

大事なことは、フォールラインに立たないということです。

私を含み、新人さん二人はトップロープで。私は今回は2登しましたが、とくに苦労せず登れました。ただ、この日は冬日で気温が日中も低く、寒気が強かったので(-15度)、テムレスでは指先が冷たくなり、またパンプすると指が凍傷になりそうなくらい痛かったです・・・。テムレスではダメな日でした。ちゃんと皮のグローブももっていたのですが・・・。手首の当たりにホッカイロを張るとよいそうです。

この日は、私が夜20時からレッスンを持っており、甲府に仕事で帰らなくてはならなかったので、16時下山。17時美濃戸口。18時半甲府。

ジーノで帰ると時間がかかるので、送ってもらいました。ありがとうございました☆

≪クライミングメモ≫
・80mの長いロープがあると良い
・ギリギリなので、トップロープのビレイでも末端を結んでおくこと(ローワーダウンで抜けたら最悪)

■ 角木場の氷柱

氷柱

翌日は再度八ヶ岳へ。美濃戸口、角木場の氷柱です。

ここは去年、師匠が私のリード練習に選んでくれた場所の奥地です。角木場の氷柱は、トップロープを張るのが核心です。TRを張るのに、懸垂か、確保が必要です。それは、隣のエリアも同じです。去年ちょっと苦労して師匠がトップロープを張ってくれたのに、私は氷柱全部は登れなかったんですよね。

角木場は、ガイド山行でも使われた後らしく、トップロープを張るために、フィックスが張り巡らされていたそうです。

ここは落ちたら一巻の終わりですので、懸垂しながら行くのがベターです。こういう用途の懸垂では、センターマークがあるロープが便利です。

懸垂で川底に降り立ち、そこから登り始めます。

落ちていたツララ 机大

≪氷柱登りの注意点≫

・落ちそうな弱弱しいツララは、あらかじめ落としてしまいます。
・その際は、頭上で叩かず、自分よりツララが下にある状態でツララを落とします。
・大きな氷柱も気温が上がれば、いつか崩落します。
・その時間帯は、13時~14時の間が最も確率が高いそうです。
・夕方になりまた冷えれば、登れる
・トップロープで登ること
・確実になるまでリードはしないこと
・ビレイ位置は後退すること(非常に大きな落がある。今回も氷だけでなく岩も落ちました)

各自3本づつ・・・念願の凸型氷柱ですが、上部がかぶっていて、易しいラインでも5.10A、かぶっていると、5.10bかc・・・完全にぶら下がるので、腕力の問題になります。

■トップロープ

トップロープクライミングは、カンタンと言われていますが、トップロープでも振られるという問題ががります。

今回は登りたかったのは、支点より、右のライン。「張るとフラれるから緩めに出していますよ~」と声をかけていました。

そもそも、トップロープで張り気味は嫌いなほうです。しかし、この氷柱にフラれ止めのアイススクリューを打つには直上の氷が悪く・・・アックスを一撃すると落ちる落ちる・・・氷が落ちます。

それに振られるので、思い切っては行けないし・・・。で、ラインを変えました。パツパツにタイトにトップロープで引いても、アイスに向かい合うように引かれるライン。氷柱の側壁です。こうすると、ロープを張り気味にしても大丈夫です。それでもけっこう氷がデリケートで登るのは大変でした。

フラれ止めを打つのも核心ですね~

■ 3ラインづつ

1本目、私はパンプしてしまいました。やはり一日の一本目から、かぶっているところだと動きが悪い。その上、かぶっているので、パンプが来やすい。しかも氷が固く、足もハズれ、落ちること3回(汗)。

いや~これだからトップロープでないと。それで、これは足が課題と感じました。またアックステンションでレストして、腕のパンプを抜く技は5級へ進む段階では必須ですね。

でも、これが5.10aに過ぎないのは分かった。腕にくる、かぶった核心部は、ほんのちょっとで後は足で立てるからです。

2本目は、フラッギング、ヒールフック、ステミングもあり、かなりアルパイン的で面白いラインでした。これはアックステンションでのレストは1回で済んだ。

3本目は、もう氷が落ちそうで、冷や冷や・・・氷の後ろに透けたところが見え、水が流れている!フッキングで掛けたところが、抜けること、抜けること・・・。怖くなった・・・。

昼過ぎに氷柱登りは終わり、H&Jでスパゲッティを食べて解散としました。(食事すると駐車無料)

