Feb 22, 2019
ワイドボーイズによる初めてのアイスクライミング
ワイドボーイズのトム・ランデルさんは、クラックの動画で知りました。ワイドクラックが好きだからワイドボーイズだと思うのですが…ワイドみたいなアブナイ?クライミングを日ごろやっている人も、アイスになると、恐る恐る…(笑(
カシンエックスドライを使っているのが共感でした☆
Feb 21, 2019
Feb 18, 2019
Feb 14, 2019
荒船山 昇天の氷柱 初めましてドラツー
■ 初めましてドラツー 入門ルート
これは結論からすれば、難しいミックスではありませんでした。ルートの性格からすると
初めましてミックス
です。
■ 師匠に連れて行ってもらった山
荒船山のミックスルート昇天は、師匠の青ちゃんが私の山梨時代の登攀のまとめ、そして次の段階へつなげる山として、連れて行ってくれた山だ。
クライミングとしては、マルチピッチのルートなので、ご褒美でもあり、これまでのゲレンデのショート練習の集大成でもある。
一方、ドライツーリング(あるいはミックスルートという)としては、”初めましてドラツー” であり、アイスからのステップアップの一歩目である。
■ 荒船山 昇天の思い出したくない思い出
しかし、これはとても心が痛む山でもあった…。
それは、師匠の青ちゃんが、別の女性を復習の1回目に連れて行ったからです…。しかもその人はアイスの1年目で修練も積んでおらず、フリークライミングが強いだけでアイスの初心者…で、なおかつ、私と組みたいと言って最初に私に来てくれた人…でした。ジムで登っているところに会いに来てくれたのです。
しかし、初心者をアイスに紹介するのは、私は一人では指導に手が余るので、師匠の青ちゃんと3人で登るような日時の設定をしたのですが、それを連絡するなり、私から青ちゃんに鞍替え…彼の会に入会したんですよ…と、とっても失礼でしょう…私にたいして。
そもそも私に、アイスクライミングを教えて欲しいと言って来たのですから…。しかも、その後何度も3人でのアイスに誘ったのですが来ない。よほど青ちゃんを独り占めしたかったのでしょう… 私はそんなことはないので、いつも合同でクライミングするように、計らってあげるのですが。
20代の人はそういう人が多く、失礼だなといつも感じます。紹介を受けた人を、紹介した人に断りを入れずに誘うというのは、20代では普通のようですが、社会人生活を一度でもしたことがある大人には受けがよくないでしょうね。私はそういうことはしないので、それで年配のクライマーと続いていると思います。それに言っておきますが、師匠に弟子入りするには、本来2人で1セットですからね。じゃないと、どうやって連れて行ったもらったところを復習するの?
さて、荒船山ですが、私にとってはその失礼千万な彼女を、私を連れて行く前に、師匠は、このルートに連れて行ったのです(ムカつくよなぁ、もう!)。
したがって、私にとっては、1つ目はパートナーになりたいと言って近づいてきた人から手のひらを返される無礼、2つ目には、師匠から、ついでの人扱いされるという、2つの無礼の山でした。ので、荒船山 昇天の記録については書く気になれないでいました。
もう情けなくて、この山は行くことを辞めようと思っていたくらいです。
しかし、聞いたのが登山口で。もう来ちゃったし。聞いていたら行かなかったです。
師匠の青ちゃんも人心に配慮できないタイプの人で、私は何度もこういう目に合っているのです… 後輩のO君の時も…。
そして、また別のことになりますが、私は下手くそクライマーだと認知されているので、この記録を書いたら、ひどく嫉妬で気が狂いそうな人もいたのです…。もう誰も私の記録には見ていないだろうということで書く気になりました。
年配の男性クライマーの嫉妬は恐ろしいです。つまり、その方が若い時にやっとこさ登れたところを、私のような下手くそクライマーが登ってしまうと、メンツが…というやつです。しかし、何も分からない一般の登山者に向かって、南沢大滝に登ったぜ、ジョウゴ沢に登ったぜと言ってかっこつけても…。ジョウゴ沢なんて、1年目でフリーソロで登ってしまいました。その方がかっこつけられなくなるのは、私のせいではないでしょう…。
