Feb 13, 2017

湯川&神津牧場

■ 久しぶりの非日常クライミング

週末は、久しぶりに非日常のご褒美クライミング~。つまり、宴会&温泉付き。私は毎週クライミングに行くので、そうなると、ご褒美クライミングしている場合じゃない(笑)。日常なので、コスト削減がテーマだ(笑)。

今回は、初対面のY岡くんと青ちゃんとの三人に、後輩のO君が自分のパートナーを連れて参加した形。

初日は、課題が難しい湯川でムーブを意識した練習をし、翌日は、相沢大滝で、易しいが大きな氷瀑に挑戦する予定。

■ 混雑核心

実は、週末にはあまり登りたくない…のは、混雑している、から。アイスクライミングでは、混雑=リスク。なぜなら、落氷のリスクが一気に増えるからだ。

しかも、週末来る人たちは、例えば、年に一回しかアイスクライミングしません、というような人もいるので、落氷を落とすようなクライミングスタイルの人が大多数で、中にはすっごく大きな落氷を起こす人もいるのだ。他人の落ち度で怪我をするリスクが増える。

とは、いえ、今回のアイスクライミングでは、前に湯川に行った時のような、なにか胸騒ぎがするような、”経験者の指導の下に管理されていないホンモノの超初心者クライマー”は、いないようで、特に怖いと感じることはなかった。

■ 湯川

初日は湯川。湯川はもう、8回目である。あー、退屈。って具合なのだ(笑)。

私が登りたいのは、乱菊なのだが、全然凍結が悪く登れない。

相変わらずの白髪エリアへ・・・。ああ~別の課題が登りたいなぁ。白髪エリアの課題は短く、ビレイエリアが遠い。支点は遠く、支点まではプチアルパインで、ドライツーリングを経由しなくてはならない。なので、まったく初心者のリードには不向き。

≪白髪エリアの特徴≫
・短い
・難しい
・ビレイエリアが遠い
・支点が悪い

難しいから面白いのであるが。しかも、林道奥の駐車スペースから徒歩5分。

このような位置関係にあります ベテラン以外はリード不可

つまり、この上記の写真のような位置関係にある。ロープが出ている長さに注目してほしい。(ビレイヤーから一ピン目までの距離)と、(1ピン目からクライマーまでの距離)
では、どう見ても

(ビレイヤーから1ピン目までの距離)>(1ピン目からクライマーまでの距離)

である。比率で、3:1 くらいになっているのが分かるだろうか? 

例えば、9m:3mとしよう。 シングルロープでは、衝撃荷重で36%伸びると仮定しよう。

トータル12m出ているから、リードで墜落した時の伸びは、約3割と概算して、4m。しかし、最後のピンからロープが出ているハズだから、それを入れて、まだ足元くらいで落ちたとしよう。0.5m。ビレイはパツパツではないハズで、ビレイ中のたるみがあるから、0.5m。 合計5m落ちる。 登った距離が3mだから、3m-5m=-2m。 

グランド(地面への墜落)となる。

墜落を止めた経験がないビレイヤーだと、手前に引かれて踏ん張れない可能性も高い。一歩足を前に差し出しただけで、グランド(地面に墜落すること)確実である。

こういう連想は、別に詳しく計算しなくても、今落ちたらグランドだな、と、フリークライミングでも、日常的にリードクライミングを毎週、外岩や人工壁に通って、半年くらいは経過した人は分かる。

普通の人は、今落ちたらグランドするか?どうか?良く分からないのだ。

だから一般的には、山岳会など危険が分かっている人の元の指導では、人工壁で練習させ、こうしたことが分かるようになって、初めて外岩に連れて行く。

昔の教え方から脱却していない山岳会は、そういう流れになく、まったくダメな人でも、その人にビレイさせなければいい、とか、トップロープだからいいや、と連れて行ってしまう。

連れて行かれた人が気が利いた人なら、そういう機会に、ビレイヤーとしての責任の重さを理解し、”しっかりビレイをマスターしなきゃ!!”と思うものだが、一般に登っていることが楽しいだけだ。結局、機会を与えようという先輩の気持ちは通じず、全然ビレイはお留守のまま、クライミングだけが高度化していく。

こうして、”登れるがビレイがダメ”、という”登れるお粗末クライマー”が出来て行くのだろうな~。残念な経緯である。

正しい経緯は、「登りたかったら、ビレイをマスターしてね♪」ってのが正しい流れである。

■ ダブルのロープでシングルストランドでリード?

