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Feb 17, 2017

プロテクションが悪ければ、やめる判断も必要

■ 心理が邪魔をする

アイスクライミングは墜落時に大事故につながることが多い。

しかし、事故の内容がきちんと正確に伝えられることは少ない。

リードでは、プロテクション(氷)が悪ければ、辞める判断(敗退)も必要だ。

アイスクライミングのリードは、プロテクション、氷の読みが核心である。

アイスクライミングの事故は多い。多くは、墜落して、氷が崩壊して、プロテクションが抜け落ちたという事故である。

特に若いクライマーは、アックステンションという技術を知らないため、パンプしてしまうと、落ちる以外どうしようもなくなる。

落ちてしまえば、プロテクションに大きな力がかかる。そうなると、大きな事故につながる。

最近、私の周りでも、一人が落ちて肩を痛め、グランド。別の機会だが、ビレイしていたほうもアイスで落ちたのだそうだ。

■ アックステンション

私のブログは人気があるが、なぜか、きちんと技術を説明している記事には、読者数が伸びない。

アックステンションは、リードデビューする前に、必ずマスターしておくことが必要な技術だ。

アイスの難易度はパンプとの戦いで決まることが多い。

・長い=パンプする

・傾斜がきつい=パンプする

・氷が固い=パンプする

■ プロテクションが悪ければ…

もっとも悪いパターンは、

プロテクションがイマイチでも、

「登れそう」

と思ったら、突っ込んでしまうということだ。

その場合は、敗退しなくてはならない。

敗退に必要なのは、落ち着いて、アックステンションし、アバラコフを設置し、残置のスリングを入れて、懸垂で降りる、という技だ。

■ 登れるか、登れないか?

登れるか?登れないか?の判断を含めて、クライマーの実力だ。

・判断が強気

 かつ

・敗退の技術がない

と、必ず、最終的にはパンプして、墜落しなくてはならない。

その時にプロテクションが外れたり、氷が崩壊してしまうとグランドする、ということになる。

落ちるくらいなら、テンションを掛けなくてはならない。




Feb 14, 2017

上達の原因

■クラックがキッカケ

私はアイス、急に上達したのだが、上達のきっかけは、クラックのリードだと思う。

言うまでもないが、クラックのリードは、落ちれない。落ちれないので、どうするか?落ちないような登りをする。いちいち、レストしながら先を読む。

■ 氷との対話

つまり、いちいち、登る先、アックスを差す先、を選びながら登る。そして、アックスが効いていたら登り、効いていなかったら、登らないで、アックスをバチ効きになるまで、打ち込み続ける。

それは、どういう感じか?と言うと、氷と対話している感じ。

それまでもアイスは、比較的上手に登っていた。不安定な登りを見せたことはあんまりないと思う。山初心者だったころの師匠は、最初からリードさせるタイプの人だったから、広河原沢左俣へ行った時は、フリーソロで抜けたところもあった。今でもルートでは、あんまりリードに困難を感じない。

それは、やはり基本的に傾斜の差だ。寝ている滝は、氷の面が平坦で、スクリューを入れる先も読みやすいが、デコボコしたウロコのような、傾斜の立った場所では、いくら階段状になっていても、スクリューを入れるだけで、腕力が、特に左手の腕力が浪費される。

■ ゲレンデ

いわゆるゲレンデのアイスは、ルートのアイスに比べて、非常に難しいと思う。

スクリューが足りなくなって、下から上げてもらっている青ちゃん
先日、青ちゃんが神津牧場で、悪い氷にしびれていた… 神津牧場は、私が何回も提案したのに、「え~簡単だからヤダ」と言われて却下されていたところ。それくらい舐めていた氷瀑で、ベテランがしびれているのである。

