Jan 28, 2015

金峰山 金石沢 F1

■ 師匠おでまし

今日は師匠と金石沢F1へアイスクライミングに行っていました。リード練習です。

師匠には、「あの~、アイス、リード練習したいんですが、ガイドに頼むとコレコレかかるし、会には先輩も忙しそうで練習頼みにくいし、小屋泊一泊分くらい持ちますんで、いっちょ、お願いできないですかね~」な感じで、お願いしていました。

なにしろ、去年は、私にとってはアイスクライミング初年度。

”とてもとても、わたくしめなんぞ、リードなんてできるレベルじゃありません(涙)”
という段階なのに、

「さ~、リードするんだ!リードしろ~!!」

と、リード強制オーラ全開だったわけですから、立場逆転です。弟子の成長に、もろ手で喜んでくれると思いきや・・・返事はそっけない。 

「段々のできている南沢小滝が登れたくらいじゃね~」

まぁ、正直その通りなので、返す言葉もありません。私も「異様に簡単だったなー小滝」と思いましたもん。 (12月小滝の記録

客観的に、一般的なフリークライミングの常識で考えた場合、私のクライミング力は、アイス&フリー含め、まだまだ初心者の域をでていません。2点支持はまだ身に着けている途中です。

でも、岩根山荘とか、バーチカルアイスで、アイスクライミングの基本ムーブを身に着けるところに行きたい!と言うと、「・・・」と渋るし。人工壁に行くのもいい顔しません。かといって、どこにも行かないとクライミング力は着かないしなぁ。

ゲレンデ練習程度を一緒に練習する相手がいなくて困っているんですよね。正確に言うと、ゲレンデ練習に休日を使いたい!というほど、クライミングに熱心な相手がいないってわけです。

ちなみに、アイスも基本はバーチカルで、腕力を使わず、ごまかさず登れるようになることが大事です。

師匠は一体、何が言いたいんだ? と 私の中では ??????・・・・・・・・と ”?”マークがエンドレスに付く感じでした。

■ ロマン?

ところが、金石沢F1の写真を報告したところ、「行って見よう」という話に・・・

これは、実は別の伏線もあったかもしれませんが・・・ 金石沢F1は、一月初めに普通に藪山山行に行った時に氷結が見事だった滝でした。

ただ短い滝なので、アイスクライミングの登り甲斐としてはあまりなく、記録はありません。

ので、師匠は、記録がない山が好き、なのかもしれません。

ダメ元で・・・ということで行って見ました。



■ ルートミス&猛ラッセル・・・

久しぶりに会う師匠ですが、いつも前夜泊です。悪いなぁというので、一緒に行くときは、温ったかおにぎりと熱いコーヒーを差し入れしています。が、今日は私は家にコーヒーは置き忘れて出てしまいました。7時半待ち合わせ、8:30登山口。

金石沢では、なんとまさかのルートミス! 3つ堰堤を越えますが、一番奥の堰堤が最初の核心部になっています。巻道が急で、とってもアブナイ・・・前回とは違うところを通ったので、なんとなく、左手の支流を選んで進んでしまい、ほとんど沢のスタート地点で、ルートミスです。

1時間もかからずにF1が出てくるはずなのに、もう1時間以上も進んでいるのに、ぜんぜんF1が出てきません・・・

しかも、雪が一番悪い状態で、猛ラッセル・・・昨日の雨で緩み、グサグサなのに、中身はふかふかで、踏み抜き、ぜんぜん前進できません。 切ないのは、20mくらい上の稜線には雪がないのに・・・です。

私は今日はラクラクだと思ったので、ザックをわざと重くして行っていたのですが、ロープも自分のが入っていてガチャもあるし、結構重かったので、だいぶ汗かきました。最近、会山行でもラクラクの時は、ザックに水のボトルを入れて歩くことにしています。女山も2リットル入れて行きました。

「その角を曲がったらすぐ滝です」を3度くらい繰り返し、疲れて休憩。「滝、ほんとに1410なの~?」

その時GPSをみると、ちょっと現在地がおかしかった。のですが、正常性バイアスが働き、「あれ、起動が遅いのかな?」と。

さらに少し行くと、稜線が近くなり、明らかに、これはおかしい・・・師匠が指摘し始め、私も明らかに稜線が近いので、これは・・・と思い返しました。あらためてGPSを見ると、最初の支沢に入っている!ので、がっくりと肩をおろし、スタートに戻りました。 

間違った地点に戻って、11:00. 1時間以上かけて登ったところが下山はラクラクで20分くらいでした(汗)