後輩のO君が、ダブルロープ買いました♪と言ってくれ、とっても嬉しかった。のだが、今回の湯川は、悲しきかな、ゲレンデではシングルが基本なのである。ダブルは本チャンで使う。本チャンは基本落ちないのだ。

つまり、ゲレンデでは伸びないロープが欲しい。ここは、トップロープ限定エリアだからである。

私は、ここの一番易しい課題とその次くらいは別段リードに問題ないスキルを既にもっている。

が、だからとって、ダブルのロープでシングルストランドでリードするような馬鹿なことはしない。

ダブルのロープは、細いので、ロープの伸びが大きいのである。ちなみに私の持って行ったシングルロープ9.4mの伸び率は静荷重6% 衝撃荷重36%である。

彼のダブルの伸び率が何%なのかは知らないが、私のダブルは、静荷重7%、衝撃荷重36%で、静荷重でもシングルより伸びる。

シングルでも落ちれないのに、ダブルだとなおさら落ちれないだけでなく、ダブルは、2本引きながら登るもの。ピンAに右を掛けたら、ピンBに左をかける、という登り方をして、屈曲しているルートに対応する。

湯川の課題は、そもそも、そんな登り方は必要ない。湯川の課題ではなくても、アイスでは、ほぼまっすぐに上がるのが普通。よほど、易しいラインだけを狙うというのなら、ダブルで振り分けながら登っても良いが、それはクライマー次第な話だ。

ダブルのロープをシングルで使って、一本だけでリードするなんて、アリエナイ、と異議申し立てをしたら、半分で折って中間者ノットで、カラビナでアンザイレンし、ダブル仕様にして登れ、と言う…

リードなのに、カラビナでアンザイレンなんてない。リードではエイトノットでしょう。しかも、中間者結びは、ノットの締りが悪いシープシャンク。しまりが悪い=落ちたら伸びる。

しかも、ツインのように一つの中間支点に、2本とも掛けたら、という。1本だけをカラビナに掛ける場合と、ツインのように2本とも一遍に中間支点に掛ける場合が混在することは、教科書的にNGである、とされている。もし、山岳会でそのような登り方をしている写真がアップされていたら、あールール違反してる、と誰もが思う。

私は個のロープ構成では、ダブルではなく、ツインで登るのが一番安全だと思い、そうしようとしたら、全部ツインで掛けるのはダメだと言う。

だとしたら、ダブル、ツインの混在はなぜいいのか?不明だ。

なんで、初めてのリードなのに、そのような変則的な登り方をしないといけないのか?

しかも、リスクは、ノーマルスタイルのリードより増えている。

通常、リードは自分のロープでするものだ。

結局、リードは取りやめた。「自分のロープでリードします」と言った。

オーソドックスな登り方以外を試すのは、ベテランの領域の人がやるべきことで、初心者がやるべきリードスタイルとは思えない。

パートナーに嫌われようが何しようが、自分の命は自分で守るものである。

≪まとめ≫
・湯川白髪エリアは初心者のリードには向かない
・登攀技術の練習向き
・リードは自分のロープでするもの
・ビレイヤーはクライマーが選ぶもの
・ツイン使用とダブル使用の混在はNG
・リードではアンザイレンはエイトノットで
・山は自己責任

■ 神津牧場

翌日は相沢の予定で、7時出発8時には登山口に到着したが、すでに登山口の駐車エリアは満杯だったため、神津牧場に転進した。
神津牧場も満員御礼。20人以上の大混雑したクライミングデーだった。
そのため、2人パーティ+5人パーティだったというのもあるが、一人3本くらいしか登れず、多少、消化不良。
右のライン、中央の氷柱を登った。
一緒に行ったY岡君の顔の広さにビックリ、みな知り合いのようだった。となりも山岳会の人で、みなで和気あいあいモードだったのが、とても良かった♪

山岳会のベテランさんたちは、好きだ。みな、何をどうすればいいのか分かっているから。一緒にいて、とても安心感がある。

私自身もまだ知らないことが多く、リスクには敏感なほうだが、それでも、気が付いていないリスクがいっぱいあることを自覚している。たとえば、膝や腰ラッセルしていても、そこで雪崩の可能性があるとは感じない。なので、自分よりも、より良くリスクが分かっている人がその場にいるだけで、うれしい。

中央の氷柱は、氷の状態が悪く、6級+であったが、すでにアックスがフッキングでき、足場も、皆が登った後で、ムーブは決まった動作になってしまっており、リードが怖い以外は易しい6級。特に問題なく登れた。
リードは、プロテクションが悪く、ベテラン以外は、禁止の領域。

左のラインは、むりやりドライにしない限り易しい階段状の4級-。三級とさえいえそうなくらい、簡単。私は、きちんとしたビレイヤーさえいれば、普通にリードできそうだった。氷も特に悪いとは考えられなかった。

この日は、非常に天気がよかった。帰りは、ちょっと日焼けしたようだった。

■ オマケ

初日は、灯明の湯(800円)、翌日は荒船の湯(600円)に入り、甲府帰着は19:30.

結論: 楽しく、ご褒美クライミング♪

失敗:ロープの知識を与え損ねたこと
感動:だいぶ自分が上達したこと
目標: 難しいドライツーリングに移行する(トップロープ課題)


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