私はこう言っては何ですが、下手くそですが、経験年数と知識、技術、体力がほどほどにバランスよく比例しているクライマーだと思います。
■ 中山尾根vs昇天
そもそも、私は、荒船山ではなく、中山尾根に行きたかったのです。それは、中山尾根であれば、入門を終えた、初級クラスの山やとして通りが良くなるからです。
山には、誰もが目安としているものがあります。八ヶ岳では中山尾根に登ったと言えば一通り一人前だということで、誰とでもそれなりに組める中級のバリエーションですので、私にとっては、今後の山ライフの選択肢の幅を拡げるのにぜひやっておきたい山でした…。そういう山は、どこの地域にもあるでしょう。
しかし、私の夫の転勤が決まり、山に使える日々も残り少なくなり、青ちゃんが復習山行したいというので、中山尾根からの転進で昇天でした。
結局のところ、後輩というものは、先輩の復習要員であるのです(笑)。しかし、私にとっても、
”初めましてドライツーリング”
という山は、当然勉強になるものですし、最初の一つの山… 初めてのアルパインマルチの三つ峠や、初めてのフリークライミングのマルチの小川山春の戻り雪、などと同じ位置づけですので、行くことにしました。
どのようなルートであっても、つまり難易度が自分の能力を超えていても、ということですが、一通り自分のことを自分で解決できる、自立したセカンドクライマーであれば、登攀グレードに関わらず、どんなルートにでもセカンドであれば行くことができます。
九州では、比叡ニードル左岩稜、白亜スラブにセカンドで登っていますが、特になんっちゃこっちゃないです。セカンドなので。リードで登る山が自分の実力です。セカンドで行くのは、経験値を積むためで、実力の証明ではありません。
荒船山 昇天は、入門のミックスルートで、アプローチも1時間程度、ピッチ数も4p、岩壁にペツルが整備され、安全面もよい、ゲレンデ的で小粒のミックス入門ルートです。
ただし、4Pとは言えマルチですし、自然環境の厳しさというのは、その時それぞれです。条件によっては厳しくなることもあると思われます。
こうしたアプローチも短めでピッチ数も少なく、山頂に積め上げる山というのは、歩きの負担、体力負担が少ないが、山という自然環境についての経験値が豊富、もしくは積んでいるところ、というクライマーに適しているので、ベテランと入門者がそれにあたり、ちょうどよいということになります。中・上級者や、体力のギリギリに挑戦したい若者には、小粒すぎます。
■ 2017年3月23日の荒船山 昇天の氷柱
さて、荒船の氷はシーズン後半にないと出てこないです。滝ではなく雪が解けて再凍結したものだからです。ので滝が凍るもの、というスラブのアイスの思い込みを裏切ることがあり、シーズン後半、この年は3月後半で登っています。
これは1P目です。
アプローチですが、これは読図でもなんとかなるとはいえず、案内者が必要だと思われるアプローチでした。
昨今は岩の場所にGPS座標が書いてあることが多いですが、そのような措置があれば、初見でも行けるかもです。途中はちょっと怖いⅢ級のトラバースが出てきますが、大したことはありません。ロープを出すことは無いと思います。
1P目は短いですが氷でスタートし、岩へつなぐ。
ここは私でもリードできそうでした。岩とアイスの切り替えが必要ですし、岩を登るべきか、アイスを登るべきか、判断が要ります。スラブとフェイスです。
これは、3Pか4P目です。
2ピッチ目は、易しい4級のアイスで、短いので、私もリードできそうでしたが、念のためというので来たことがある人がリード。
その後の3P目は、ステミング多用のピッチだったように思いました。
と言っても岩登りと比較すると、寒さやアイスアックスで登るため、易しいです。
例えると、冬季のチムニー登りという感じでした。
■ 悪い落ち口4P目
核心は、一番悪いのが4P目の落ち口です。これは伊藤さんも、苦労したようですが、この日はコンディションが良く、私でも、特に問題なくスルーしてしまい、あとで伊藤さんに報告したら、「山は日によって違うよなー」という感想でした。
