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Feb 28, 2017

ゼロスレッドとは何か?



vスレッドは聞いたことがあるが、ゼロスレッドは、あまり聞かない…と思ったら、なーんだ、vスレッドにスリングを掛けて懸垂するのではなく、単純にロープを通して懸垂する形がゼロスレッドでした。

ゼロスレッドするには、ロープの凍結に気を付けなくてはいけません。

ゼロスレッド バックアップもvスレッド

Feb 20, 2017

リードへの道を考察する

■ アイス、リードへの道

アイスのリードへの道を考察する。

素材1)ムーブはもう中級者レベル
素材2)ベテランの目には、ピンクなら、4級55mがリードできそうに見えるらしい
素材3)私よりアイス経験の豊富な先輩が同じところをリードしたら、長い時間がかかった。この先輩は男性で私よりパワーがあり、メンタルも強いが、ムーブは私の方が良い。
素材4)先輩同行で、これなら私のレベルに合っているんじゃない?という滝がエイプリルの横にあった 20~25m程度 80~90度
素材5)上級クライマーがリードしている記録があり、その人のクライミングを昨日見たが、非常に上手だった。当然だが私より上手。
素材6)ベテランは相沢大氷柱55mはピンクでリードさせたがるが、醤油樽の滝はさせたがらない。

総合すると、相沢をリードするために核心は、ムーブの安定ではない。

ベテランがピンクなら、としているのはなぜだろうか?

合理的な推察は、リードにおける核心はプロテクションだから、だ。

■ 例:醤油樽の滝

醤油樽の滝は、初心者のリード向けの滝として定番だ。

そこで、醤油樽の滝を例として考える。醤油樽の滝は、3級30mと仮定する。支点は整備されているという記録もあるが、支点が整備されていないという指摘もある。

リードの核心は、スクリュー打ちだ。

私は岩根のアイスは3分20秒から40秒で登ってしまう。スクリュー打つのに1本1分として、3~4本要るから、トータル10分と仮定する。10mで10分。

ならば、醤油樽の滝が20mとすると、20分かかるだろう。

つまり、それだけの時間、パンプしないで氷壁に滞留する腕力があるか?が一つの目安。

■ 保険

パンプはアイスでは避けられない。では、パンプした時の保険は?

・パンプする前のレスト
・アックステンション
・確実なスクリューとビレイ
・敗退

この4つができなければ、保険なしのトライになる。

最悪のシナリオは、

 パンプして墜落、支点が崩壊し、ビレイの意味なく、グランドする。

・・・というもの。だが良く聞くシナリオである。リードで落ちたという話を聞いたのは、一回や二回ではない。

■ リスク回避はどうか?

1)パンプ

パンプは、第一のリスク。パンプして落ちたと言うことは、リスク回避できていない。

2)支点崩壊

せっかくスクリューを設置しても、壊れてしまうような氷質のところに打ったのでは、リスク回避とならない。

どのような氷が脆い氷なのか?という見極め力が不足している、ということだ。

3)ビレイ

他のクライミングと同じなので割愛


■ 支点崩壊

支点崩壊は、アイスクライミングの主たるリスクだ。

アイススクリューは通常非常に信頼おける支点だが、支点を支えている氷そのものが崩壊すれば、スクリュー自体が強固でも意味がない。

道具は使いようだが、使う人の、氷を見る見極め力がモノを言う。その力をつける前に、リードに挑むと、グランドする確率は高まる。

例えば、シャンデリアにはスクリューは効きづらい。(シャンデリアに対するスクリュー打ちについては別途記載することとする)

■ 一つ一つつぶす

1)ビレイヤーを信用するには? → 人工壁でバンバン落ちる

2)レストをマスターするには? → レストしながら登る習慣をつける

3)アックステンションをマスターするには? → ワンムーブごとにアックステンションを入れる

4)スクリューをマスターするには? → トップロープでもスクリューを入れながら登る(擬似リード)