楽しく勉強になるアイス二日間でした。

≪クライミングメモ≫
・日が当たらないゲレンデが良い
・70mロープが必要


■ まとめ

南沢大滝・小滝は、四級~Ⅴ級の課題です。四級でしっかりリードできるようになることが先決ですが、そのためには多少の垂直=5級の経験も必要です。

4級ではムーブは正対でなんとかなります。フラッギングを始め、2点支持のムーブは、あれば楽に登れるが、なくても登れます。それより確実に落ちないことを身に着けるのが四級の氷です。

一方、氷柱は確実に5級より上です。6級の氷となるため、確実に二点支持のムーブがあるほうが、楽ができますし、確実性も高まります。難しい氷で、身体能力とトレーニングが必要です。

どちらかが欠けても危険ですので、きちんと登れるようになってからしかリードは無理です。

考えてみれば、峰ノ松目沢F8は、小滝程度の高さで、氷柱でした。しかも取り付いてみたら、とても堅くて、あまりアイゼンの蹴り込みで刺さらなかった・・・ので、敗退は正解でした。

今回は、
                         
 新人 → 初めての大滝で大感動!
 アイス3年目→ リードの勉強中 ふむふむ~ & なるほど~
 ベテラン(20年) → リードを実践中 場数!
 ベテラン(アイス歴35年)→ 軽いゲレンデで、のんびりリハビリ~

と、それぞれの課題が上手く組み合わさって、皆が満足できた山行でした☆

一番頑張ったのはベテランなんですが・・・(笑) 新人さんもテンションにはなりましたが、ガッツを見せてくれました。

私も、クライミングは、岩もやる前に、南沢大滝が初めて。当時は”テンション”という言葉も知らず、トップロープの意味合いも分かっておらず、落ちたら死ぬ~と、思ってのぼっていたんですよね~(笑)

初めて1登目で、上り詰める前に落ち、失意で降りてきたら、先輩が優しく、「テンションって言ってもいいんだよ~」と言ってくれて、ビックリ仰天・・・。テンションって発想自体がなかったんですよね。

3登目で上まで登ったのですが、登れた時には「登れた、登れた」と皆が喜んでくれましたっけ。

そんな程度が新人の常で、体全体が力みまくっていたので、帰ったら、超ぐったりしていました・・・今は、2日連続で登っても、まだ登れそうです。

上手になったのではなく、ギリギリになる前に辞めるようになっただけ・・・のような気がしないでもないです(笑)。

■ 関連サイト

連れて行ってくださったK田さんのサイト

かかとにもツメがあるアイゼン



Feb 25, 2016

南沢小滝 2016

懸垂下降中
 ■ 自分でトップロープを張る

学生さんを連れて南沢小滝。

・・・のは、毎回岩根だと、お金がかかるから。

小滝は無料です。

しかし、無料の小滝で遊ぶためには、

トップロープ支点がきちんと作れないといけない。

■ 今年は大きい

この日はつるんつるんのアイスでした。50mのロープだとトップロープ支点を奥の太い木に作ると下まで届かない。

ので、仕方ないなぁと手前の残置がある支点に作りました。




■ トップロープ支点を作るのに必要な技術

小滝で練習会して遊ぶために必要な技術は、

 ・トップロープ支点の知識
 ・懸垂下降
 ・フラれ止め スクリュー1本

です。 上へは、左側から上がれます。

トップロープで遊ぶ場合、安全管理のかなめは、支点です。安全管理=支点を他人任せにしないために、皆で上に上がります。

こうすれば、次からは自分でもできる。トップロープ支点を他の誰かが作ってくれる状態で、なんど小滝へ行っても、一生自分で小滝に行けるようにはなりません。

3人で上がりましたが、トップロープ支点を作るだけのことに1時間! 12時に着いたのに、下りたら13時半でした。

■ フレンドリーが一番

もうワンパーティ来たので、「今はったからよかったらどうぞ」と言ったら、大滝から来た人だったらしく、「お!ここはフレンドリーだ~」と言っていました。どうも大滝はフレンドリー路線ではなかったらしい。

フレンドリーが一番です。遊びですから。

■ おまけ

夜遅くなるまで、ヘッデン下山でした。これは計画時点でその予定にしていました。電車始発が遅いのです。

時間がシビアだったので、ラシーンで美濃戸口から美濃戸まで入ったら・・・少しこすってしまいました。

で、帰りの林道でラシーン君が大音響を奏でるように・・(涙)

