ふとしたことで、知った平均以上効果。
これって、”山ヤあるあるリスト”に入れたい!
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心理学の実験の結果で、
・実力がない人ほど、自分の力を過大評価し、
・実力がある人ほど、自分の力を適正に評価できる、
ということがわかっています。
また、
・男性の方が、女性よりも
自分の力を過大評価しやすい
ことが分かっています。
これを心理学では平均以上効果と言います、
「自分の力は平均以上だ!」と思う効果ですね。
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■ 無謀 と リスク計算
色々な人と話をすると、やはり、初心者の若い男性は、墜落などの致命的失敗を通じてしか、自分の実力を客観的に見つめることができないのではないか、と思う。
事例:
山岳総合センターのリーダー講習に出たら、私の班は男性3人、女性1人だった。歩荷量は、50代男性20kg、19kg、18kg、女性の私が17kg。それで講師と雪上を歩いていたら、女性の私と講師だけが二人きりになってしまい、男性三人ははるかかなたになった。
この事例は、男性には過信がある、という事例だ。歩荷量は自己申告で決めたのだから。
ちなみに、雪上歩行も、できていた人は私だけで、滑落停止も、全員が初めて教わったが私の方が先にマスターしてしまった。ノットに関しては、私以外の人は、結ぶ練習をそもそもしてきていなかった。
ノットを予習してこなかったり、実力以上の荷を担いだりするのは、過信があったためだろう。
■ 行き先選び
山では実力を客観的に見ているということが、安全に直結する。
とくに行き先を選ぶ時に、自分の実力をどう判断しているか?が分かる。
実力不相応の難易度のルートに行きたがる → 自分の実力を客観視できていない
これは年齢の若い人だけではなく、山、アルパインの初心者、再開組は全員同じだ。
■ 誤解の理由
でも、男性は危険なクライミングをこなせる。
それはジムでのクライミングを見ていても分かる。
私が苦労している課題を、一日でパワーとリーチで登れてしまう。ムーブは、全く出来ていない。登れた事実を持って、また自信をつけてしまう。
リーチもパワーもない女性には、クライミンググレードが低い段階から、ムーブが必要になる。パワー系のトレーニングも、グレードが低い段階から必要になる。
なので、平均的男性がまったく困難を感じない低グレードから、
筋トレ
ムーブを意識した練習
が必要になる。ジムなら、7級などでも女性は保持力がないから登れず、力を逃がすためにムーブが必要になる。男性なら例えば、5級以上で必要になるムーブ力が、女性の場合は、2グレード下から必要になる。
■ 山では絶対値
山では、絶対値、が問題になる。いくら過去に北岳バットレスに登ったと言っても、今、現在の体力で、北岳をノーマルコースタイムの8割で往復する体力が無ければバリエーションはこなせないとみるべきだろう。
バリエーションルートは当然だが一般登山道よりも難易度が高いので、
・20kgを担いでコースタイムの8割で歩ける体力
・フリーで5.10aだったらどのような課題でもリードできるくらいの登攀力
(つまり5.9マスター=5.9だったら落ちない)
・最低でも10時間程度の連続行動
・最低でも10時間程度の連続行動
・ビレイ習得済み
・基本的読図知識習得済み
・基本的ロープワーク習得済み
・雪上訓練 受講済み
・基本的レスキュー習得済み
というのが絶対値的にバリエーションへ進むのに必要な条件ではないか?と思う。
若い男性であれば、トレーニングしなくても、20kgを担いでコースタイムの8割で歩くことは、誰でも難なくできることだろう。
しかし、その他の要因はどうか? 習得に時間と労力が必要なこと、を端折って山に行ってしまえば、運任せの山行となってしまう。
運任せにしないということが、自立した登山者への第一歩。
これは、老若男女関係なく、すべての人が習得済みでなくてはならない。
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