ので、悪い日に当たった人にとっては、登攀の困難度が一気にアップすると思われます。
下山は一般登山道を下ります。小1時間でした。トータルで昼には終わってしまいます。帰りには温泉に入るゆとりがあるのが普通だと思います。
■ ペツル併存
昇天の良いところは、ペツルも併存しているということです。
これは、このルートがガイド登山にも使われるためです。ガイドさんは、お客さんにビレイをさせるわけですが、当然、お客さんのビレイは当てにできない。ので、基本的にはビレイを当てにしなくて良いグレードのところに行くはずです。
つまり自分にとって楽勝なところ。
そうすると、安全マージンの厚み的に、必然的に、5.12が登れる人であっても、5.7~5.9当たりを登るのが適当だ、ということになります。つまりソロイストや単独登攀で、登るとしたらどこを登るか?という考えと同じです。これは後輩の当てにならないビレイで登る場合に必要な安全マージンとも同じです。
ということで、それは、多くの場合、入門ルート、初級ルートと重なる、ということに。というので、山岳会の新人は、ガイドさんが打ったボルトのルートをありがたく使うということになります(笑)。
という性格のルートが、荒船山昇天でした。
■ ダブルアックスで登る
これに連れて行ってもらったことで、”なるほどね、岩もアックスで登れば、手が冷たくならずに済んでいいわね”、と思いました。
昨今、八ヶ岳のバリエーションルートでも、皆さんダブルアックスで登ります。
以前、中山尾根で、昔風のストレートシャフトのバイルでリードして、苦労した男性の先輩が、後輩のセカンドがクオークでサクサク登ってきたと言って、文句を言っていました… 私は当時、ほとんど知見が深まっておらず、なんで後輩がサクサク登ってきて、不満なのか分からなかったのですが…。その方は、リードでもシングルアックスだったみたいです。アイゼンもモノポイントではなく平詰めだったみたい。冬壁スタイルなのでしょうか?
セカンドはとにかくさっさと登るのが価値だと思っていたので、楽に登れるなら、リードクライマーも、クオークにしたらいいのに、と思ったのですが…(笑)。そうすると登山としての面白さが欠けてしまうかもしれません。
困難が困難でなくなってしまうと面白くない、ということだからです。
しかし、残念ながら、現代のクライマーは最初からクォークを2本買い揃えます(笑)…ので、登攀は易しくなってしまったところのルートグレード感がスタートなのかもしれません。
その辺は、昔の山のスタイルを知らないので、いかんとも理解しがたいです。
この昇天に連れて行ってくれた師匠は、片手はハンドル付きのアイスアックスのカシンエックスドライを使い、片手はセミチューブのストレートシャフトのバイルです。新旧のギアをミックスして、過去に踏みとどまらず進化を続けてきたクライマーがこうなった、というのなら、それは参考にするに値するギアセットかなぁと思います。
ちなみに伊藤さんは、ダブルでクオークみたいでした。だいぶピックがすり減っていて、打ち込んで引ける角度が変わっていそうでした。
■ オマケ
こちらは、クライミングマシーンと言われた、Ueli・Stickの仏・ドリューの動画です。規模は違えど、やっていることは同じです。
標高はちゃんと調べたわけではありませんが…おおざっぱに言えば、
標高1500くらいの荒船山でやるマルチピッチ → 入門
標高3000mくらいのドリュでやるマルチピッチ → 時代の頂点
と、まぁこんな感じです。
昇天は、Ⅳ+、Ⅵ-、M5、130mです。
ユーリのクライミングは、VI, Al 6+, M8、800mです。
規模は違っても、やっていることは同じだというところがミソ。これをどんどん大きくして行き、それを標高が高いところに持っていけば、いいっていう話です。
もちろん、昇天のようにすでに出来上がったランニング支点やアンカーがあるわけでないので、クライマーは、支点構築スキルがないとだめ、ですが、どういう練習が世界につながっていくか?ということは、想像力がないクライマーでも、さすがに分かるだろう、というのが昇天の良さではないかと思います。
学生君たちは、ここまではせめて頑張ってみたらどうでしょうか?