改めて正しく遡行すると、あっという間に滝に付きました。11:30。

なぜルートミスをしたのか?というと、今回は右岸から巻いたからです。前回は左岸から巻きました。右岸で巻くと、2股が見えないので、支流に入ってしまったんですね。本流と支流の水量の差が見えないのです。つぎに出てくる地形をきちんと予測して行けばよかっただけなので、初歩的ミス。


■ アイスボルダ―

滝を見るなり 「思ったより小さいね~」 「スクリューは効かないね」

今日は、F1大滝は中で水流がバンバン流れているのが分かりました・・・滝つぼにも下手に立てば、踏み抜いてドボンしそうです。

とりあえず、当初の予定通り、トップロープを張って懸垂で降りて、登ることに。リード練習は無しです。

ところが、トップロープを張るために、滝上に登ってみると、北面にみごとに固く氷結した、5mくらいの段々になっている滝がありました。言うなれば、氷のボルダ―って感じ。 師匠、俄然やる気に。

「ここでリードしよう!」 とりあえずフィフィのセット法を確認。 それから5mボルダ―アイスでリード。スクリューはトップロープ目的だったので、2本しか持ってきていませんでした。各自1本。

まぁ小さいボルダ―アイスなので、スクリューを2本うち、トップアウト。

立木で支点を取ると、「フォローを確保して」とのお達しなので、支点を作ってセカンド確保。

ちっちゃなリードフォローです。 灌木で支点を取りましたが、まずリードフォローをする気でも、リードする気でもなかったので、ギアが足りない!

不足したギアで支点を作る練習になりました。

立木は太目と細めのミックスした立木でしたが、まずはどれを選ぶか?です。太めの灌木にスリングをダブルにして掛け、数が限られている環付ビナはここが一番重要なところなので、それでパワーポイントし、クローブヒッチ。その同じビナにセカンドの確保器を掛け、セカンド確保。

自分のセルフも同じ支点のスリングにとっていましたが、ふと魔がさして、別の細い木にセルフを取り直しました。

なんというか、師匠がどう言うか聞いてみたかったんです。「支点、こうなりましたが、どうですか?」と聞くと、「太い木、1本で安心だから、セルフはこっちでいい」、と私と同じ考えなので、安心しました。

その後二人で懸垂しておりました。 このアイスボルダ―は、氷が固く氷結していて、なかなか良いアイスでした。

■ 大滝

その後、15mのロープで、大きな固定分散を作って、トップロープ支点を作りました。

どの立木を選ぶか、大きな固定分散の作り方が勉強になりました。

立木にスリングを掛け、末端エイトノットでロープを連結。連結は環付ビナか、ビナ2枚を交互に。
これを2点作り、パワーポイントもバイトのエイトノットにする。そこはトップロープのパワーポイントになるので、環付ビナ2枚を使いました。

要するに大きな固定分散です。

そこから、懸垂下降して、一人目が降り、私はローワーダウンで下してもらいました。途中で、クライミングアップに変更です。つまり滝つぼには全然降り立っていません(笑)

それを2回ほど繰り返して(ほとんど写真のため)、私がトップアウトしたら、もう一度師匠をアップするために、セカンドを確保して、今日はおしまいです。

いや~面白かった☆ 

正直、ベテランのスキルがないと、こういう遊び方はできないと思いました。初心者はゲレンデでトップロープ支点作るだけでも、結構、怪しげな橋を渡っています。

支点についての勉強をしたいと思っていたので、勉強になってよかった。どんな怪しげな滝でも、同じやり方で遊べると思いました。クライミングしているところが見えなくてもいいのであれば、上で確保してもいいので、滝つぼに立てなくても、クライミングもビレイもできます。

こんな滝つぼが見れました。水じゃんじゃん流れているし、落ちたらやだな~。

しかし、師匠が私に伝えたかった、

ロマン

って何なんでしょう?

私的には、

小さくても自分の山

というモットーが貫徹出来て良かったです☆

こんな滝、しょぼくてヤル気にならない

と言う人が大多数だと思いますが、

アイスって取り付いたら取り付いたで、結構楽しめます。

今日はスタンスの氷柱が壊れて、一回墜ちました(^^;)

14:30下山完了。

温泉は、草津温泉。

帰りにエルクによって、フィフィを貸してもらいました。 沢に残置してしまったのです・・・ 何にも買わないで帰ってスイマセン。

≪今日の学び≫
・雨後のふかふか雪はラッセル大変
・ロープを使った固定分散
・懸垂&ローワーダウンで登るアイスクライミング







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