Mar 21, 2016

南沢大滝

■ 回収便

火曜に南沢の氷瀑に行った時、回収担当になった。で、ケブラーのスリングを残置してしまった。

回収便は私だったのだが、残置なのかどうか迷うスリングがあり、上から聞いてみたが、声が届かなかったようで、「カラビナのみなのか?」の問いかけに、「そうだ」との答え。しかし、同行者がギアを整理していたら、あるべきスリングがない、ということで、結局、回収に出かけることになった。

どうせ行くなら、と1泊二日の予定・・・が、結局土曜は雨で流れた。突然のテント泊でも、まぁ何とかなる。2名だったのだが、同行者がどうしたいか(小屋泊まりなのか、テント泊なのか)分からなかったので、自宅の2テンと寝袋二つをとりあえず車に放り込み、食事も2人前を用意したが、インスタントラーメンにマカロニ、酒と、もとがそう重くないので、構わなかった。一人テン泊ということになっても、2テンを辞めてツエルトにすればいいし・・・。

結局、雨で流れ日帰りになって良かった(笑)。雨の中の冬のテント泊は2月にやったが、まぁ楽しいこと!テントの中に池ができた。

降雪で道路状況が悪化していることを懸念して、5時小淵沢道の駅としたため、2時起き、3時出発だったが、結局道路の状況が良く、5時には美濃戸口に着いてしまった。同行者とは6時合流

■ 大滝

7時半大滝。


先行パーティは、ぶなと思われる会が、左端に取り付いていたが、表からは見えないライン。

同行者は、佐久アッセントのA木さん。

実は彼は、講習会で講師を務めるほどの実力者。

アイスクライミング歴35年のベテランだ。

ベテランだけに知り合いが多いらしく、後でついた年輩者のペアとも知り合いだったらしい。

左の変わったアックスは、国産のアックスで、たつのおとし子型。

日本人向けにアックス全体の全長が短い。しかも、軽い。

山岳会はどこかなと思い聞くと、無所属と言う。

年輩の人は誰でも会に属しているものだと思っていた・・・(汗)




■ ガイド講習の利用について

この方は何シーズンもガイド講習に通ったそうだ。

有料の講習会は、ガイド講習と言う都合上、安全が確立したゲレンデ(小屋が近いなど)しか使えない。つまり、使えるゲレンデが限られており、アイスを学ぶには、限定的なやり方かもしれない。

例えば、南沢は、ガイド講習に人気があるのは、いつでもひとけがある八ヶ岳で、小屋も開いており、すぐに救援が呼べるから。

でも、小滝なら、ビレイヤーがいれば、一度もガイドと来なくても、普通にトップロープで練習することができる。実際、私はガイドと来たことは一度もない。(ちゃんと支点は自分で作れることが必要だが、支点くらいも自分で作ろうとしない人は、そもそも山に向いていないかもしれない)

私がガイド講習を使ったのは3回。 

 1回目: まったくの初心者 アックスが何かも知らない。アイゼンも持っていない
 2回目: 師匠がリードするルートにビレイヤーで行くことになり、ビレイ練習
 3回目: 先輩が凍傷になり、パートナーがいないため、クライミング練習 

だ。

初めてリードをビレイするとき・・・まさか初心者の私のビレイで登れ、と先輩に”命がけいっちょお願いします”と言う訳にも行くまい・・・。

・・・と考え、保科ガイドに「リードのビレイをさせてほしい」と頼んで2度目の講習に出かけた。

ガイド講習は、利用者がどのような目的を持って利用するのか、はっきりとお願いするのが大事なことだ。

先方は山の大先輩なので、ちゃんと意図を分かってくれる。3回目なんてただ登りたかっただけだったので、たまたまいた講習生の人とパートナーを組んで上り下りするだけでガイドさんは左うちわだったが、それでも夜になってナイターになるまで登らせてくれた。

■ 教わって当然という態度をしないことが大事

この年輩の方は、アイスシーズンだけに全資金をつぎ込み、何年もかけて技術を習得したそうだった。つまり、私が実力者と半ば弟子状態で来ているのが羨望だった、というわけなのだろう。