どうもお亡くなりになったようです(汗) 



Feb 21, 2016

鉱泉・ジョウゴ沢・南沢小滝

 ■ 沢は冬も美しい

沢は冬も美しい。

夏も冬も沢。冬の沢=アイスクライミング。

今回は本チャンの仲間のYさんに、アイスを体験してもらうために出かけた。

ギアがないので、岩根か鉱泉になるが、岩根はテント泊ができない。

テント泊できると大幅に節約になるので、テント泊とした。

しかし、今回は宿泊自炊が良かったかもしれない。

予報で南岸低気圧が直撃らしく、気温が高くなった。


 予想通り、土曜日は曇天。荒れた天気の中、アイスキャンディを登った。

テント泊 1000円
鉱泉アイスキャンディ代 1000円
夕食 2000円
朝食 1000円

と5000円の出費。交通費は美濃戸で2000円。

テントが4テンの冬テントでフライ無だったので、
夜半の雨で浸水した。

私は小屋泊の予定だったが、夫が出勤となり参加できなくなったのと、翌週も鉱泉に行くことになったので、2週連続小屋泊でなくてもいいと思い、ツエルト泊出来る状態にしていく。

結局ザックは頭上高く積み上げられることとなった。

でも、アックス&水なしで12kgほど。たぶん行きは15kg程度だったと思う。

ツエルトを持って行ったのは正解だった。結局、浸水したので、濡らしたくないギアをツエルトに入れ、自分たちは、テントシートですっぽりと搬送と同じように包み込んで、水たまりのテントの中で睡眠。

この方法ではまったく濡れずに済んだ。

以前、沢で寝ていたら、すっかり水たまりの中にいたのに、ゴアのシュラフカバーのおかげでぬれずに済んだことがあったな~

翌日は、素晴らしい景色だった。ギアだけもって、ジョウゴ沢へいった。

大同心大滝への道と取り付きを間違い、30分のロス。

ジョウゴ沢は素晴らしいロケーションだが、F2が凍っていないのでがっかり。

F1はアイスボルダ―というところ。

ジョウゴ沢のF2手前に、きれいなアイスの滑を見つけた。

その後小滝へ移動。小滝で3本ほど登って終わる。

小滝は水が流れていた。大滝の氷結は素晴らしかった。

今回は、何と言っても南岸低気圧で、一旦暖かくなって融解したところで、再度冷えていたので、林道や登山道がアイススケートリンクのようにつるつるに溶けて凍っていた。

つららよりも、上記のような雪が氷化したアイスが蒼く光っていた。アイスは、

 溶ける → 冷える

の繰り返しで、出来上がるんだな~と思うことしきり。

友人は、もともとクライミングの素養があるので、アイスは初回から上手だった。

ので、ギアさえあれば、次回からはルートに行けそうだ。


Mar 14, 2015

南沢小滝

■ 和気あいあい


今日は楽しい一日でした☆

以前、クライミングに行った時のことです。

「おはようございまーす☆」と挨拶しても返事なし・・・(^^;)

完登するまで口、利かない・・・(^^;)

目も合わせない・・・

クライミング出来ないと人間じゃないんだな~と態度で示されたことがありました。

隣のパーティは知り合いだったのに、無視して登れ・・・(汗)

ただのゲレンデクライミングなのに・・・


それで、?????と”?”がエンドレスになったことがありました・・・ なんか互いに仲良くしたくないようだ・・・。




お互いをライバル視している感じでした。私は両方の会に入っていたので、非常に気まずかったので、小滝に遊びに行き、長い間油を売って戻りませんでした。和気あいあいとしていないので、全然面白くなかったのです。

打って変わって、私たちのアイスクライミングは、本当にエンジョイクライミング♪

今日は、御坂山岳会に、同時期に入会した同期、山岳総合センターでの講習会仲間2人、と4人でのクライミングでした。

皆でトップロープを張りに行きました☆ 

小滝は左側の脇が、滝口へ行く登路ですが、今日はラッセルになっていて、プチアルパイン(笑)

皆で作業を共有し、”お客さん”がいないのがいいな♪



■ 初めての人には皆、親切

私の周囲には、クライミングをするような人がいなかったので、アイスクライミングは、保科ガイドのクライミング講習会でスタートしています。

アイスを始めたのは、八ヶ岳が私たちの目標とする山だったからです。

始めてアックスをふるった時は、岩根アイスツリーでしたが、3登しかせずに腕がパンプして、帰りの車の運転を心配しなくてはならないほど・・・(笑)