下りてきたら、「6級+やな~」「危険グレード入れて6級+」とか言いながら降りてきた。スクリューは例の二本打ちである。つまりプロテクションが悪い。がムーブは簡単。

スクリューは、7本。25mしかないのに。55mの相沢大氷柱を登ったのと同じだ。

したがって、アイスの核心はやっぱりスクリュー設置のプロテクション。これはクラックと同じだ。

そこをマスターせずにリードで取りつくということ自体が、恐怖心を起こさせるだろう。

■ 手自由、足自由課題

アイスは、基本、ジムクライミングに例えれば、手自由、足自由の課題みたいなもの。リーチの問題がほぼない。

届かなければ、細かく足を拾えば良く、足がなくても、アイゼンなので、無理やり上がることができる。

なので、純粋に自分の登りに徹することができる。そこが楽しさの秘訣だ。

自分の体の範囲一杯で楽しく登れる。

が、一方で、不思議なことに、なぜか使うところは、皆同じである。これは不思議なことに、体格が異なっても、同じような所を使う。不思議なものだ。

だから、まっさらなアイスの状態ではなく、2回目3回目に登るとそのルートは段々易しくなっている。

先日の神津牧場など、その例で、氷柱6級のところも、これ以上ないくらいフッキングが用意されていて、アックスの打ち込み不要になっていた…。

要するにムーブの習得と言うのは、そう難しいことではない、ということだ。ジムで、自分が登れる課題を、
 
 ・全部、側体
 ・全部、正体

の両方で登ってみたら良いと思う。アイスでは、

 ・対角線バランス
 ・二等辺三角形

以外出てこないからだ。後出てくるとしたらフラッギングで、フラッギングは手と足が同じになってしまった場合に使う。

ヒールフックは出てくるが、ヒールを使うと簡単になりすぎて、ヒールフック用にとんがりがついているアイゼンが販売されなくなったほどなのだそうなのだ。使うと易しくなるらしい。

■ 持久戦

アイスは基本的には持久戦で、持久力を奪うもの=パンプ。

パンプする原因を考えてみる…

・ムーブが悪いと、パワーを浪費してパンプする。=入門者

・氷をたたきすぎると、パワーを浪費してパンプする。=初級者

・レストしないと、パワー切れが早く来てパンプする。=中級者

・凍傷になるくらい寒いと、感覚が無くなり、パンプかどうかも分からなくなる。=全員

・・・・というわけで、そう言うことになる前に何とかしないといけない。

・ロープにテンションする以外、何とかする技術がない人 =入門者・初心者

・パワーで切り抜けられる人、フリーで切り抜けられる人 =成長中の人

・最初からパンプしないようにレスト多用して登る人 = 思慮深い人

・アックステンションで切り抜けられる人 = 技術がある人

・ドカ墜ちする人 = アイスクライミングのリスクが分かっていない人

かもしれない。 

青ちゃんも、取り付いた後で、手袋を濡らして、アックステンションで長い間ぶら下がって、手を温めてから登っていたことがあった。

それが初心者ならどうするのだろうか?アックステンションして、手を温めるということは、今の時代のフリーで抜けるべし!という思想で育った人はまったく思いもよらないことなのではないだろうか?

■ 寝ているアイスから立っているアイスへの移行

初心者のリード練習は、60~70度の傾斜の寝たところでするのが常套手段だ。私はそこはもうできる。

そこから、相沢の4級-へのリードへの移行は、垂直への移行で、非常に大きなグレードアップだ。しかも、長い。

グレードを上げるときには、他の場合よりも、さらに細心の注意が必要だと言われている。

どういう準備をしたらいいのだろうか?というのが次なる問いだが、

リードに必要な条件のうち、守りの技術

1)レスト
2)アックステンション
3)スクリューを打つ体制の安定
4)敗退 (スクリューを2本打って降りてくる)

は、もう少し練習が必要だと思える。

短い課題を登っていても、レストは身につかないかもしれない・・・。なにしろ、短ければ、レストする必要がない。

さらには、登るべき環境は、もっと重要かもしれない。

アイスは決して落ちれないとはいえ、仮に落ちたときに重大な事故になると、分かっている湯川のような、落ちれないところでは、やはり、そのグレードでのリードが初めての人は登るべきではないだろ
う。