5)スクリューを信頼するには?→ 1本ごとにテンションを掛けてみる

6)敗退をマスターするには? → アックステンションしてアバラコフを作る 

■ 擬似リード

擬似リードというのは、特にアイスクライミングでは必要なプロセスではないか?と思う。

ムーブ、基礎訓練、というのは、登ってさえいれば、勝手に上手になる。初心者同士でも、トップロープが張れる南小滝に通って、私は基礎的なムーブをマスターした。

■ 初心者には優秀なビレイヤーが必要

相沢55mの氷柱は、先輩のリードラインとベテランのリードラインを見る機会があった。また隣のパーティのクライマーのリードラインも見た。

やはり3者とも全く違う。リードのラインは、その人の心理が表れるものだ。

例えば、怖いところでは、中間支点の距離が近い。強点を行くのか、弱点を行くのか?も異なる。

普通は、パートナーがリードする場合、ビレイヤー側から、ダブルの右を入れた方がいい、左を入れた方がいい、などと、アドバイスを出す。

屈曲があれば、スリングで伸ばした方が良い、などもアドバイスする。そろそろ中間支点を入れた方が良い、などもだ。

これは、ビレイヤーとしては当然の務めで、普通はクライマーはクライミングに必死なので、ロープの流れまで考えられないことが多い。

スクリューを打つタイミングも同じで、必死になれば、なるほど、距離感覚など分からなくなる。

こうした指示はベテランがリードする場合は不要だ。ビレイヤーとしての能力は不要。

なので、リードに不慣れなクライマーがリードする場合、よりビレイヤーの責任は重い。

逆に言えば、自分がリードに不慣れならば、より充実したビレイヤーが必要だ。

■ まとめ

大事なことは、アイスクライミングのリードでは決して落ちれないということだ。

 1)落ちるかもしれない要素を徹底的に廃し、

 2)落ちた時の保険を充実させ、

そうして挑むなら、自分がどの範囲まで、コントロール可能なのか?自ら判断がつくはず。

余談だが、阿弥陀北稜は単独で行ったが、何の不安もなく、登るべき時がきたから出かけただけだった。

一方、相沢の55mは、恐怖心が沸き起こる。私は高さに弱いほうではない。

人間の心は正確だ。自分で自分に嘘はつけないのだ。そのクライミングを貫徹するのに、必要な技術を身に着けていなければ、怖い。身についていれば、怖くない。

技術的余裕、精神的余裕がない場合、それは、それなりの根拠があるはずだ。

ゆとりがあれば、落ちて死ぬことはない。アイスクライミングは、ムーブそのものは易しい。

一方で、クライミングの楽しみは、ギリギリに迫っていくことにある。達成感というのは、ギリギリへ近づいたときに生まれるものだ。

■ 天の声

こうしたことが、分かるようになった、ということは、天の声、である。

あらゆるクライミングで、リードするということがクライミングの醍醐味である、ということは、誰もが知っている。

しかし、そこへ達する道のりを指南してくれるものが今の時代は非常に希薄だ。

勢い、保険なしの、つまり無謀と言われるクライミングで、チャレンジした結果の事故…支点崩壊によるグランドが増える。

危険というものは、漠然と危険と思っているだけでは対処できない。

具体的に対処法を身に着ければ、危険は危険ではなくなる。

大事なことは、氷を見極める、という目を持つことだ。




Feb 4, 2017

トップロープ支点のこと

■ トップロープ支点

トップロープ支点も色々ある。

例1)何もない場合

 強固な支点2個に、自前スリングと自前カラビナを掛ける。
 回収: 懸垂下降で降りる

 必要なギア: スリング2本、環付きカラビナ2枚、下降器

例2)残置スリングのみある場合

 残置スリングにカラビナを掛け、スリングでバックアップを取る。
 回収: カラビナを回収し、懸垂下降で降りる

 必要なギア: スリング1本、環付ビナ2枚、下降器

例3)残置スリングと開く残置カラビナ1枚がある場合

 残置スリングに自前ビナをかけ、バックアップを取る。
 回収: ローワーダウンで残置ビナが使える

 必要なギア: スリング1、環付ビナ1枚

例4) 残置支点はあるが、カラビナが開かない場合

 残置スリングに自前のカラビナを掛け、バックアップを取る。
 回収: ローワーダウンは、通し八の字で、結び替えをする

 必要なギア: スリング1、環付ビナ2枚

例5) しっかりした残置があり、一回のリードで終わりの場合

 その残置にロープを掛ける。バックアップは取らない。
 回収: 懸垂で降りる、もしくは、ローワーダウンに残置を使い、ランニングを回収しながら下降し、ロープは引きぬく

 必要なギア: なし、もしくは下降器

問題は、人工壁や人工氷壁は、支点が整備されており、ほとんど何の支点の勉強にもならない点です。

懸垂下降がマスターできていないとクリーンアップ(回収)もできないことになります。

■ しっかりした立木

今回相沢の大氷柱では、終了点は左上のしっかりした立木でしたが、立木というのは、下部がドライ気味になっていることが多いです。なので、終了点間際で墜落の可能性が大きくなります。

■ 一人が担当すること

歩いてトップロープを張りに行ける氷瀑でも、足場が悪いことが多いので、

 トップロープの工作は、一人が担当する、

が基本です。リスクに不必要に多人数が晒される必要はありません。まぁ、落ちるなら一人が落ちた方が、二人が落ちるよりマシ、という意味です(^^;)

■ 位置関係

また、位置関係も問題です。

例えば、三ルンゼでも、相沢大氷柱でも、右から登り、左端のしっかりとした立木に支点を取りました。

右から登って、左ということは屈曲します。

 屈曲=スリングを伸ばす

こうした点は、登攀ラインの真上に支点が整備されていることが普通の人工壁や人工氷壁などでは、学ぶことができません。

■ フラれ止め位置

屈曲していると、フラれ止めも必要になります。下から支持してやらないと、上からでは分かりにくいことの方が多いです。

■ ローワーダウンの位置

登攀ラインとは異なり、完全に垂直のラインになります。そのラインがかぶっている場合は、空中に宙づり。

アイスで危険なのは、つららがある場合です。つららをローワーダウン中に落とさないように工夫します。

もし、ロープが引っかかって落ちそうであれば、あらかじめ落とします。そうでないと、ローワーダウン中に上からツララが突き刺さることになります。

さらに空中の部分は、速やかにローワーダウン、します。

 ・ローワーダウンは垂直ラインで登攀ラインとは違う
 ・つららに注意する
 ・あらかじめ落とす
 ・もしくは落とさないように通過
 ・危険個所は速やかに通過する

■ 懸垂時のロープアップ

懸垂するときはロープアップしますが、末端にノットが結びっぱなしだと引っかかってロープアップできなくなります。ビレイヤーはノットを解いてあげましょう。






大氷瀑を登る時、ロープをどうするか?

■ ロープが足りないと、どうなるか?

先日、相沢の大氷柱に行きました。トポでは、50mですが、左の長いラインでは55m必要。実際隣のパーティが、私たちと同じ右のラインを50mダブルロープで登っていて、距離が足りなくなっていました。

登攀中ロープが足りないと、どうなるか?