何しろ、岩登りも何も知らず、いきなりバーチカル岩根なので、ぶら下がって大変でした。

初めてのアイス

人に教えるときは、上手でない人がいいので、そんな私は適任かもしれません(笑)

初年度は、本当に体験的にクライミングをしただけで、1回のみ。

翌年は、そこで知り合った人が誘ってくれたので、いきなり小滝。

その年は、右も左も分からないながらも、9回もアイスクライミングできたのは、すごく幸運に恵まれていたのですが、何かを掴んだわけではありませんでした。

しかし、

 ゲレンデクライミングとはこういうものか、とか、

 ルートに行くときはこういうものか、

ということが分かった。

これは自分がどういう山をしたいのかという方向性を決める上では、有力な情報でした。

その年はアルパイン1年生でもあったので、ロープワークをアタフタしながらも、覚える年でした。

無雪期にも色々と努力して、人工壁に通ったりしました。ただ人工壁に通っても、全然覚えたいと思っているロープワークは覚えられないし、人工壁のクライミングはツマンナイし・・・ 私のしたいこととは違う・・・という思いばかりが募る結果に。

山には行きたいけど、山に行ける日に、なんでクライミングウォール・・・?

なので、これは山に行くために仕方がない犠牲ナノダ、と考えて、自分を慰めていました・・・が、クライミングばかりだと弱くなるし・・・。何が嫌ってお金がかかることです。山でもないのに。弱くなっているのに。

そういうわけで、私はクライミングが好きなんでなくて、山が好きなんで、色々と合わないなぁ・・・ということに。

今日は、初心者で、初めてのアイス♪ と言う人もいたのですが、隣のパーティの人も協力してくれて、みなで初心者のために協力して、教えてあげるのがとっても良かったです。

私は、個人的に非常に恵まれて、ベテランに教えを受けているのですが、そうした人には、ちゃんと教わったことをペイフォーワードする義務があるような気がしています。

その意味で、最近教わったアックステンションなどを教えてあげることが出来て良かったです。

色々な意味で、楽しいクライミングってこんな感じ~って感じでした☆

今シーズン初なのにラクラク
■初心者が知らないこと

その①

初めての時は、どう登っていいのか分からない



腕が開く



疲れる

その② 

小滝はバーチカル入門



つまり難しい



擬似リード

小滝に登れなくても気にしなくていい

その③ 

小滝に登れる



クライミング力がある?