その気持ちは分かる。私自身も、基本的な登山技術を習得する講習会に1年かけて出て、30万円ほど出費したし(山小屋バイトで補てん)、アイスも自分のお金で保科さんでデビューしている。レスキュー講習も多くの人は、会からの助成金で出ているが、私は自腹だ。

地図読みに至っては、自分の金で出た講習会を、会に伝達講習しているが、会からは一円も出ていない。

自分が連れて行く側に回ったら、

自分が有料で教わったことはみな、無料で教えなくてはならない

のだ。だから、今回の私のようにまだ初心者に毛が生えた状態で、ベテランと組んでいる人が羨ましくて当然だ。それに、昨今、無料で教わって当然と思っている新人が多い。一言、言いたくなる気持ちもあるだろう。

しかし、私は後輩には、見返りを要求することはしないつもりでいる。恩着せがましくもしたくない。

あくまで対等のパートナーとして遇することが、その人の成長に資すると思うからだ。

それは責任感の問題ではないだろうか?

ついでに言えば、自らの道を自ら歩み、自分で学んできた人しか、結局はパートナーとして残らないものである。

今まで一緒にアルパインに行って快適だった人は、単独で冬山の一般ルートくらいは平気な人ばかりだったからだ。それに最低限ビレイができない人は、連れて行けない。

連れて行くのは、半ば自分のためだと思っているが、本当に損した気分にさせられる人もいる。そういう人とは二度と山行を共にしない。たとえば、冬ウエアや冬靴まで貸して連れて行った、初回の南沢小滝など。あとで靴をねだられた。その靴は、小屋バイトでねん出したお金で買ったもので新品。自分は古いほうを履き、新品を貸したのだ・・・。ただし、そういう段階だった人が山を続け、自分のレベルにあった山をしているのを知るのはうれしい。

ちなみに日本で一番高額な、保科ガイドのガイド山行で行くと

 南沢小滝・大滝 1日17000円 2日間30000円
 岩根 17000円

である。誰もパートナーがいなければ、甘受しなくてはならないコストとなる。

■ ビレイミスを謝らないビレイヤー

今回は女性がビレイしているリードのビレイで、隣のパーティの男性クライマーが、盛大に落ちていた。

幸い、あまり高さがない段階で落ちたので、「だいじょうぶ、だいじょうぶ」と、再度リードトライしていた。(エライな~!)

驚いたのは、ビレイヤーが、まったく謝罪をしないことだった。

いつから、こういう世界になってしまったのだろうか?

こうした例は、今回が初めてではなく、自分の会でも同じ例があった。

ある先輩をビレイしている人に、ビレイ位置のまずさを私が指摘した時も、無視された。目の前で口頭で指摘し、なおかつ、隣のパーティも同じ危険を指摘したのにもかかわらず、である。無視した人は会の若手。

ビレイヤーはクライマーの命を預かっている。

つねにきちんとビレイできているか下から監視してやらなくてはならない。

クライマーが落ちたとき、墜落を止めることができなかったら、それはビレイヤーのミスだ。

■ フォールライン以外でビレイする

アイスのリードでは、決して落ちれない。

しかし、それは、ビレイヤーが当てにならないから、という理由であるべきではない。

ビレイヤーもクライマー同等、命を守る必要があり、落氷を避ける結果、通常の岩場よりは離れたビレイポジションに立たねばならないからだ。

その点を理解せず、単純に1ピン目が遠いだけで、落氷の通り道でビレイしているのに驚いた。

落氷を避けるために、ビレイ位置を妥協しているのがセオリーだからだ。

ビレイ位置は、フォールラインから外す、というのが基本だ。

考えるに、おそらく、そのことが理解できていないか、教えられていないのだろう。

■ 行く人によって同じ場所も危険になる

そのようなパーティと行くと、同じ南沢大滝、同じライン、同じ日であったとしても、その場所は危険な場所になってしまう。

つまり、危険か危険でないか?は、一緒に行く人の危険予知力に因るのである。

■ リードの写真

全体像を取ることができなかったのだが、以下2つの写真で、ダブルでリードしているパーティのリードのランニングの取り方や、ビレイ位置は、危うさがない。きわめてオーソドックスにきちんと、リードし、ビレイされている。