リードクライマーは終了点に到着する前に、ロープ一杯、になってしまいます。

長いルートでは、下のビレイヤーの声も届かないことがあるので、大変、危険。

足りなければ、登れないか、引っ張り落とされてしまいます。ひえ~、恐怖ですね!!

実際、私もビレイヤーをしていて、ロープが足りなくなったことがあるのですが…、どうしたか?というと…ビレイヤーの私も少し登りました(汗) 

だって、ビレイ解除するわけには行かない…。ビレイヤーはクライマーの命を預かっている責任があります。

ビレイヤーも登っていると言うことは、その間の時間は、微妙な具合にコンテってわけです(^^;) 

でも、ノービレイになってしまうよりは安全です。クライマーが墜落しても、ビレイヤーの体重で均衡するはず…。

クライマーが支点を作ったら、ビレイヤーはクライムダウンです…(汗)もしくは、ロープにスリングを継ぎ足します…簡単な所だからいいけど。シビアなところでは、泣けてきそうですね。

このような事態を避けるためには、大きな氷瀑を登る場合、持参するロープをどうするか?には多少考察が必要です。

こうしたことは連れて行かれるだけの場合、まったく考察不要…(汗)つまり、自立したクライマーに必要なのはロープ知識です。

■ 長さ

・長さが足りるか?

一番大事なことは長さが足りるか?ということです。

例えば、55mの滝の場合、トップロープで遊ぶなら、基本的に

 55m×2の長さ + 余剰

が必要です。

リードフォローで、懸垂で降りるなら、最低

 登攀用: 55m×1 の長さ
 懸垂用: 55m×2 の長さ

が必要です。

■ 余剰&末端処理

ロープはタイプにも寄りますが、大体3%ほど伸びますから、50mなら1.5m伸びるので、余剰はイラナイ、という向きもいます。が、やはり少し余裕があった方がより安全です。5mほど余裕があると完全に安全。少なくとも、1~2mくらいは、余裕が欲しいものです。

長いルートの時には、トップロープであっても、末端のすっぽ抜け事故が報告されていますので、末端を結びましょう。

その際は、確保器をすっぽ抜けないことが大事ですので、バルキー(かさばる)結びにしましょう!

■ 2本連結するか?1本にするか?

さて、長さは足りたとして

 60m×2本
 120m×1本

どちらがベターでしょうか?

■ 2本で使う場合: ノット知識や気配りが必要

2本で使うと、ノットの知識が必要です。2本のロープの径が全く同じということは、一般的には考えにくいので、

 異なるロープ径をつなぐときの確実なノット知識、

が必要になります。また、ノットの通過があるため

 ・フラれ止めの掛けるロープはどちら側か?(ノットが通過しない側)

 ・連結ノットが支点をまたがないために、どちら引きにするか?

 ・ノットの通過があるため、1本しか登攀ラインが取れない

をあらかじめ、考えて行かないと、引っかかってトップロープも登れなくなります。

ちなみに、懸垂し始めてから、考えても遅いです。というのは、懸垂から登り返しにするのは、かなり大変だからです。宙吊り脱出時の単独登攀と同じことになります。

色は別々のほうが間違いが起こりにくいです。

■ 1本で使う場合: 人的ミスのリスクが少ない

1本であれば、上記のような考えは必要なく、普通にリードして、トップロープ支点を作り、ローワーダウンで降りれば大丈夫です。

つまり、一本で登ることは、

 ロープワークにおける人的ミスの余地を大幅に減らす

ことができます。

ただ、一般に120mのロープを持っていること自体が、かなり稀ですが…。特注品の部類。

こうしたことからも、リーダーのリスク管理意識がうかがえます。

Jan 30, 2017

凍傷対策

■ 凍傷対策

凍傷対策は、昔では、冬山の基礎であったが、岩根山荘など、安全地帯から近く、車からビレイできてしまうようなゲレンデで、アイスクライミングをスタートする人が増えた現代では、凍傷対策は、うっかりと見過ごされやすいリスクである。

登山で山を始めた人には当然のことが、当然でないことが多い。

凍傷は、低温と水分が問題となる。当然だが濡れた手で、金属を触ってはいけない。

濡れたところを放置すると、どんどん気化熱で冷えてしまう。

気化熱なら良いが、水分が凍結する。

それ以前になるが、保温と摂取カロリーも必要だ。

当然だが、山の気温は低い。下界で温かくても、山では極寒であるから、環境に合わせて、装備を変える必要がある。

寒い日には、温かいビレイパーカを着る。ビレイパーカは、一般的には、自分のサイズよりワンサイズか2サイズ大きいものをすべての衣類の上に羽織る。 寒いときには着る、という当然のことができないクライマーも、昨今はいるので、注意が必要だ。

また、寒さ対策の一つは、摂取カロリーだ。食べなければ、体は熱を生産できない。寒い日は、カップラーメンなど、温かい汁物を食べると、温まる。

アイスクライマーの間で、好評の防寒テムレスは、-10°以下では寒すぎて、手が凍傷になってしまいそうになる。もちろん、個人差がある。

冬手袋で登る必要があるような、寒冷下でのアイスクライミングをする予定であれば、掌がオールレザーの冬グローブが必要だ。

またカイロなどでの凍傷対策も、必要だ。貼るカイロが便利である。

アイスクライミング用の靴も、縦走用では、保温力が足りない場合がある。縦走中は、つねに行動しているため、血液循環があるが、アイスクライミングでは、ビレイ中、行動をしていないため、冷えやすい。