時代の最先端の登攀が一体どういうことをやっているのかという理解が、アルパインをしているのに分からなかったら、山をやっていない一般市民と同じということ。悲しいですよね。
、
これは結論からすれば、難しいミックスではありませんでした。ルートの性格からすると
初めましてミックス
です。
■ 師匠に連れて行ってもらった山
クライミングとしては、マルチピッチのルートなので、ご褒美でもあり、これまでのゲレンデのショート練習の集大成でもある。
一方、ドライツーリング(あるいはミックスルートという)としては、”初めましてドラツー” であり、アイスからのステップアップの一歩目である。
■ 荒船山 昇天の思い出したくない思い出
それは、師匠の青ちゃんが、別の女性を復習の1回目に連れて行ったからです…。しかもその人はアイスの1年目で修練も積んでおらず、フリークライミングが強いだけでアイスの初心者…で、なおかつ、私と組みたいと言って最初に私に来てくれた人…でした。ジムで登っているところに会いに来てくれたのです。
しかし、初心者をアイスに紹介するのは、私は一人では指導に手が余るので、師匠の青ちゃんと3人で登るような日時の設定をしたのですが、それを連絡するなり、私から青ちゃんに鞍替え…彼の会に入会したんですよ…と、とっても失礼でしょう…私にたいして。
そもそも私に、アイスクライミングを教えて欲しいと言って来たのですから…。しかも、その後何度も3人でのアイスに誘ったのですが来ない。よほど青ちゃんを独り占めしたかったのでしょう… 私はそんなことはないので、いつも合同でクライミングするように、計らってあげるのですが。
20代の人はそういう人が多く、失礼だなといつも感じます。紹介を受けた人を、紹介した人に断りを入れずに誘うというのは、20代では普通のようですが、社会人生活を一度でもしたことがある大人には受けがよくないでしょうね。私はそういうことはしないので、それで年配のクライマーと続いていると思います。それに言っておきますが、師匠に弟子入りするには、本来2人で1セットですからね。じゃないと、どうやって連れて行ったもらったところを復習するの?
さて、荒船山ですが、私にとってはその失礼千万な彼女を、私を連れて行く前に、師匠は、このルートに連れて行ったのです(ムカつくよなぁ、もう!)。
したがって、私にとっては、1つ目はパートナーになりたいと言って近づいてきた人から手のひらを返される無礼、2つ目には、師匠から、ついでの人扱いされるという、2つの無礼の山でした。ので、荒船山 昇天の記録については書く気になれないでいました。
もう情けなくて、この山は行くことを辞めようと思っていたくらいです。
しかし、聞いたのが登山口で。もう来ちゃったし。聞いていたら行かなかったです。
師匠の青ちゃんも人心に配慮できないタイプの人で、私は何度もこういう目に合っているのです… 後輩のO君の時も…。
そして、また別のことになりますが、私は下手くそクライマーだと認知されているので、この記録を書いたら、ひどく嫉妬で気が狂いそうな人もいたのです…。もう誰も私の記録には見ていないだろうということで書く気になりました。
年配の男性クライマーの嫉妬は恐ろしいです。つまり、その方が若い時にやっとこさ登れたところを、私のような下手くそクライマーが登ってしまうと、メンツが…というやつです。しかし、何も分からない一般の登山者に向かって、南沢大滝に登ったぜ、ジョウゴ沢に登ったぜと言ってかっこつけても…。ジョウゴ沢なんて、1年目でフリーソロで登ってしまいました。その方がかっこつけられなくなるのは、私のせいではないでしょう…。
私はこう言っては何ですが、下手くそですが、経験年数と知識、技術、体力がほどほどにバランスよく比例しているクライマーだと思います。
■ 中山尾根vs昇天
そもそも、私は、荒船山ではなく、中山尾根に行きたかったのです。それは、中山尾根であれば、入門を終えた、初級クラスの山やとして通りが良くなるからです。
