昨日は宴会後の、金ヶ窪沢アイスクライミング。
毎年新年会は、恒例のアイスクライミングとなっている。今年は例年通り、新年会前でなく、新年会後に開催となった。
じゃーん!と富士山。沢から登れば、景色も格別? |
が、今回は参加者3名。そりゃそうだ・・・宴会の後に、酔拳で登る気には、なかなかなれない。致し方なし・・・。それで朝の集合も遅くしておいた。朝9時登山口。 大体3人しかクライマーがいないのだから、順番がすぐ来てしまうってわけだ。
しかも!昨日は大晴天が予想された。
「こんな晴れの日に、なんでまた、薄暗い沢で、しんみりアイス???」
というわけで、一同藪山を目指・・・そうかとしたが、やはり新年会明けに計画急変、朝7時集合は、早起きというハードルが高すぎる。提案は、雁ヶ腹摺山。でも、前日だと地図を印刷できない・・・(汗)。
こういう時のためにネタを懐に貯めておかないといけないのだ。近所で、ラッセルありで地図読みアリで、3~4時間の山が良い。
急な変更は失敗の始まり。当初の計画通りの朝9時集合で三つ峠へ向かった。
反省その① ネタを日ごろからためておくこと。
■ 激混み
当日は、金ヶ窪沢に到着すると、激混み。
あーあ。その時点で、今日はもうリード練習ってのはないな~と思った。 一応、リード用の装備は用意して行ったが使わなかった。ヌンチャクが無駄に重い。
しかし、これは予想できることだったので、計画でも、リードフォローでトップアウトし、金ヶ窪沢を詰めて山頂、だった。単純にリードフォローの回数が減っただけ。ワンピッチ。今回はリードなし。
実は去年、少し沢を遡行してみている。当時、私は単純に小さい滝が出てきて、もう一回くらい登れないかな~?と思っただけなんだった。
小滝が連続するようなところは、つるべの練習に非常に都合が良いからだ。しかし、上部は単純に緩やかな沢だった。どうも金ヶ窪沢は、上ではなく、下部のほうがアイスになるらしい。
アイスにしろ沢にしろ、なぜルートが好きなのか?と言うと”歩く、歩く、歩く、登る”という歩き主体に登りが入るリズムが、初心者向きだからだ。
岩のマルチピッチだと”登る、登る、登る、ビレイポイント”というリズムになり、緊張を解く箇所がビレイポイントしかない。しかもビレイポイントでは、支点をしっかり作れるかどうか?に、緊張を解いて良いか悪いか?が、かかっている。そのため、緊張を解けるかどうかは支点制作能力に依存してしまう。支点が上手かどうかはクライミングが上手かどうかとは全く関係がない。
そういうわけで、歩きとクライミングのミックスルートが今のレベルにかなっている。だから、そういうルートが楽しいわけだ。
■ 異議なし
今回はルート的な沢ではないし、結構水流があったので、靴を濡らすのを嫌い、早めに尾根に上がった。広い尾根だった。
先輩たち二人は、誰も異議なし。 こういう意思決定がスムーズなのがうれしい。とりあえず、
核心が何か?
この山行で何を得たいのか?