私自身、縦走時は、夏用の軽登山靴や冬靴でも保温材の張っていないスカルパサミットライトを使っていたが、アイスクライミングのビレイ中に凍傷になり、ダブルのブーツに切り替えた。

≪まとめ≫
・ビレイパーカ
・保温
・温かい飲食
・冬用グローブ
・ダブルブーツ
・カイロ

ギアの凍結対策

■ ロープの凍結

ロープの凍結が問題になるのは、凍結したロープでのビレイは非常に困難で、ビレイヤーの手元が滑って、クライマーが墜落するリスクがあるからだ。

特に冬季の登攀では、分厚いグローブをしてビレイするのが通常である。手元は狂い安い。

これについては制動確保のところにまとめてあるので、詳細はそちらを見てほしい。

■ そもそも、凍結させないように使う

凍結しないためには、氷にロープができるだけ接触しないように使う。

こすれてしまうと、氷が付着しやすくなるため、氷との接触を極力避けるべきだ。

凍結して使い物にならなくなったロープ ビレイがシビアになるとトップロープも危ない

■ 防水加工済みロープをアイス専用とする

また、使用するロープも、防水加工のロープを購入し、アイスクライミング専用のロープとすべきだ。

■ 長いスリングを使う

特に棚になっている箇所にトップロープを設置する場合は、長いスリングなどを用意して、本体のロープが地面や岩に接触するのを避ける。

■ 防水・撥水加工

詳細については、こちらのページを参照のこと。カラビナなどのガチャ類も、氷が付着すると、閉じない、安環が固まるなどの問題が起こるため、あらかじめ剥離スプレーなどで、氷が張りつかない工夫をすべきだ。

≪関連リンク≫

アイスクライミングのロープの凍結対策

アイスクライミングでの制動確保

■ 墜落

アイスクライミングでは、墜落は、通常のフリークライミングよりも重大な結果を招きやすい。

平たくいうと、危ない。

非常に死に直結しやすいクライミングであることを認識すべきだ。

アイスクライミングでの重大事故の報告は、とても多いことを知っているべきだ。

≪関連リンク≫

八ヶ岳遭難マップ


■どれくらい離れてビレイするか?

良いビレイ例
アイスクライミングでは、落氷があるため、ビレイヤーは通常のフリークライミングのように、ビレイすることができない。そのため、特に1ピン目までは、しかたなく、だらりんビレイになる。

どのくらいのだらりんが許されるのか?(例:良いビレイ例、参照のこと)

したがって、地面から近ければ近いほど、落ちることが許されない。

私事で恐縮だが、峰の松目沢F8、最後のF8だけが氷柱で立っており、足場がない氷だったので、リードできず、敗退しました。

ビレイヤーを落氷から守るため、ビレイ位置を後退させたが、そうするとクライマーの私がリスクが大きくなる=登れなくなりました。

クライミングのラインは、弱点で、核心は最初の出だし一歩だけ。出だしには足場がなく、次のアックスを打つまでは足ブラです。

出だしで落ちることが許さない上に、だらりんビレイであれば、より一層確実さが必要になります。

このケースの場合、ビレイヤーが氷柱の近くで、ビレイできたら、私のスキルでも登れたと思います。

■ アックスが凶器になるリスク

クライマーが落ちても安全な高さに、地上から離れたとしても、落ちた場合、アイスアックスが凶器となるリスクが残されている。

アイスクライミングの墜落はシビアであるため、チェストハーネスを併用するベテランクライマーも多い。

■ 意外と強固で安心できるランニング支点

アイススクリューは、非常に強固な支点で、支点崩壊の話はあまり聞かない。

スクリューそのものの属性ではなく、氷本体の支持力がなく、落ちたとき止めてくれるはずのランニング支点の強度が得られないということも考えられる。

したがって脆い氷、つまり気温が高い場合の氷は危険であるが、ランニング支点の崩壊について耳にすることは少ない。

むしろ、アイススクリューは、信頼がおける、がっちりとした支点である、と言える。

■ ザイル径と確保

アイスクライミングでは、ギアの重量が重い。使われるロープは、ゲレンデや人口氷壁であれば、通常の岩登りと変わらないことが多いが、マルチピッチとなると、軽量化が課題となる。

通常、無雪期のアルパインクライミングはダブルで望むことが多いが、これは敗退時に、懸垂下降の長さが取れるためである。

アイスの場合は、岩と比べてアイスクライミングのラインは屈曲が少ないため、ダブルではなく、ツインで登ると良いとされている。これはドイツ方式とも呼ばれているそうだ。

ツインロープは細形が多い。それでなくても、長いロープになればなるほど重さがシビアになるため、径は細くなってくる。40mの氷瀑でもトップロープで登るとなれば、80mが必要になる。

しがたって、ビレイ器も細径のロープに対応している者を使うべきである。

ルベルソ4は、7.6mmから対応しており、ATCXPガイドはしていない(最近モデルチェンジしたようで、7.7mmからOKと書いてあった)。

■ 確保者と確保器

一般に、確保器の制動力の倍率は、8倍程度である。1kgの力で8kgの物体を確保できる。

したがって、握力15kgの場合、 15kg×8倍 =120kg 

つまり、120kgの体重の人まで、確保することが可能だ。

一方、握力が30kgの人の場合は、当然ながら、240kg。体重240kgの巨漢なんていないので、通常クライミングする場合、握力が弱いことが問題になることはあまりない。