保険がない。リスクヘッジがないからだ。

ビレイヤーも、確実に止めてもらえる信頼がおける人材が必要だろう。

・安定したムーブ 
・危険な場所で落ちそうなら、諦めていいや~という割り切り (湯川のリード)
・ランナウトしていなければ、落ちても大丈夫という確信 (相沢大氷柱)
・信頼できるビレイヤー
・落ちる経験、落ちても大丈夫だった経験 (人工壁)

こういうことを一つずつ、つぶしていく活動が、「リード道」で、リード道を歩んでいる者同士だと分かり合える。

そうでない場合は、なんらかの違和感が残る様な気がする。

初心者同士で行くアイス

■ 初心者からのステップアップの方法

私は、南沢小滝は1回連れて行ってもらったら、その次からは、自分のリーダーシップで人を連れて出かけた。

余談だが、三つ峠も一回連れて行ってもらったら、次からは自分がリードで登った。人工壁も5.8しか登れなくても、リード練習。たぶん、そのおかげでビレイが上手なんだろうと思う。リードは何のためかというと、クライミングをよく知るためで、リードするクライマーの気持ちが分かるためにリードする。そうでないと、ただ持っているだけのビレイになる。

閑話休題。

南沢小滝は便利な場所だ。

大体、アイスの成長プロセスで、

1年目: 金ヶ窪沢 2回
     南沢小滝・大滝 4回

と 同じところにばっかり行っていた。小滝はリードしなくても、裏からトップロープが張れる。

初心者同士で組んでいる場合、そういう場所を見つけておくのが大事なことだ。

去年は、後輩君が、もう一人連れてきたので、南沢小滝に連れて行った。トップロープ支点のところまで、二人ともを連れていき、支点の構築から教えて、懸垂で降りて、クライミング練習した。

実は、これは出血大サービスであり、支点の場所や作り方を教えてくれるベテランは、非常に少ない。というか皆無である。

私も教わったことがない。教えてもらうことができないので、

・技術書を読み漁って勉強した。
・ガイド講習に出たときはガイドさんが作った支点の写真を撮ってきた。

こうしたことは、教えてください、言えば大抵の人が教えてくれるものだ。

支点はこっそり盗むもの。おそらく、意識的・顕在的に教えないと、普通の人は、どうしていいか?分からないだろう…

■ 良きパートナーとは 

良きパートナーとは誰の事だろうか?

1)ビレイが確実である人 

リードのビレイが確実なことは、連れて行ってもらうつもりなら、責任である。まだ組んだことがない場合は、歩いてトップロープが張れるゲレンデ、もしくは人工壁に行く。

2)安心な人

単独で行くより、二人で行った方が、むしろ危険に晒されてしまうようでは。一緒にいることで、より安心が増える関係にないといけない。

3)交通費を折半できる人

前回、乗鞍の善五郎に行った時は、佐久周りで行ったため、甲府から参加する私にとっては、遠回りになり、交通費はむしろ、増えてしまった。翌日も同じで美濃戸口の滝に行って佐久周りで帰らないといけないので八ヶ岳一周…。

出発点が同じ人だと、交通費が割り勘にできるので、いいのである。年に一回のアイスクライミングではなく、頻繁に行くようになると、交通費の負担は馬鹿にできないため、交通費が折半できる人は、それだけで価値がある(笑)。

■ ステップアップ

大体、初心者は同じようなステップを経由する。

1年目の人は、2年目の人に連れて行ってもらえばいいし、2年目の人は3年目の人に連れて行ってもらえば良い。

■ スクリュー数が目安になる?