が、奥のクライマーになるとそうではない。アイスでは特に両者の見極めが、微妙すぎて見極めづらいが、現地で見れば、かならず分かる。

奥のクライマーのリードラインは、ロープが地面に着いてしまっている。つまり出過ぎだが、今いる位置ではどうしようもないだろう。下がテラスになっているので、2ピン目をとっているが、早急に3ピン目を入れたいところだ。




2枚目をみると、

奥の、だらりんビレイ
手前の、きちんとビレイ

の差が良く分かると思う。このような状態の時には、緊張していないといけない。

■ フォールライン

今回は、(というか南沢大滝ではいつものこと、であるが・・・)落氷が怖かった。というのは、ほとんどの人が、フォールラインでビレイするからである。

ビレイするとき、フォールラインを外す、ということは重要なことだ。

つまり、脇に逸れればよいのである。もちろん、登っていたらクライミングラインが変わってしまい、結果、落が落ちる位置になってしまうこともある。それでも氷の陰や、凹凸の凹角に立たないなど、最初の工夫でしていれば、大きな落は来ないことが多いだろう。登山は確率を下げつつやるものである。

今回、氷が緩んだ午後の早い時間帯に、ブロック塀のブロック大の落が起り、それがビレイ準備中のビレイヤーを直撃し、ヘルメットに当たって、「ぼこっ!」とにぶい音を立てた。それはビレイ準備していた手にもあたったようだった。

あたった人は「ちょっとー。トップロープなんだから、もっと落とさないように登ってよー」と上に叫んでいたが、登っているクライマーは無視していた。しかも、下りてからも謝る様子はなかった。

そのことにまず驚いた。

が、当たった側にも責任の一部はあったようだ。トップロープのビレイだったが、ロープの長さがギリギリで短いので、クライマーが登るまでは、その大滝全体の一番の凹角に立たないではいられないのだった。

やはり長いロープが南沢大滝では必要だ。

■ 南沢は混雑を避けるべし

・・・というわけで、正直言って、自分のクライミングどころではなかった。

それは、初めて行った南沢大滝でも同じだった。やはり、南沢大滝は空いている時限定にしなくては、クライミング練習にさえもならない。

クライミングに関しては、今回は朝かなり冷え、朝一リードのシビアさが出た。手が寒さでしびれるのである。

つまり、初心者のリードクライミングデビューには、南沢大滝はかなり向かない。

やはり、手のかじかみなどのリスクがない、美濃戸口の氷瀑など低標高の場所が適しているだろう。

また混雑により、リードのリスクは非常に高い。ビレイヤーとしても、落による怪我が起るリスクが高い。

■ ムーブ逆戻り

自分のクライミングは、またムーブが逆戻りしていたが、まぁそれは最初の一登が長いのが、ダメだからだ。

岩でも、アイスでも、最初の一登が長かったり、難しい課題は、私のアップには向かない。

4級の易しい課題が私のアップには向いていて、しかもパンプする前に降りるようにしないといけない。

前回も、5.10Aクラックをアップなしで触ったら登れなかった。登れなかった回を振り返ると、かならず、いきなり限界グレードなどであって、アップがない。

私のアップには、まだ5級以前が向いているのだ。そうすると、調子が上がれば、10台前半まで行ける、という感じ。

本当は、調子が上がっていれば、リード練習まで進みたかったので残念だった。リード練習はベテランビレイヤーの時にしかできないからだ。

次回のリード練習を考えて、一番リードしやすいラインで、スクリューの回収をしてみたが、あまり難しさは感じなかった。

ただ、女性はアイスに関しては、リードするグレードと、トップロープで登れるグレードの開きが大きい。それだけリード負担が岩より大きいということだ。

というわけで、一般の女性よりも腕力に劣る私は、もう少し高グレードをトップロープで登れるようになってから、リードへ進み、それも小滝程度でスタートすべきと思う。

成果としては、落とさない登り。最終的にはほとんど落とさないで登れた。(が、まぁ午後遅い時間帯になって、すでに多く登られて段々が出来ていたという事情にもよるので、実力のためではないかもしれない・・・(笑))