ただし、細径のロープは滑りやすい。滑り出したロープを止めるのは、非常に難しい。そのため、体の小さい女性がビレイをする場合は、特に、確保器は制動力が高く、径がマッチしている者を使う方がより安全である。

そういう理由で、私自身は、岩ではATCガイド、アイスではルベルソ4を使っている。

もちろん、トップロープの場合は、ロープ径が太いので、繰り出しやすさの観点から、通常のATCを使う場合もある。

大事なことは、ロープ径と確保者の体重や握力を確保する対象が十分確保できるようにマッチさせることだ。

もちろん、さっと体重をロープに預けてくれるといいのだが。私は大概は、トップが落ちた場合は、ロープにぶら下がってしまうが、それでも流れてしまったらロープにぶら下がるどころではないだろう。

■ 凍結

ロープが凍結した場合、凍結したロープでのビレイは非常に難しい。

繰り出しも、手繰り寄せるのも難しく、上手なビレイヤーでも、たどたどしいビレイになってしまう。

より問題であることは、制動(フリクション)が得られなくなることだ。

凍ったロープでの制動は非常に悪い。凍結していると、3分の1程度、つまり、5kgくらいしか得られない場合がある。

その場合、握力15kg→5kg × 8倍 =40kg となり、60kgの人を確保していた場合、落ちてしまう。

元々の握力が30kgの場合でも、30kg→10kg × 8倍 = 80kgとなる。

凍結したロープの場合、制動力は、3分の1程度まで落ち込むことがある、ということを知るべきだ。

■ シングルストランド vs ダブルストランド

以上は、通常のゲレンデで、トップロープでクライマーを確保する場合のような、シングルストランド(1本のロープでの確保)を前提に話をしてきた。

1本のロープでは、トップロープ中のローワーダウンでも、凍結したロープでは、制動力がさがり、確保が確保にならない危険がある。

一方、ダブルストランド(2本で使う)では、二つのロープ同士の摩擦抵抗が期待でき、手の中では握りやすい。

したがって、アイスでは、制動力が得られなくなるかもしれないケースで、ダブルストランドで使うスタイル、つまり、ツインロープで登るスタイルは有効だ。

■ 固着

確保器の中で、ロープに付いた氷や雪が削り落とされ、その削り落とされたものが確保器の中につまり、それが冷えて固まって固着してしまう、ということも起こる。

実際私自身も、初心者で行った中津川滑沢でのアイスクライミングではそのような状態に陥った。

幸い、気温が低くなかったので、確保器の中の雪や氷をホジホジすれば、取れる程度ではあったが、ゲレンデでのクライミングでも、トップロープの張り方が悪く、溶けた氷に一か所でもロープが触るような設置の仕方をしていると、ロープを伝って氷が解けて、水が流れ、流れた水が氷り、カリントウのような状態になってしまうことも起こる。

そうすると、ローワーダウン時などに、確保器の中に雪やアイスが詰まる。

通常、ゲレンデであれば、ロープを解除した後にきれいにしたらよいだけだが、気温が下がると、ロープが入ったまま、凍結してしまうと、ロープが流れなくなる。

この現象がもっとも困るのは、懸垂下降中だ。

■ 凍結したロープでの懸垂下降

懸垂下降の場合、大抵は、シングルストランドではなく、ダブルストランドである。ので、懸垂下降で充分なフリクションが得られない場合は、稀なケースと言える。

が、フリクションが効かないと感じた場合、どうするべきか?

リターンを使う。リターンは折り返しである。折り返して制動力を増やす。

またバックアップをつける、という方法もあるが、凍結したロープには、一般にフリクションノットは効かないことが多い。例えば、スネイクなどの方法は、フリクションノットの中でも良く効くほうである。

もっとも汎用性が高いのは、ムンターでの下降で、固着のリスクが少ないが、ムンターでの下降はキンクが強く、末端は両端を束ねないで別々にストッパーノットを結ぶと言う工夫が必要だ。

また、カラビナ3枚にによる、カラビナ懸垂も有効だそうだ。カラビナ懸垂の制動力は、4~5倍なので、カラビナ懸垂の場合はリターンを入れる。

こうしたことはアイスのマルチピッチなどで必要となってくるリスクマネジメントではあるが、アイスクライミングにおいて、ロープの凍結がシビアな課題であること、くらいは、トップロープしかしないゲレンデでのアイスでも、きちんと状況を把握して学んでいることが大事である。

小さなリスクを取れない人が大きなリスクが取れるはずがないのであるから。



落氷対策

■ 落氷

アイスクライミングでは、落氷は当然である。そのためのリスク管理としては、初歩の初歩ではあるが、

 1)フォールラインに立たない (氷の位置関係をよく見る)

 2)氷に背を向けて立たない

 3)そもそも、落を落とさないような登りを行う

 4)登る日の気温に注意する

 5)登る時間帯に注意する

 6)あらかじめ氷を落としておく

 7)他パーティとの位置関係と諸行動に気を付ける

1) フォールラインに立たない

A.凹角に立たない

フォールラインの代表格は、凹角だ。凹角に立たないことは、登山の基本だ。

通常の冬山縦走でも、沢やルンゼでも、真ん中は、歩かないものである。その基本を忠実にすると、凹角の延長線である、扇状に広がるエリアには、普通は立たないものだ。

これは、登山でクライミングを始めた人には当然のことだが、人工氷壁で始めた人は知らないことが多いので、教えてあげるべきである。

B.流水、浸み出しの位置と氷柱の関係をよく見る
   
 特にぶら下がってる氷柱と岩などが繋がっている接点をよく見る。

 大氷柱は、些細な刺激での崩壊の危険あり。

C.垂れ下がってる氷柱の真下にルートを取らない

 ツララは、ちょっとした繊細な刺激でも落ちるものである。




2) 氷に背を向けてリラックスしない

以前、南沢大滝でのことだが、クライミングのガイドをしている若い男性が、滝に背を向け、長々と話を始めた。すると、リードクライミング中の、他パーティのクライマーが、ブロック大の落氷を起こした。それが、彼のヘルメットに落ち、ヘルメットは、二つにぱっかり割れた。