大体の目安は、スクリューの数、かもしれない。

初年度  ギアで一杯一杯 1本? 
2年目  スクリュー2~3本
3年目  スクリュー4~5本
4年目  スクリュー6~7本

大体、成長段階にしたがって、必要となるスクリュー数も多くなる。もちろん、成長のスピードは、それぞれである。ずっと2年目あたりにとどまる人も多いだろう。

1本: フラれ止め程度
2~3本: 5~6m までの滝 
4~5本: 南沢小滝程度
6~7本: 南沢大滝チャレンジ
10本以上: 相沢大氷柱など、大物へのチャレンジ可能な人








Jan 29, 2017

左手の腕力をセーブするためのスワップハンドテクニック



右手の時は、左の腰を入れる。

手が疲れたら、スワップハンドをする。

スワップハンドは、トラバースにも便利。

Jan 22, 2017

アイスクライミングのこと

クライミングのことについて、考えている。

アイスでは、最初から、岩と違って登れる。

・・・ということは、フットホールドやハンドホールドを限定されない、自由なクライミングなら登れる可能性が高いということかもしれない。

アイスにはリーチの問題と指力の問題がない。クラックもそうで、あんまりリーチが関係ない。

ラオスでは登れた。ということは、プロテクションが近ければ登れる。

私の恐怖の元は、届かない、という点にある。

届くか届かないか?というのは、コントロールの範疇外だ。

日本の岩場は特殊で、易しい課題はランナウトしている。

変に肝試し大会みたいになっている。特にリーチがない人には、強烈な肝試し大会になっている。

■ ビレイヤー

ビレイヤー依存のクライマーになってはいけない。

だが、普通にビレイもできないビレイヤーとは登るべきではない。

クライミングには個性があり、その個性を分かってくれている固定パートナーと登るべきだ。体重の差も慣れが必要だ。

アイスは、師匠とだけ登っていた。アイスでは特にビレイが重要だ。ある程度はだらりんになるのが許容されるからだ。

師匠の鈴木さんのビレイは信頼していた。ふところで弛んでいても、あまり怖がらずに登っていた。

それは相手が、ビレイの何が要諦か分かっている人だったからだ。鈴木さんが連れてきた他のお弟子さんのビレイも信頼して登った。

が、自分の会の人のビレイは全くダメだった。この写真のビレイを見て怖くなり、一緒に行くのを辞めた。

このビレイをしている時、私は危険を指摘し、隣のパーティの人も、その危険に同意したが、ビレイヤーは治す気がゼロで聞く耳を持たなかった。それだけではなく、その場に先輩格の人もいたが、まったくシカトだった。つまり、危険だと分かっていても直さない、という意味だ。
超だらりん指摘しても直さない

ビレイは、問題意識の問題だ。”考えないで持っているだけでいい”、と教えていた。その教え方では怖くて、誰のビレイでも登れない。というか、そう教えられている人のビレイで登るべきではない。

一般にアルパインに行く会では、ビレイは毎週の人工壁でマスターする。皆、1か月から半年くらいで重要ポイントはマスターしていたた。今の人は人工壁でバンバン落ちてビレイを覚える。毎週クライミングに来る人は大丈夫。

だが、その会では、”岩トレ”は、年に1回のイベント。リード壁をせず、ボルダリング壁だけ。これではリードできるようなまともなビレイヤーが育つはずがない。 

■ 強みを生かす

結局、アイスは私の強みを生かせるのだろう。リーチと指力が要らない。

ただし、前腕の腕力が切れる、というのが、私が大きな滝を怖いと感じる理由になっている。

今年初の南沢大滝では、怖さは全く感じなかった。前腕の腕力、ラクラクだったから。

2回目は、怖かった。理由は、強いクライマーでもパンプしてしまって、腕力切れになったから。

私も手が凍傷間際で、血が戻ってきたら、痛い・・・ヤバかった。

■ 傾向と対策

腕力の不安を解決する方法は二つしかない。

 1、腕力をつける、
 2、アックステンション

男性はフリーにこだわる。1がいいと思う。が女性は、どう頑張っても腕力の限界がある。

私は、2をマスターした後に、1へ進むべきだと思う。

初年度は大滝はワンテンションでしか登れなかった。今は、まったくテンションの必要は感じない。