山には、誰もが目安としているものがあります。八ヶ岳では中山尾根に登ったと言えば一通り一人前だということで、誰とでもそれなりに組める中級のバリエーションですので、私にとっては、今後の山ライフの選択肢の幅を拡げるのにぜひやっておきたい山でした…。そういう山は、どこの地域にもあるでしょう。
しかし、私の夫の転勤が決まり、山に使える日々も残り少なくなり、青ちゃんが復習山行したいというので、中山尾根からの転進で昇天でした。
結局のところ、後輩というものは、先輩の復習要員であるのです(笑)。しかし、私にとっても、
”初めましてドライツーリング”
という山は、当然勉強になるものですし、最初の一つの山… 初めてのアルパインマルチの三つ峠や、初めてのフリークライミングのマルチの小川山春の戻り雪、などと同じ位置づけですので、行くことにしました。
どのようなルートであっても、つまり難易度が自分の能力を超えていても、ということですが、一通り自分のことを自分で解決できる、自立したセカンドクライマーであれば、登攀グレードに関わらず、どんなルートにでもセカンドであれば行くことができます。
九州では、比叡ニードル左岩稜、白亜スラブにセカンドで登っていますが、特になんっちゃこっちゃないです。セカンドなので。リードで登る山が自分の実力です。セカンドで行くのは、経験値を積むためで、実力の証明ではありません。
荒船山 昇天は、入門のミックスルートで、アプローチも1時間程度、ピッチ数も4p、岩壁にペツルが整備され、安全面もよい、ゲレンデ的で小粒のミックス入門ルートです。
ただし、4Pとは言えマルチですし、自然環境の厳しさというのは、その時それぞれです。条件によっては厳しくなることもあると思われます。
こうしたアプローチも短めでピッチ数も少なく、山頂に積め上げる山というのは、歩きの負担、体力負担が少ないが、山という自然環境についての経験値が豊富、もしくは積んでいるところ、というクライマーに適しているので、ベテランと入門者がそれにあたり、ちょうどよいということになります。中・上級者や、体力のギリギリに挑戦したい若者には、小粒すぎます。
■ 2017年3月23日の荒船山 昇天の氷柱
さて、荒船の氷はシーズン後半にないと出てこないです。滝ではなく雪が解けて再凍結したものだからです。ので滝が凍るもの、というスラブのアイスの思い込みを裏切ることがあり、シーズン後半、この年は3月後半で登っています。
これは1P目です。
アプローチですが、これは読図でもなんとかなるとはいえず、案内者が必要だと思われるアプローチでした。
昨今は岩の場所にGPS座標が書いてあることが多いですが、そのような措置があれば、初見でも行けるかもです。途中はちょっと怖いⅢ級のトラバースが出てきますが、大したことはありません。ロープを出すことは無いと思います。
1P目は短いですが氷でスタートし、岩へつなぐ。
ここは私でもリードできそうでした。岩とアイスの切り替えが必要ですし、岩を登るべきか、アイスを登るべきか、判断が要ります。スラブとフェイスです。
これは、3Pか4P目です。
2ピッチ目は、易しい4級のアイスで、短いので、私もリードできそうでしたが、念のためというので来たことがある人がリード。
その後の3P目は、ステミング多用のピッチだったように思いました。
と言っても岩登りと比較すると、寒さやアイスアックスで登るため、易しいです。
例えると、冬季のチムニー登りという感じでした。
このような景色が味わえます |
■ 悪い落ち口4P目
核心は、一番悪いのが4P目の落ち口です。これは伊藤さんも、苦労したようですが、この日はコンディションが良く、私でも、特に問題なくスルーしてしまい、あとで伊藤さんに報告したら、「山は日によって違うよなー」という感想でした。
ので、悪い日に当たった人にとっては、登攀の困難度が一気にアップすると思われます。
下山は一般登山道を下ります。小1時間でした。トータルで昼には終わってしまいます。帰りには温泉に入るゆとりがあるのが普通だと思います。
■ ペツル併存
昇天の良いところは、ペツルも併存しているということです。