「それだけ危険なことをしている」
「だからヘルメットは必要だ」

という結論は、論理的ではない。アイスクライミングで、落氷が頻繁なことは、受け入れられているリスクである。したがって、そもそもフォールラインに立ってはいけない。

そもそも、リードクライマーがいる氷に背を向けること自体がリスク不感症の証である。勘違いしてはいけない。

アイスクライミングでは、落氷は当然なのだ。

落氷でぱっかり割れたヘルメット

3)そもそも、落氷を落とさないような登りを行う

A.全体に気を付けて登る

落氷は受容されている。しかし、だからと言って、

落氷をわざわざ作るような登り方は、リードであっても、するべきではない。

南沢大滝などでは、怖いからなのだろう、落氷が非常に多いクライマーも見かける。しかし、氷を落としすぎると、登路がなくなってしまうし、氷は下にいる人間に落ちるだけではなく、クライマー自身にも、落ちてくる。

仮に落ちた氷が目に刺さったら、角膜は再生しない。したがって、落がかならずある、アイスクライミングでは、バイザーやゴーグルで目を守るべきである。

バイザー付ヘルメット またはゴーグルは必要です
余談だが、女性のクライマーは、見た目を気にし、ヘルメットを目深にかぶらない人が多い。それでは、おでこが露出してしまい、頭部の保護、目の保護にならない。見かけたら注意してあげるべきである。

また、トップロープでのクライミングがリードの予行練習であることを考えると、トップロープ中は、とりたてて、リードよりも、落氷を起こさない登りを目指すべきだ。

B.氷柱を登らなくてはならない場合
どうしてもぶら下がってる氷柱に、アックス、アイゼンを効かす場合、打ち込みは駄目、コツコツと削って登る。

これは、氷柱に衝撃を与えない工夫。
このような場合


4)登る日の気温に注意する

氷がもっとも落ちやすいのは、当然ながら気温が上がった日だ。

たとえば、日中の気温が+3度の日、白髪エリアの氷柱が盛大に音を立てて落ちた。

氷は、形状によって落ち方が違う。

溶けた場合、どのような落ち方をするだろうか?という想像力が必要だ。位置関係をよく見て、想像力を働かせよう。

寝ている氷であれば、当然だが、溶けても流れて行くだけだ。氷の厚みでも違う。

だが、氷柱の場合は、異なり、横に割れて、一気に下部に崩落して落ちる。

したがって、氷柱は必ず崩壊を想定すべきだ。

繰り返しになるが、フォールラインに立ってはいけない。ザックなど荷物を広げていたり、ビレイしていたり、もダメだ。もちろん、フォールラインで登攀してはいけない。

氷柱が落ちる場所は、すでに落ちた氷柱が転がっていることが多い。落ちて割れた氷柱が転がっていたら、きちんと上を確認する癖をつけることだ。

5)登る時間帯に注意する

12時~14時の時間帯は、一日の中でもっとも気温が上がる。気温が高い日のこの時間帯の登攀は、リスクが伴う。

以前、摩利支天沢大滝に出かけたが、この日の気温が、仮に0度だったら、ベテランのクライマーは登らない、ということは知るべきだ。登山口で気温を知れば、大体の目安になる。

午後遅い時間帯になれば、気温が下がり、より安全になる。これは雪崩の場合も同じで、雪崩れが起こりにくい夜間に登攀をする場合もあるくらいだ。

6)あらかじめ氷を落としておく

氷柱には懸垂下降で取り付く。その際、落ちそうな細い氷柱は、下に誰もいないことを確認の上、あらかじめ落としておく。

また、氷柱ではなくても、シャンデリアになっている部分など、クライミング中に自分に落ちてきそうな場合は、自分自身がフォールラインにいないことを確認して、あらかじめ氷を落としておく。

7)他パーティとの位置関係と諸行動

他パーティが登ってくるときに上から懸垂下降すると、クライマーの上に落を起こしてしまう。

またロープダウンをするときは、周囲の人に気づいてもらわないと、思わぬ事故になることがある。

自分のパーティのメンバーは、リスクについて認識がある人材かもしれないが、他パーティのメンバーはそうでない場合がある。

例:

ビレイエリアにコーヒーカップを並べて場所取りしていた多人数のガイドパーティを南沢小滝で見たことがあります。

このパーティのおかげで、ビレイヤーが後退できず、ビレイヤーは不必要な落氷のリスクにさらされていました。

■ まとめ

・常に上を確認する
・バイザーやゴーグルで目を守る
・ヘルメットをかぶるなら、きちんとかぶる
・落氷はあるものとして対応する
・氷を落とさない登りを心がける
・氷柱は、叩かないで削る
・プラス気温は危険、マイナス気温は安全
・プラスの気温の日は気を付ける
・特に氷柱は気温に気を付ける



メンターと登るリスク 

■ リスクマネジメントへの認識

最近、ちょっとしたことがあって、改めて、リスクマネジメントについて認識を改めている。

登山でも、クライミングでも、リスクマネジメントは、後回しにされている。

どうしてなのか?

