Mar 6, 2017

Will様の本とロクスノ074号

■ Will様の本

ドライが核心と分かり、アイスの神様?Will様の本をゲットした。

行きの飛行機の中で読破。夢中になって読んで、あっという間に読み終わってしまった。こういう時は、ホント、英語ができて良かったな~と思う。知りたいことがすぐ分かるって、快感だからだ。語学は自分の楽しみのために使うべし。(人のために使っても、何も楽しいことはないノダ。笑)

ドライについて知りたくて買ったけれど、アイスクライミングの基本的なことが書いてあった。なんだ、この本に書いてあったのかぁ…。しかし、この本も、2003年の本なので、すでに14年も前の本である(汗)。

これまで、アイスクライミングのガイド本は、ヒロケンさんの『チャレンジ!アイスクライミング』が、ガイド本定番で、今年、新しいガイドブックが出たところ。

私は、あとは、シュイナードの『アイスクライミング』を先輩が貸してくれて、読んだくらい。シュイナードの本は、現実離れを感じるくらい、内容が古かった。

Will様の本も内容的には古いのかもしれないが、本当に基礎的なことが網羅してあり、好感をもった。

■ドライの特集

…が、たまたま教えてもらったロクスノ074号に、最新のドライの事情が書いてあった(ホッ)。

ドライについては、全く色々知らないことだらけだ。コンペに出ようと思ったのは、まったくの偶然で、今年のアイス三昧の総括になるかなと思ったのだった。

アックスも違うし、靴も違うし、もうまったくアイスクライミングとは別分野な様相

アックスはアイス用よりもドライ用のほうが前傾壁に合せて、カーブがきつく、刃の厚みも厚い。アイス用は刺さりやすいように薄く研ぐということもあるが。

靴は靴で、ドライでは一体型みたいだ。

         アイス ドライ

アックス     薄い   厚い
アイゼン     冬靴に着ける 一体型

昔は、ドライのことを、Mテクと言ったのだそうだ。MテクのMは、ミックスのMだろう。

私は、ドライをして、アイスではクライミングでギリギリになって落ちると言うことはないのを理解した。氷そのものが崩壊するリスクがアイスの基本的なリスクで、ギリギリの登攀で落ちる、というリスクは、熟練したらあるはずがない。パンプしたらアックステンションがあるのだし。

■ グレード

Will Gaddの本では、グレードが紹介されている。グレードのつけ方を見ても、アイスでは氷の質の悪さが核心と分かる。初心者はWI3級をリード、Ⅳ級リードが中級者への登竜門となっているそうだ。Ⅳ級がリードできれば、行けるところの幅が大きく広がる。

WI 1: 硬く、厚い、角度の寝た氷。アックス1本、10本爪アイゼンで登れるレベル

WI 2: 一番事故が多いグレード。初心者にはロープ必須。傾斜は寝ているが長い。

IW 3 : テクニカルアイスの1歩目。ロープが必要。短いバーチカル、もしくは長い60度程度の傾斜。

WI 4: 短いバーチカル、または長い75~80度の氷。ほとんどの初心者はトップロープで問題なく登れるが、リードは容易ではない。

WI 5: 長いが固く氷質の良いバーチカルか、短くても氷質の悪いバーチカル。敗退は可能だが、良いスクリューを打つのは難しく、ビレイも難しい。

WI 6: オーバーハングしたクラゲをプアなギアで登ったり、薄いバーチカルアイスなど、リードクライマーを恐怖に陥れる要素がある氷。経験を積んで、肉体的に最高の状態にあるクライマーのみがリード可能。クライマーによっては敗退を選ぶ。おおよそ、5.9から、5.10Aくらいの岩をプアなギアで登ることに匹敵する。

WI 7:半分伝説のようなグレード。WI6の再登であることが多い。

WI 8 : 数回、報告があるのみ。誰も登っていない氷で、WI7の上である氷。非常に悪い氷。プロテクションの良いM8と同等。

ミックスのグレード
M5: WI5と同じ。
M6: WI6と同等。プロテクションが良く楽しいもの。
M7: 5.9-5.10
M8: 難しい5.10か、易しい5.11
M9: 難しい5.11か、易しい5.12
M10: 5.12代の中ごろ
M11: 難しい5.12
M12: 5.13 ギアや条件による

…と、なる。

え?というのは、M7で、5.9ってところ。とすると、M5は、5.7で、M6は、5.8.

5.7だとすると、岩では初心者のスタートレベルだ。 つまり、WI5でやっと5.7ということは、WI4だと5.6とか、そう言うレベルだ。全然、対角線バランス、2点支持など、クライミングスキルは要らない。

もちろん、アイスではアックスで登るので、どうしても傾斜が大きく感じられがちだが。

基本的にアイスの難易度は、氷の質=プロテクションの悪さ、で決まっているらしいのが、なんともなぁ。プアプロテクションというのは、命がけ率が高まるという意味なので。

色々、勉強になる本です。

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