No



朝一リードできる力は ”オンサイト力”、登り方も全然違う

その④

リードでの登り方とトップロープで遊ぶときの登り方は違う

その⑤

リードでは、クライミング力以外のもろもろのことが結構大事

その⑥

アタフタした経験が自宅のコソ錬のヤル気を醸造する


大滝
”ちょっとアタフタ”が上達の近道

その⑦

クライミング < 山

というわけで、



今日は稜線上は終始吹雪いていたようなので、小滝クライミングで良かった~と言う感じでした。

練習は練習。

山は山。

どうせ練習するなら楽しく☆

今日の大滝。

三人三様 擬似リードまで行ったりした・・・

私は、昨日擬似リードしたので、今日はKさん。

同期のサクちゃんは今シーズン初のアイス&飲み会明けだったのに、全然平気にサクサク登っていた。

ので、次回は擬似リードですね~。



帰りの車窓から見えた八ヶ岳。やっぱり悪いね~

上空に寒気が入っている。

こんな日はアイスが正解。

八ヶ岳PAで、舞茸うどんと清里カレーを食べて帰りました☆

近くにいた雪標山岳会の方のサイト

Mar 13, 2015

美濃戸口の氷瀑

今日は急遽予定を変更して美濃戸口の滝にアイスクライミングに行きました。
明日もアイスクライミングの予定があるので簡単に・・・・

■ 押し付けられる価値観

私と夫は二人で登山を始めました。

世の中は中高年登山全盛であり、その中高年登山の価値観を押し付けられて、自分たちの登山を否定されてビックリしました。

例えば、2月に一般ルートの権現に通っていたら、「素人の行くところ(時期)じゃない」などです。

アイゼンも、最初はとても登山の使用に耐えるものでない、簡易的な作りのものを買わされたり・・・でもウエアばかりはお金を掛けるようにというプレッシャー・・・ 

冬手袋もまともなものは売ってもらえなかったり。

その世間のあり方が、ちょっと疑問でした・・・登山を学ぶという姿勢はなく、お金を払ったり(ツアー)、払わなかったり(山岳会)で、山に行くというのが当然の世界です。

地図も読めないし、読む気もないし、クライミングも出来ないし、訓練なんて思考になく、連れて行ってもらうのがふつうのこと、ロープワークなんて別の世界のことです。

ただ集合して、車に乗って、団体で一般道を歩くだけの話=登山、という洗脳があるのです。

それを嫌がると、非常識登山者のレッテルを貼られる・・・ってわけです。私はずいぶん長い間、どうして、オーソドックスな登山世界を学ぼうとしているだけなのに、それがむしろ否定されるのだろうか?と思っていました。


それも大変だったナーと思いますが、障害はそれだけではなかった・・・

次なるハードルは、 「フリークライミング礼賛」 だったのです・・・

クライミングは登山の基礎であることは否定できません。が、だからと言って、フリー至上主義という必要もない。

クライミングだけにのめり込んでくれると、楽ができるのは誰なのかなぁ・・・当然ガイドさんは楽ですし、ただビレイするだけで一日1万円くらいになります。

一つ目は いわゆる”中高年登山”を押し付けられ

二つ目は ”フリー”を押し付けられていたんだなぁ・・・

ってことが、今日は分かりました。

■ 寝ている滝と立っている滝

今日は美濃戸口の滝に行きました。 

「ちょっとは苦労してみせてくれよ~」

と師匠が言うくらい、アイス2連チャンだと、ラクラクに登ってしまい、どのラインもとても楽だったので、ついに擬似リードまでいってしまいました。

師匠が出してくれたトップロープゆるゆるで、懐で弛んでいたので、ノーテン。スクリュー打つときにアックステンションしました。

スクリュー打ちながら登る、完全マスタースタイルではありませんが、今冬のアイスクライミングの一つの納得と言うか、登れる実感というか、分かった感というか、そういうものがありました。

「今日は調子いいね」と褒められ、「全然、形になっていないよ!」と、一ヶ月前に言われていたとは、思えない進歩。

一つ目の滝は、寝ていたんです。寝ていたら凸も凹も、登り方が板についてきました。

その後、立ったつらら、氷柱に行ったのですが、こちらは、完全にフリーの世界です。高難度フリーの世界。

みんなが私にフリーのムーブを勉強しろ、というのは、こういうやつを登ると言う話だったのね~と納得。全然ムーブが違うのです。完全に腕にぶら下がらないといけないし、垂直バーチカルなので、引きつけて登らないといけない。

ボルジムみたいなんですね。 

でも、わたし、バーチカルアイスは、一生リードしなくていいかもしれない・・・・行かないなぁ・・・バーチカルアイス。 

もちろん普通の滝でも、ちょっとだけ出てきたりしますけど、そういうのは長く大きな滝ではない・・・

長く大きなバーチカルには最初から挑まないかもしれない・・・。

中高年登山のスタイルの登山だけが登山ではないし、
フリークライミングだけがクライミングではない。

でも、世間は、たぶん金の都合でそちらに新参の登山者を仕向けようと強いている・・・

というわけで、今日は、積年の疑問?(笑)ここ2年ほどの疑問が氷解した日でした。

Mar 12, 2015

金峰渓谷 唐沢の滝

■ なんだか癖になりそうな面白さ

今日は、なんだか知らないけど、すっごく面白いアイスだった・・・

一体、この小川山のアイスクライミングを何がそんなに面白くしたのだろう???

未知?雪? なんだかアイスクライミングというより、アルパインな感じだった・・・。

「アルパインっぽい」 師匠がしきりに言っていたが、それは、言われる前から感じていた・・・何かが、すごくアルパインぽかった。

なんだろう??? アタフタ感?スレスレ感?臨機応変が必要になるところ? なんだか苦労してピンチ?苦難?を無事乗り切った、というような充実感があった・・・

そもそも、頼んでいないのに登りに行っているので、ピンチを脱した、も何もない・・・が

協力してピンチを脱した感があった(笑)