そうしたくないと思っても、ついそうなってしまう・・・。

しかし、楽しいクライミングは、リスクマネジメントの上に成り立っている。

そもそも、登山にしてもクライミングにしても、充実感の大部分は、自分でリスクをコントロールできている、という自己認識が大部分を占める。

リスクコントロールは、登山の喜びの一部だ。例え、ゲレンデでも。例え、人工壁でも。

■ メンターと登るリスク

メンター(指導者)と登ることにはリスクがついて回る・・・のは、どうしても、相手のほうが分かっているはずだ、という気持ちがあるからだ。

例えば、湯川の白髪エリアに友人を案内した。そのとき、私は終了点に長い残置のロープがあり、それが一本しかないのを知っていた。

私が案内する側なので、長いスリングを支点用に持って行った。

こういうことをメンターと行くときにするか?というと、ほぼしない。それは甘えが出ているためだ。

■ 長いスリングが必要になるケース

実は、メンターと登った時、メンターが設置したバックアップが外れて、私の上に降ってきた。

バックアップがあるということは、どういうことだろうか?

つまり、一点で支点が取られている状態を意味する。

なので、私は一度支点の場所まで上がり、見てみた。

古い長い残置ロープ・・・支点になるしっかりした立木は遠く、ロープが擦れないためには、スリングを長く伸ばす必要がある。

その残置ロープは古かったが、その支点より上に行けば、リードクライミング状態になるし、そのためには、溶けた霜柱が立っている、ドロドロの脆い棚にマントリングで、乗越して、歩かないといけない。落もあるだろう。

・危うい場所をリードする危険
・墜落した時に衝撃荷重がロープにかかる危険
・落の危険

総合的に考えて、今回はすでに支点が作られており、その支点で今現在トップロープをする分には問題なさそうなので、バックアップはなしで大丈夫だろうと判断した。残置ロープが切れるリスクは、感じられなかった。

ベストではないが、リスクは受け入れた。

しかし、その後、友人を湯川に案内した時は、長いスリングを持参した。冗長性があったほうがよりベターだからだ。

冗長性があった方がベターなことは勉強して知っている。

■ 責任感 

この話をしたとき、バックアップが外れたことを指摘すると、メンターは、もう謝ったではないか!と言って怒り出した。

自分のミスを相手が指摘した、と感じている・・・。

それは私にとって意外な展開だった。

バックアップになっていたスリングを回収した後、再度、設置しなかったのは私自身である。

下からバックアップを再設置するように指示もなかった。

だから、支点一点で良いとの判断は、双方の合意だ。

だから責めるつもりは毛頭ない。

が、メンターの方は、責任を全うできなかったと感じている・・・。

それを責められていると感じているとすれば、私の安全の責任は、自分に負うところが大きいと感じていると言うことだ。

責任感が大きいとも言えるが、あまり後輩のクライマーとして対等な扱いを受けていないとも言える。

きっと私のことがよほど心配なのだろう・・・

もちろん、40年と4年では、10倍の経験差があるのだから、リスクを感じる力の差は大いにあるハズだ。

だから、メンターのほうがよりリスクを感知できることは当然だ。だが、だからと言って、今の時点の認識力で、リスク認識を疎かにして良いということではない。

■ 後輩を連れて行く責任

後輩を連れて行くと、責任を感じる。

だから、すべてのクライマーは、連れて行く側を、できるだけ早期に経験しないと行けない。

単独行を含め、連れて行く、案内してやる、という立場を経験しないと、連れて行く側がどのような大きな責任感を持って、連れて行っているのか、案内しているのか、理解が及ばなくなる。

案内してもらったら、代わりに案内し返す・・・そういう経験が、リスクマネジメントの力を向上させるのだ。

例え、トップロープしかしないエリアであっても、トップロープ一つきちんと張るにも、しっかりとした強固な支点を作る技術が必要になる。

例え、岩根山荘や人工壁のような、歩いて支点まで到着できるような整備された場所であっても、連れて行くとなれば、相応のリスク管理が必要になる。

それは、やはり、連れて行く側にならないと、どういうことがリスクマネジメントなのか?は分からない。

・この人のギアは確実なものなのか? 登っている途中でアイゼンが外れてしまうような人もいる。

・寒いときは指示しなくても、自分でウエアを調節してくれるのか?持ってこない人もいる。

・食べ物は言わなくても気温に合せて持ってくるのか? 寒さで食べられないようなものを持ってくる人もいる。

・この人はトップロープならビレイをしてもらってもいいのか? トップロープのビレイも初心者は怪しい

・支点を作ってもらっても大丈夫なのか? → 支点のことは全く知らない人が多い

・・・などなど。

こうしたこと・・・心配を感じられるようになるのが、リスクマネジメントの第一歩だが、安心と心配は、全く正反対であり、人間は安心していると油断をする生き物なのである。

安心している人材は、油断している人材、とも言える。

■ トラストバットチェック

このような場合に良き関係を作る考え方は何だろうか?

