リードで登れるようになるための作戦は
・易しい3級からリード経験を積む
・クライミングスキルを確実にしてからリードへチャレンジする
という両方の方法をバランスよくミックスして進む必要があります。
■ 落ちない登りをしているか?
いわゆる”トップロープ登り”では、どんなに難しいところを登れても、リードへ進むことはできないです。
大事なことは
アックス、バチ効き以外絶対に登らない
という登りができるようになっていること。99%以上落ちない登りができないといけない。
■ 氷質の見極め力 = リードラインの読み = 弱点と強点
氷の見極めができず、氷が悪いところ=落ちるところに自分を追い込まない
ということも大事です。一般に凹角は易しく登れ、凸各は登攀が難しいです。
が、登攀が易しくても、氷の質が悪くプロテクションがプアな氷は悪い氷です。
■ 正しいグレード感覚が育っていること
氷は平らな所にあるだけでも、滑って転びます。なので、三級でもアイゼンがなければ、登れません。
Ⅳ級は、60~70度の氷ですが、大抵の初心者でもトップロープなら登れる、とされています。
つまり登れることが当然であるグレード。リードは、Ⅳ級からスタートです。
■ プロテクションの設置に慣れる
アイスクライミングは、プロテクションの設置の負担がとても大きいので、プロテクション設置の負担増に慣れる必要があります。
それには、クライミングそのものには余裕が必要です。クライミングそのものがアップアップの状態では、登りながら、プロテクションを設置することはできません。
■ 腕力のゆとり
プロテクション設置時は、手一本で体を支えます。なので、それだけの腕力のゆとりが必要です。
左腕に腕力が余計必要です。
そのため、トップロープで登るときも、そうしたことを意識した登りをしておくと良いです。
■ レスト体制
プロテクション設置時は、安定した体制でいる必要があります。トライアングルポジションが一般には安定しています。両足は同じ高さです。
■ レスト位置の見極め
プロテクションを設置するには、安定した場所に両足と片手で立っていなくてはなりませんので、立てるレッジなどを見逃さず、プロテクションが取れるところを見逃さないような計画性が必要です。
■ 核心部に入る前に打つ
難しい箇所=核心部に入る前にプロテクションを取ります。具体的には、傾斜が変わるところ、より強い傾斜になるところ。垂直に入ったら、落ちたときレッジに当たらないよう、できるだけ高い位置に早めにプロテクションを入れます。
落ち口のマントリングの前も、1本プロテクションを取っておきます。
■ プロテクションを取り慣れる
最初は細かく、あとから長くが、原則です。アイススクリューは、1ピン目は、早めに3mあたり、2ピン目は近くに2m、3ピン目から先は、グランドしない距離なら少し遠めでも良い、とされています。
プロテクションは、たくさん入れすぎると、アイスの場合、それだけ腕力の消耗が激しいです。
しかし、節約しすぎて、ランナウトでグランドしてしまっては意味がありません。つねに今何メートルくらい登ったかを気にしながら登ります。
そのためにも、距離感が育っている必要があります。一般に登攀にゆとりがないと、何メートルくらい登ったか、あまり自覚がないものです。
■ 短い→長いへ
そのため、不慣れな初心者がリードする場合は、下から指示してやりやすい、あまり距離の無い課題がふさわしいと思われます。
長い氷瀑に挑戦する場合、プロテクションの重さ、という問題もあります。20本、プロテクションを持って行くと、1本100gで計算しても、2kgにもなってしまいます。
■ 登攀力のゆとり
このように、登攀力のゆとりがあることで、他に注意力を回すことができるようになっていきますので、登攀にアップアップではないことは、かなり大きな部分を締めます。
登攀がアップアップでない=安定している、という言い方をよくします。
登攀力にゆとりをつけるには???
・たくさんクライミングに触れる
・難しい課題を登る
ということをやって行かなくてはなりません。それがゲレンデ練習の狙いです。
■ 乱菊
登攀力のゆとりの目安としては、湯川の乱菊が安定したムーブで登れるくらいの必要性はありそうです。
ただし、これは端的過ぎ、ムーブになれたクライマーであれば、すぐにマスターしてしまうかもしれません。端的な目安程度のものと思われますが、全くの初心者であれば、
一応の目安として機能するかもしれません。
初心者ルートであれば、99%以上落ちない、という登りが出来ている必要があります。
■ リードのためのゲレンデ練習
・リードクライミングのつもりで、アックスを確実に決めながら登る
・登攀するルートを見極めながら登る
・登れないかもしれないラインを登ってみて、リードでは登れないかどうか感じる
・安定する位置に来るたびに、レストを入れながら登る
・アイススクリューを打ちながら登る
・アックステンションを入れながら登る
・6級が安定して登れるように頑張る
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