 今日はお天気が問題だった。デッカイ低気圧がいて、高気圧はほとんど停滞。

高い山はどこもダメ。

しかし、3月も中旬に入りつつあり、標高の低い場所のアイスはダメ。

ということで、去年、無雪期に偵察に行ったことがあるカモシカ登山道の唐沢の滝へ・・・

ここは岩根アイスの傍なので、氷結具合が連想できる。岩根はライブカメラがあるので、岩根で凍っているなら滝もOKだろうと・・・
 着いたら、晴れてきた。

日差しが心地よい。が、雲はちぎれて、動くのがとても速い。

白樺の木立がきれいで、来てよかったな~と思う。

朝、運転しながら眺める山々は、
 南ア方面は完全に雪雲に隠れてダメ、
 八ヶ岳方面もダメ、
 富士山方面は快晴であるも風が強そう、
 甲武信方面は晴れ、

だった。
 ちぎれた雲がどんどん通り過ぎる。

こういう日は稜線ではなく、アイスだな~といつも思う。

条件に合わせて、自然遊びができる、ということは、やっぱり一つのスキルではないだろうか?

こういう日は何をすればいいか?は経験が教える。

やっぱり曇りの日は出かけないのではなく、山麓まででいいから行って見るべきだ。

今まで勉強になった山は、快晴の山ではなく、ちょっと条件が悪かった山が多い・・・

 カモシカ登山道には新しい雪が積もっていて、登山道は踏まれた後はあるけれど、トレースはなかった。

結構、凍結して、トラバースが多い道で、ひやりとした箇所があるので、早めにアイゼンを付けた。

アイゼンは早めにつける人と、
ギリギリまで頑張る人と

いるそうだ。

1時間15分ほど歩いて、唐沢の滝、到着。

もっとかかるかもしれないと思い、ワカンを用意したくらいだったが、ちゃんと踏まれていて歩きやすくなっていたので要らなかった。

着くと、とっても明るい滝だった。南面の滝なので、もうダメかも・・・
と思っていたが、正確には東面の滝のようだ。

どこをリードするか・・・

氷がつながっているのは真ん中だけど、支点がない・・・左の灌木に行くか・・・ カンテはつながっているが露出している。露出間の無い凹角は、階段になっているみたいに思えるが、どちらも上に支点が取れるのかどうか・・・うーん。

今日は、ちょっとしたギアを持ってきていた・・・

高根山岳会の人の借り物・・・

下部の氷で試してみる

滝下の足跡は裏から回り込んで、左の灌木に視点を取ったみたいだった。

師匠がリードすると言うので、私はビレイの態勢に入る・・・ 今日はヌンチャクの向きをアイス向きに変えてきた。

アイスは右しか使わない。


 氷は下部の3mは特に難しそうに見えない。

ただその上の段は見た限りでは意外に立っている。

左の凹に逃げる・・・がそれも結構大変そうだ。

リードは落ちれないが、アイスは特に落ちれない。

さらに左に行くと、スラブになっていて、雪がついていても、サラサラ雪では滑ってしまう・・・と心配に。

案の定、直上はスラブでスクリューが決まらない。

ああ~千切れ雲の流れる速度が速いなー。

左の草付は、多少のフリクションはあったみたいで、なんとか灌木まで行った。

ホッと一息。

途中ダブルのロープが交差して、指摘しようかと思うが、クライマーは集中しているだろうし、と辞める・・・あまりシビアな様子には見えなかったからだ。

ビレイしている手がかじかむ・・・。今日は気温が低いので、薄手のグローブでは、かじかむ。さらに防水機能が劣ってきているようだ。

左のラインでローワーダウンで降りると、トップロープで登る支点にはなりづらいので、支点を作ってからトラバースしてもらって、滝芯方面に振り止めスクリューを打つ。岩が出ていて、あまり滝芯には打てなかった・・・。

降りながら、支点を回収・・・ しかし、よく見ると、左に滑落痕と思しき跡がある。草付の草が全部、下方向に寝ている・・・ 誰か落ちたようだ・・・ 鹿? 