以前、外資で働いていたとき、考え方が違う多国籍の人たちと仕事をした。

そのような場合の基本ルールは

Trust but Check

だ。大丈夫だと思うが一応チェックする、という日本語が当てはまる。

どんなに尊敬できる相手でも、人間である限り、間違いやミス、うっかりはつきものだ。

だから、信頼するがチェックは怠らない、という姿勢が大事だ。

彼女ならチェックしてくれる、と思ってもらえること=信頼

そう言う風な信頼関係を築いて行くべきだ。

信頼関係で登れる相手がいると、クライミングは本当に楽しいものになる。


Jan 16, 2017

ロープの凍結対策

■ アイスのリスクマネジメント 

家に帰っても凍っていたロープ
アイスクライミングのリスクマネジメントは、いっぱいあるが・・

ギアの凍結のうち、もっとも、問題になるのがロープの凍結。

■ 寝ている = ロープが凍るかも

ロープの凍結については、人工氷壁に行っている間は、あまり問題意識として上がることはないかもしれない。なぜなら、人工氷壁は垂壁以上で、寝ていないから。

ロープの凍結が問題になるのは、

  寝ているアイス

の場合である。 なぜなら、アイスが寝ていれば、その氷の上にロープが乗るからだ。

つまり、4級の氷(寝ている)と5級以上(垂直)の氷では、寝ている氷の方がロープが凍結する環境にいやすい。

■ 滝の落ち口 = 寝ている

人工氷壁を卒業して、自然の滝でトップロープして遊ぶようになると、滝の落ち口というのは、必ず寝ている。

なので、落ち口でロープが氷にこすれて、のっかってしまう。

すると、どういうことになるか?氷が解けていれば、ロープが濡れ、しばらく登らないでいたりするとロープが再凍結して動かなくなってしまったりする。

もし、ロープが凍結して動かなくなれば、別のロープがない限り回収はとっても困難になる。

■ 気温高い = 凍結

一般に気温が高いと、あまり寒さを感じず快適ではあるのだが、問題は、溶けて水が流れていると、ロープが凍ること。

気温が高く、氷から水が流れているような日=ロープの凍結に要注意な日。

■ 対策1

対策は、トップロープ支点を作る時に、滝の落ち口のできるだけ近くまで、支点用のスリングを伸ばすことだ。

落ち口に垂れ下がるようにカラビナがつけば、ロープ本体は、寝ている氷に接触せずに済む。

ただし、この方法だと、一般的に滝の上の立木でトップロープ支点を取る場合、ものすごく長いスリングが必要と言うことになってしまい、あまり現実的でない。

要するに、クライミングするロープが、氷に接触しないような位置関係にすれば良いのだ。

大事なことは、

 クライミングするロープ本体が、できるだけ氷に接触しないこと

だ。ロープが宙を浮いていれば、凍結の心配はあまりない。一方、ロープが氷の上をこすれているような状態だと、その接触面積分は凍結してしまう。

接触面積がたとえ1m程度でも、トップロープで遊んでいる間、ロープは行ったり来たりするので、やはり、相当な距離の分、ロープが凍ってしまう。

氷が解けて上から雨が降っているような状況の氷だと、上手にトップロープ支点を作ったとしても、ロープは凍結してしまう。

したがって、どんなに気を付けてアンカーを作っても、ある程度の凍結は避けられない。

■ 対策2

したがって、アイスクライミングでは、凍結を前提にしたロープ選択が必要だ。

具体的には、

防水コーティング加工があるロープ

を使う。

■ 対策3

しかし、このコーティングも、コーティングであるからには、こすれに弱い。こすれれば禿げてしまうのだ。したがって、

 ・アイスクライミングでは、アイスクライミング専用にロープを用意しましょう

 ・さらに防水スプレー等で、防水を強化しましょう

アイスクライミング用に買ったロープを、そうとも知らず、岩に使ってしまったため、ロープが毛羽立ってしまいました(涙)。

ロープの毛羽立ちには、雪が付きやすくなるため、先日、水が流れている南沢で使ったら、ロープの嵩が倍増!帰りのザックが馬鹿デカく・・・(笑) ロープのしなやかさがないので、畳めない!

家に帰って凍結を解凍したら、200mlくらいはありそうでした・・・200gは最低重かった計算に。

■ 考察

想像するに、旧来は、クライマーは、ピッチグレードで4級のルートから、徐々にルートグレードを上げ、結果として、徐々に傾斜が立って行き、ピッチグレードで六級を登るころには、ロープの凍結対策など、アイスクライミングのリスクマネジメントが、完成していたのではないだろうか?

それが、

 易しいルートから、徐々に難しいルートへ行きなさい

 山には順番がある

と言われる理由ではないのだろうか??

ところが、今だと、リスクを取り除かれた環境である、人工氷壁で、いきなり、もっとも難しい六級のアイスに取り付いてしまう。実際、私も人工氷壁で、アイスクライミングデビューしている。

すると、アイスクライミングでの安全対策が何かについては、知らないまま、このグレードは楽勝で登れるから、と言って、ルートグレードの高いルートに取り付いてしまうということが起こりがちになる。

したがって、ゲレンデは必ず必要だが、ゲレンデのみのゲレンデクライマーと登る場合は、安全対策については期待できない、と推し量るべきだろう。初心者と同じということだ。

■ まとめ

1)アイスクライミングでは、防水加工済みのロープを購入しましょう

2)毛羽立ちを避けるため、岩とは分けて、アイスクライミング専用ロープとして使いましょう

3)さらに、自宅で、毎回防水加工をして、持参しましょう

4)アンカー構築の際は、ロープと氷が擦れない位置に支点を作りましょう。

5)そのために、特別に長いスリングを持参しましょう。

6)それでも凍結が心配される場合は、ロープを2本用意しましょう

7)ゲレンデからルートへステップアップするときは、ルート独特のリスクマネジメントについて、よく話し合っておく

8)車にバケツがあるとロープが凍った場合も、車内がびしょびしょにならないで済む