Feb 7, 2017

7回目の湯川 

昨日は7回目の湯川だった。

リードしたいラインが空いておらず、残念だった。

■ 警戒心をかき立てられるパーティ

今回は警戒心をかき立てられるパーティと一緒だった。

警戒心をかき立てらえる事例1)

林道奥の駐車スペースに到着すると、自分たちのパーティ以外は車が停められない配置になっていた。まだスペースは十分あるにも関わらず、配置が下手だったからだ。

そのため、私たちは手前に止め、車の旋回が困難だった。

警戒心をかき立てらえる事例2)

挨拶が「こんにちわ」ではなく「また来ちゃったよ~」だった。正直、”また来ちゃっている”のは、当方パーティで7回目だ。ホンネは、もう湯川じゃなくて別のところに行きたいが、二人ともお金がないので湯川しか行けない…(涙) 

違和感のある言葉…本当に強いクライマーだったら、「こんにちわ」だけで後はクライミングを見れば分かる。

警戒心をかき立てらえる事例3)

エリアに到着すると、なんと一人ではなく、何人も上に上がっていた。大人数が上に上がると、それだけ下の人間への落石の可能性が高まる。私も支点のありかを教えるため、相棒を一人連れて行ったことがあるが、そんなレベルではなく、4人は上がっていた。

警戒心をかき立てらえる事例4)

下には二人がいた。先ほどのあいさつで、別パーティが後続にいることは分かっているはずなのに、我々が到着しても、「そこに張ります」など言わない。どこに張る予定かが、分からなければ、落石を避けることができない。案の定、我々が登ろうとしていたところに張ったのだが、こちらから「どこに張るのですか?」と聞かなくてはならなかった。

警戒心をかき立てらえる事例5)

下の二人は、下に残されていることから初心者と分かるが、一人以外は、上と意思疎通を率先してやろうとすることなく、こちらを見るだけで、自分の役割が良く分かっていない様子だった。

警戒心をかき立てらえる事例6)

そのため、案の定、上からロープが私の上に降ってきた。「ロープダウンの時は声を掛けてください!」と声を荒げたが、既にこちらはリード中で、私はビレイ中。逃げられない。リードクライマーの上に落石やロープの雨が降ると、湯川は5mくらいと課題が短いのでグランドしてしまう。下地はアイスで堅い。腹が立った。

警戒心をかき立てらえる事例7)
ウエアが雑。ウエアの着方がヨレヨレでとても、きちんと山岳会で教育を受けた人のようには見えなかった。冬山は厳しいので、登山体系に載っているようなまともな山岳会で、1軍になるような人はいちいち細かい教育を受ける。(つまり冬山合宿に出る=名誉。これは、一般の市井の山岳会でも同じ。冬山合宿に出たら謝礼が出ました)は、だから、襟が、はだけて素肌が出ていたり、お腹がはみ出していたりすることはない。女性だったらヘルメットの中に、しっかり長い髪は仕舞っておくように厳しく教育される。ギアも同じで、キレイにラッキングされているはず。

警戒心をかき立てらえる事例8)
クライミングを開始したので、ちょっと見たら下手だった。ビックリした。

警戒心をかき立てらえる事例9)
聞いていると、どうもガイドパーティのようだった。だとすると、ガイドレシオが違反だった。

警戒心をかき立てらえる事例10)
クライミングが下手なせいで、アイスのラクが多かった。しかも、それが技術の要素だとは思っていないようだった。

警戒心をかき立てらえる事例11)
ロープが凍っていた。今回は当方のロープは凍るような日ではなかった。

警戒心をかき立てらえる事例12)
ロープが凍っているので、変だなぁと思い、その支点をみたら、支点の構築の仕方がまずく、地面を引きづっているので凍るのであった。支点の作り方、よく分かっていないようだった。

警戒心をかき立てらえる事例13)
単独のパーティの人が来た。その人に対して、配慮がなかった。

警戒心をかき立てらえる事例14)
ロープを借りたので、末端をみたら、エイトノットのバイトにしてあったが、とても雑な結びで、これでは講習会では合格が出ない結び方だった。

■ 落ち着かない

センシティブ過ぎるのは、分かっている。しかし、ここ1年こんな気持ちになったことはないほど、気持ちが湧きたち、早くその場を立ち去りたかった。

相方はのんきにリードしていたが、私の方はハラハラして、自分のリードどころではなかった。このパーティが奥のエリアに移動して、ホッとして、やっと自分のクライミングに集中できた。

一時期、山小屋にバイトしたことがある。夏山の小屋の半分以上、8割の登山者に、同じ気持ちを駆り立てられた。

山があぶないところ、という意識が欠如しているのだ。

例えば、五竜に登っているのに、槍に登った自慢話を始めたりする。山自体を見ていない。山頂で、「あなた何座目?」と聞く。なんの話か?きょとんとしてしまったが、百名山の話なのだった。つまり、危険認知は後回しで、競争しているのである。それも、まったく本質的ではないところで。

こういう人は、お化け屋敷に行くのと同じ気持ちで山に来ているので、リスクに近づいたことが自慢話になる。

例えば、ロープを出せるところで出さないクライマーは、馬鹿っぽく恥ずかしいのだが、その価値観が反対になっており、どれだけ危なかったかが自慢になる。

たしかにロープを出さない場合もある。前穂北尾根で5~6峰でロープを出すのはガイド登山だけだ。私は要らない。出すのは3峰からだ。2峰だって、コンテにするくらいなら、ノーロープで良いと思う。落ちてもコンテでは止まらないから、二人落ちるくらいなら一人で、と思う。まず2峰を歩けないようでは前穂北尾根には来ないほうが良いだろう。

が、一般登山者の”リスクに近づいた自慢話”は、これとは全く別の話だ。一か八かの自慢話となり、リスクヘッジがゼロであることが自慢になる。

リスクヘッジがゼロというのは、まったく恥ずかしいことで山やの価値観とは真っ向から正反対だ。

なので、夏山の小屋バイトはこりごりだった。

かつて危険だったことが危険でなくなって、安全にできるようになっていくのが登山だし、クライミングなのに。

同じ気持ちになったのは、ここ数年ぶりくらいだ。久しぶりに、車に乗った時、怪我なくクライミング出来て良かったな~と、ホッとしたクライミングデーだった。




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