それにしても、滝つぼ付近には、特にそのような痕跡はなかったが・・・

次は私の番で、トップロープで遊ぶ。が左のくぼみのラインから滝を直上したが、以外に氷が硬い。先ほどからかじかんでいる手、アックスを振る手に、力が入らない・・・落ちるかと思った。まぁ、トップロープだけど。

落ち口に出て、ちょっと右寄りにスクリューを打ち足す。スクリューが入らない・・・アイスの上にある雪を軽く払ったくらいでは、ぜんぜんダメなのだと判明。そこでしっかり雪かきし、少し雪をアックスで搔いて穴をあらかじめ作ってから、打ち込む・・・なんとか入ったが、氷自体があまり信用できそうでないような?? それでも降り止めくらいになら、なってくれたみたいだった。

2本目、3本目、トップロープは安心で、それぞれ新しいラインに挑戦してみる。 

なぜか、突然理解した・・・岩根アイスはただムーブやクライミングそのものを楽しむところで、ここ自然の滝はそうでないと。

違うラインに行けば、違うムーブになる。が、それぞれに、雪が厄介であったり、その箇所の氷の質が悪かったりした。

上の方は雪で厚く覆われ、大きな穴ぼこが空いていた。その穴から流れている水が見える。穴ぼこの縁に足を掛けて、落ち口を上り詰める。なんかアルパインだな~。なんとなく、気分はプチ黄蓮谷(笑) プチアルパイン。

雪のような、アイスのような部分はアックスが凄く刺さるが、刺さりすぎるくらいだ。雪だと支持力にはあまりならない。氷の方が安心だ。アイスは固いところ、そうでもないところ、色々あった。

凸角は、凄く氷が落ちる。まるで落とすために、叩いているようだ。そのたびに氷のかけらを浴びる。凸は露出感が怖い。凹は、行ってみたら、立っていた。が、ステミングが使えるので、レストがしやすい。

が、いくらレストしやすくても、氷が立っていると、段々握った手が開いてくる。握りすぎなのは、心理的なものもあるだろう。完全にアックスにぶら下がる状態に対して緊張をするから・・・

それぞれ満足いくラインを数本やって、ランチ休憩。最後にリードフォローをする。次の段に登って見たくなったから。

せっかくトップロープを張っているので、一人目はトップロープで、バックロープを引いて登った。そのバックロープでセカンドが登る。ビレイに使っていない1本目の末端のコブをほどいておく。

どこのラインでも登れるので、ちょっと難しいラインにトライして見る。滝口は、厚く雪が積もっていてアックスで搔いて落とさないと氷が出てこない。

ビレイ点まで最後は少しトラバース・・・トラバースなので引かれると、危ないので、あまり引かないようにしてもらう。一旦直上して、慎重にトラバース。下にスラブが出ているような気がする、いやな感じのところ。クライミングを始め、トラバースは怖いと思うようになった。

次のピッチは易しいピッチということで、私がリードしてみる。1ピン目はビレイ点から取る。ゼロピン目。次はちょっと行けば、すぐ倒木がったので倒木でタイオフで取る。 

登って行くと傾斜がきつくなる。足元は雪の下がアイスだった。雪の下をちゃんと確認しないと、氷でなく、スラブだったら怖い。確認しつつ、前爪でしっかりアイスをとらえるようにする。

雪は乾いていて柔らかいが、摩擦がないほどでもない。ほどほどの雪。雪にもがきつつ登る。雪にさしたアックスは不安だ・・・ 不安をだましだまし、雪の斜面を上がると、立ったアイスが右手に出ていたので、とりあえず取れるところで取る、という方針通り、アイスでスクリューで中間支点を取る。 

そして、最後は・・・見当たらない。 左に逃げると、ちっぽけなブッシュしかない。それに屈曲してロープが流れなくなるだろう。 どうしよう・・・(汗)

結局、滝のつららまで行き、丈夫なつららでアンカーを取った。一応自分の体重を掛けて大丈夫だと言うことを確認した。クローブヒッチでセルフ。でも、つららだけでは、心配なので、アックスにも保険を掛けてセルフを取る。

セカンドを確保するのは久しぶりだ。確保器だけ先にぶら下げておく。ロープアップすると、ロープが、アックスに引っかかりそうで、右のアックスは確保に使っていないから避けておく・・・

セカンドが登ってくると、やっぱり雪で大変そうだ。

 登ったところから、山の景色を見るのが好き。

セカンド確保はオートロックなので、セカンドが支点を回収している間に写真を撮った。

今日は、この小川山エリアだけが暴風雪ではない。

ぽっかり日向に空いていて、日が差し、それに谷なので、風もそう感じない。

ただ気温が低く、アイスが硬い。
 下を見るとこんな感じ。

樹幹に雪を抱いた針葉樹がたくさん見えた。

なんかいいな~

 3ピッチ目は最初の直情がとても難しいラインになりそう。

どうしようかとしばらく思案。

つるべで上がるのもちょっと不安だった。

衝撃がつらら支点で耐えられるか?