その辺が共通理解だということが実感できる。今日は、晴れているんだから当然尾根でしょ、ってわけだ。
実際このような景色が見れた。
■ 広い尾根は惑わされやすい
明るく広い尾根は、晴天のこともあって気分が良い。しかし、
広い尾根=ルートファインディングしづらい尾根。
こういう広い尾根は、ここを歩いてくださいという明瞭さがなく、なんとなく誘われ感がない。だらだらしている。
滝は雪で埋まっていたのに、尾根は雪が少なすぎて歩きづらい。アイゼンを外したら、雪の下の、落ち葉の下で、凍っており滑る。滝より滑るなぁ。
尾根では沢地形をにらみながら登るように、と教わった。できるだけ、隣の谷地形が確認できる位置から離れないように上がる。
御巣鷹山と三ッ峠山の間くらいに出るつもりだったが、御巣鷹山の西尾根だったので、清八峠方面からの縦走路に出た。
■ レイヤリング
ハイクアップは、汗が吹き出し暑い。今日は終日アイス、と思ってしまっていたので、寒い沢に対応した、ほかほか系レイヤリングにしてしまったためだ。
先輩はいつも同じウエアリングだ。らくだの下着、山シャツ、フリース、シェル、だそうだ。ラクダか~。
わたしは縦走ではウールの下着は持って歩くけど着ない。着ないと言うより、暑くて着れない。今日もモンベルのウールの下着にパタゴニアのR2で暑かった・・・。ウールの下着はアンダーだから脱げない・・・(汗) 大体夏の化繊の下着を縦走では着ている。家に帰ったらザックの背面パッドが汗でぬれていた。
≪ホカホカ系レイヤリング≫
ウールアンダー
R2(気温により、ロングスリーブかベスト)
ソフトシェル
ダウンセーター(ビレイ中)
≪汗かき仕様レイヤリング≫
夏用アンダー (下にさらにファイントラックのドライレイヤー)
R1
ソフトシェル
ダウン
レインウェア
縦走路から先は一人分のトレースがあった。予想より長くコースを上がることになったが、トレースのおかげでスピードアップ。
御巣鷹山、三つ峠山と縦走。大快晴で、遠く北アルプスまで見通せる大展望の日だった。
終日アイスの日にしなくて正解だった。三つ峠山荘へ抜けて普段の北口登山道で下山して14時。
新年会後の二日酔いの日にはちょうど良い酔い覚まし山行ということで終了した。帰宅したら、まだ15時半だった。
■ 標高差感覚
だらだらした広い尾根 |
尾根が広くてだらだらしていると、なんだかピークが一生来ないようでめんどくさくなる。
チョキへ行った山行でも途中で、だらだらが嫌になり、巻こうとしたのだ。 だらだらした広い尾根は、ランチ休憩や昼寝には最適だけど、登るとなると魅力がない。
しかし、巻こうとするのは良くない、ということは分かった。 我慢して登るべし。
そういう意味では、岩尾根は登路として迷いがなくはっきりしていて、登りやすい。沢も同様だ。困難な個所が出ては来るが、進むべき方角ははっきりしている。登路としての明確さ、という意味では明瞭だ。
つまり広い尾根のリスクは、
- どこでも歩けるためルート維持が困難なこと、
- 明瞭さがなく飽きること、
だ。人生と同じで、誰でも登れる易しい道は、だれやすいってワケだ。
■次は沢
私は尾根なら、もう一般縦走路中の尾根なら、どれでも歩けるスキルがある。なので、次は沢地形をマスターしたい。
岩の技術は、自然地形に当てはめると、尾根ではなく、沢ではなく、壁だ。フェイス、壁は登路しては不明瞭で、とにかく難しい。
壁は難しいため、ゲレンデがたくさん用意されている。凸である尾根にも、凹である沢にもゲレンデなんてない。それだけ壁が難しいってことだろう。だから壁はしばらくお預けだ、岩の練習はゲレンデが担当することになる。
クライミングはクライミングばっかりしていると、歩きに弱くなるという欠点がある。昨日は先輩たちのザックがずっしり重くて、感心した。 トレーニングの山だった。
■ アイスのリスク管理
その① 混雑リスク
昨日は大混雑で、登れる下部のアイスはスダレだった。そこは見るからに初心者の人が、あぶなっかしいローワーダウンをしてもらっていた。ローワーダウンの姿勢を見ると、あんまり慣れていない人だとすぐわかった。こういう時はあまり登ることに執着しないのが安全管理だと思った。
その② 落下物リスク
上手な人は氷をあまり落とさないが、初心者はアックスをたたきすぎて、よく氷を落とす。それだけでなく、アックスを落としたりもする。アックスを落とすと、下の人に凶器となる。アックスまで行かなくても、滝では色々なものが落ちてくる。人が多いと雑談が増え、落ちてくるものに気が回らないこともある。それこそ、ローワーダウンで出しすぎて、人が落ちてきたりもするのだ。