これは、このルートがガイド登山にも使われるためです。ガイドさんは、お客さんにビレイをさせるわけですが、当然、お客さんのビレイは当てにできない。ので、基本的にはビレイを当てにしなくて良いグレードのところに行くはずです。
つまり自分にとって楽勝なところ。
そうすると、安全マージンの厚み的に、必然的に、5.12が登れる人であっても、5.7~5.9当たりを登るのが適当だ、ということになります。つまりソロイストや単独登攀で、登るとしたらどこを登るか?という考えと同じです。これは後輩の当てにならないビレイで登る場合に必要な安全マージンとも同じです。
ということで、それは、多くの場合、入門ルート、初級ルートと重なる、ということに。というので、山岳会の新人は、ガイドさんが打ったボルトのルートをありがたく使うということになります(笑)。
という性格のルートが、荒船山昇天でした。
■ ダブルアックスで登る
これに連れて行ってもらったことで、”なるほどね、岩もアックスで登れば、手が冷たくならずに済んでいいわね”、と思いました。
昨今、八ヶ岳のバリエーションルートでも、皆さんダブルアックスで登ります。
以前、中山尾根で、昔風のストレートシャフトのバイルでリードして、苦労した男性の先輩が、後輩のセカンドがクオークでサクサク登ってきたと言って、文句を言っていました… 私は当時、ほとんど知見が深まっておらず、なんで後輩がサクサク登ってきて、不満なのか分からなかったのですが…。その方は、リードでもシングルアックスだったみたいです。アイゼンもモノポイントではなく平詰めだったみたい。冬壁スタイルなのでしょうか?
セカンドはとにかくさっさと登るのが価値だと思っていたので、楽に登れるなら、リードクライマーも、クオークにしたらいいのに、と思ったのですが…(笑)。そうすると登山としての面白さが欠けてしまうかもしれません。
困難が困難でなくなってしまうと面白くない、ということだからです。
しかし、残念ながら、現代のクライマーは最初からクォークを2本買い揃えます(笑)…ので、登攀は易しくなってしまったところのルートグレード感がスタートなのかもしれません。
その辺は、昔の山のスタイルを知らないので、いかんとも理解しがたいです。
この昇天に連れて行ってくれた師匠は、片手はハンドル付きのアイスアックスのカシンエックスドライを使い、片手はセミチューブのストレートシャフトのバイルです。新旧のギアをミックスして、過去に踏みとどまらず進化を続けてきたクライマーがこうなった、というのなら、それは参考にするに値するギアセットかなぁと思います。
ちなみに伊藤さんは、ダブルでクオークみたいでした。だいぶピックがすり減っていて、打ち込んで引ける角度が変わっていそうでした。
■ オマケ
こちらは、クライミングマシーンと言われた、Ueli・Stickの仏・ドリューの動画です。規模は違えど、やっていることは同じです。
標高はちゃんと調べたわけではありませんが…おおざっぱに言えば、
標高1500くらいの荒船山でやるマルチピッチ → 入門
標高3000mくらいのドリュでやるマルチピッチ → 時代の頂点
と、まぁこんな感じです。
昇天は、Ⅳ+、Ⅵ-、M5、130mです。
ユーリのクライミングは、VI, Al 6+, M8、800mです。
規模は違っても、やっていることは同じだというところがミソ。これをどんどん大きくして行き、それを標高が高いところに持っていけば、いいっていう話です。
もちろん、昇天のようにすでに出来上がったランニング支点やアンカーがあるわけでないので、クライマーは、支点構築スキルがないとだめ、ですが、どういう練習が世界につながっていくか?ということは、想像力がないクライマーでも、さすがに分かるだろう、というのが昇天の良さではないかと思います。
学生君たちは、ここまではせめて頑張ってみたらどうでしょうか?
時代の最先端の登攀が一体どういうことをやっているのかという理解が、アルパインをしているのに分からなかったら、山をやっていない一般市民と同じということ。悲しいですよね。
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