ということで、一度トラバースして、滝の脇の灌木に逃げた。

左側に露出感の少ない短めのブルーアイスがあったけれど、残念ながら丈夫でつながっていない。
2段目の滝に登るのは
途中であきらめて、とりあえず、懸垂で降りてみる。

ちょっとしたマルチピッチで遊んでいるだけだけど、自然の中の条件で、どう安全を確保しながら遊ぶか・・・

そういう風に頭を働かせながら、遊ぶのが楽しい。

滝に登る楽しさはその次で、こう支点を作ったらいいのではないか?
ああしたらよいのではないか?などなど、どうしたら、良いかを解決案を考えるのが楽しいのだ。今あるスキルで。

ロープがこすれた跡
ちょっとこれ以上、上は今のビレイ点からは無理が多そうだったので、懸垂で降りる。

トラバースした地点から、ロープの流れが良いような場所に支点がないか、目を凝らすと、師匠が凍りついた倒木を見つけてくれた。

セカンドでトラバース中の私が今度は、その凍りついた倒木の懸垂支点工作。強度を確認し、雪を少し掘り下げてみる。とりあえず倒木にセルフ。

自分をセルフ・・・っておかしい日本語だ(笑)

自分をビレイ、と言いたかったのだが、セルフ取ってって通じてしまうので、セルフセルフといつも言っている。何はなくともセルフ、は最初の山ヤの教えだ。

自分をビレイしている末端の解除して、倒木に通し、ロープを手繰り寄せる。セカンドとトップが入れ替わった格好になり、セカンドを確保。これは倒木があるので、折り返しビレイにしてみた。
セカンド到着。セルフを取ってもらい、2本のロープを連結してもらう。どちら引きか確認。 引くほうのロープを分かっていないといけない。

懸垂はトップで降りた。 ただ、トップなのにバックアップを取らないで降りたら、やっていてやっぱりバックアップがあるほうが安心だなと思った。降りていったらアイスではなく、スラブの箇所があったし、ギアに色々引っかかり気味で、アックスの向きが悪かったりで、先に降りる方はやっぱりなんだかんだとスムーズと言う訳にはいかない。

到着して、セカンドが降りてくるのを待つ。 末端を持っていてあげても良い。 アイスでは上から色々なモノが降ってくる。降ってくるものを上手にかわすのも一つだ。

状況全体を見て、何がベストか、その都度判断する、それが楽しいんだな~となんだか納得。

ただクライミングだけの岩根アイスも別の退屈とは思わないけれど、こっちのほうが数倍楽しい。

別に上に行きたいわけではなく、上というのはただ結果みたいな感じだ。登れるから登って行く。取れるところで支点を取る。その連続をしていたら、ただ結構上だった。そういう感じ。

だから、都度都度、危険は冒していない。「うん、大丈夫」をつないで行ったら、「あら?もう上?」そういう感じなのだ。どこにも、スリルはない。危険の二の字はない。

もちろん、自然の中だから、絶対安全もないのだが、だからと言って、危険に近づいて行っているわけではない。

そういえば、手袋、今日はテムレスを使ってみた・・・保温性はないので、 毛糸の手袋を下に入れた。 ちゃんとアックス振れた。

帰りに取った唐沢の滝は意外に立派だった。 ロープは50mは一杯一杯。左の灌木は、懸垂で降りれるちょうどの高さ。



下山してもまだ山はほがらか、誰もいない小川山は静かで癖になりそう。

私はあんまり人が多い山はそもそも好きでないのだから・・・ 

今日はやってみたら、立っていなければ寝ていればリードできそうと思った。立っていると凸でも凹でも、やっぱりまだ危ないかな。60~70度の傾斜の滝でも部分的に立っているから、そういうところでやっぱりたくさん経験を積むことが、上達の早道と思った。

バーチカルだけを登っていても上達はするけれど、楽しい上達の仕方ではないかもしれない。

楽しく登っているうちに気が付いたら、登れるようになっていたという棚からぼた餅系を目指したい。




帰りの車窓から、八ヶ岳を見ると雪雲に飲み込まれていた。稜線は今日は大荒れだろう。山は全然見えない。

こういう日も遊ぶためにアイスクライミングをやっていて良かった☆