その③ 落氷にバイザーつきヘルメット
皆に、バイザーつきヘルメットを褒められた。すでに落氷で顔を切った人がいた。アイスの落氷は、避けられないものなので、バイザーは嫌でも必要だ。
ペツルからバイザーつきヘルメットが出ている。買った当時も高かったが、顔の怪我には代えられない。当時の記事はこちら。
私はまだアイス2年目で、顔にけがした人を3人見ている。去年は落氷を肩に受けて、自分もあざができた。
■ 気が付いたこと
その① ビレイ
先輩のロープの送り出しは無駄がない。引かれたら出す。弛みがない。ロープには、どこにもだらりん部分がなかった。
私も先輩も、ロープがすぐ出るように、登り出し前に、登るほうが上になるようにロープをほぐした。リードのビレイはすぐ出せるのが大事。
その② オーダー
やっとこさロープが一杯になった。しかし、どっちのロープを引くか先に打ち合わせしなかった。どちらが登るのか、ロープの引きからは判別できない。
オーダーは基本的に、セカンドが一番弱い人だ。だが、最近の人は歩ける人でも、オーダーについて知らない人が多い。
ので、その辺ははっきりしておいた方が良いかもしれない。私は誰に聞いたのだろう?本で読んだか、師匠に指示されたか?だ。
登る前の打ち合わせは大事だ。
その③ 回収
ギアの回収は結局セカンドがしてしまった。 このルートは寝ていたし、振られるところがなかったので、サードに支点を付け替える必要は見いだせなかったからだ。
それならば、回収した方が登りやすいと判断した。ロープがところどころ交差していたからだ。
が、そうすると、オーダーでは2番が下手くその定位置だが、へたくそが回収を頑張ることになる。
今回はラクラクアイスだったから、問題ないが、ギリギリ系アイスでもそうなのだろうか?(ま、ギリギリ系アイスは当分行かないけど)
登山道で人相の悪いカモシカ君に会った。
いつもカモシカ君は一人だ。夜はどこで寝ているのだろう?
その② 落下物リスク
上手な人は氷をあまり落とさないが、初心者はアックスをたたきすぎて、よく氷を落とす。それだけでなく、アックスを落としたりもする。アックスを落とすと、下の人に凶器となる。アックスまで行かなくても、滝では色々なものが落ちてくる。人が多いと雑談が増え、落ちてくるものに気が回らないこともある。それこそ、ローワーダウンで出しすぎて、人が落ちてきたりもするのだ。
その③ 落氷にバイザーつきヘルメット
皆に、バイザーつきヘルメットを褒められた。すでに落氷で顔を切った人がいた。アイスの落氷は、避けられないものなので、バイザーは嫌でも必要だ。
ペツルからバイザーつきヘルメットが出ている。買った当時も高かったが、顔の怪我には代えられない。当時の記事はこちら。
私はまだアイス2年目で、顔にけがした人を3人見ている。去年は落氷を肩に受けて、自分もあざができた。
■ 気が付いたこと
その① ビレイ
先輩のロープの送り出しは無駄がない。引かれたら出す。弛みがない。ロープには、どこにもだらりん部分がなかった。
私も先輩も、ロープがすぐ出るように、登り出し前に、登るほうが上になるようにロープをほぐした。リードのビレイはすぐ出せるのが大事。
その② オーダー
やっとこさロープが一杯になった。しかし、どっちのロープを引くか先に打ち合わせしなかった。どちらが登るのか、ロープの引きからは判別できない。
オーダーは基本的に、セカンドが一番弱い人だ。だが、最近の人は歩ける人でも、オーダーについて知らない人が多い。
ので、その辺ははっきりしておいた方が良いかもしれない。私は誰に聞いたのだろう?本で読んだか、師匠に指示されたか?だ。
登る前の打ち合わせは大事だ。
その③ 回収
ギアの回収は結局セカンドがしてしまった。 このルートは寝ていたし、振られるところがなかったので、サードに支点を付け替える必要は見いだせなかったからだ。
それならば、回収した方が登りやすいと判断した。ロープがところどころ交差していたからだ。
が、そうすると、オーダーでは2番が下手くその定位置だが、へたくそが回収を頑張ることになる。
今回はラクラクアイスだったから、問題ないが、ギリギリ系アイスでもそうなのだろうか?(ま、ギリギリ系アイスは当分行かないけど)
登山道で人相の悪いカモシカ君に会った。
いつもカモシカ君は一人だ。夜はどこで寝ているのだろう?
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