■ シャンティ

帰りは、車を止めておいたJ&Nで、ケーキセットを食べて終わった。楽しい?南沢大滝だった。
とりあえず、第一目的の、残置が回収できて良かった。

それに、実力者と一緒だったので、独占して申し訳ない感じだった。

正直、とても恵まれた環境にある。シャンティ(感謝)。

洋ナシのタルト

それを独占しては、世間に対して強欲と非難されても仕方ないと思うので、周囲にも声はかけている。が、9人に声掛けして全滅。

まぁ、チャンスとは見る目がある者にだけ見えるもの。チャンスをチャンスと見出す、というのも一つの才能ではある。価値観が確立していないと、チャンスがチャンスと映らない、と言うことも言える。

私には、安全についてよく知っている人と登れ、その様子を盗めることは大チャンスである。

■ まとめ

・アイスではフォールライン(凹角であることが多い)に立ってはいけない 

・ビレイヤーは、フォールラインから、右か左にそらし、なおかつ、もっとも近い位置でビレイする

・1ピン目を取るまでは、ゼロピン目を取っておくこと

・南沢大滝では、80mの長いロープか、2本のロープが必要

・南沢大滝の核心は、混雑と混雑による未熟なクライマーによる落氷

・リードクライミングデビューには大滝は向かない。

・午後の南沢はアイスが緩むのでトップロープで

・氷はバチ効きであった



Mar 17, 2016

南沢小滝・大滝&角木場の氷柱

■ 視野を広げる山行

今冬知り合った0さん。クライミングがとっても上手。今シーズン中に、南沢大滝を経験してもらいたい…。・・・けれど、私自身はまだリードできない。

まぁ、リードできないところに行くべきではない、時期尚早、とも言えるのですが、かと言って、垂直もやらないでは、クライミング技術が向上できない・・・。それに視野も広がりません。

人工氷壁や南沢小滝って、多くの人が登って、段々がついてしまい、クライミング自体が簡単になっているのです。

なので、岩根や小滝で、自信をつけてしまって本番に行ってしまうと、”ああ勘違い・・・(汗)”となり、超危ないです。

本番では、小滝と同じように見える垂直の滝でも、誰も刺していない。いわば、カンニングなし!なので、岩根や小滝程度で培ったグレード感覚で出かけてしまうと、痛い目を見てしまいます。

それは師匠にも言われていました・・・「楽勝で登れったって?ふーん。段々のついている小滝程度ではね~」 まさしくその通り・・・(^^;)。

Oさん、今年アイス元年で、アイスのルートも経験したし、あとは大きな氷を体験するだけかな~と思っていました。

それに、ベテランとの山行は、単純な練習以外にも色々と学ぶことがたくさんあります。例えば、

 ビレイヤーの位置とか、
 中間支点の取り方とか、
 ゼロピン目の取り方とか、

・・・というので、だれか大滝に連れて行ってくれないかな~と、方々に声をかけていたら、K田さんが誘ってくれました。やったあ~!

■ 前日の人工壁

Oさんは電車なので始発に乗っても、南沢到着が昼前になってしまうので、前日移動です。せっかく来てもらうので、少し早めに来てもらうことにしましたが、あいにくの雨。

十二ヶ岳の岩場で、マルチピッチのコールを教えようと思っていましたが、雨なので人工壁。被った壁がやりたいということなので、前回できなかった5.10aを復習。まずはアップでトラバースをやってもらいます。

私もトラバースで持久力を付けているところで、辞めてしまったんだよなぁ・・・。トラバース課題を何度もやっていると、力を抜くことを覚えるらしいのですが、おと年の夏は調子よかったけど、もうやらなくなってしまった・・・。反省が必要です。

その後、被った壁をリードしてもらいました。が、途中敗退なので、”極地法”で(笑)。 極地法というのは、私たちの間の言葉で、リードできないときは、そこで降りて、次の人がリードする方式。じわじわ高度を上げる(笑)って意味です。

とりあえず被ったところで懸垂練習をした方が良いので、途中でリード&フォローに替え、懸垂下降のセットを確認。2度目はカラビナ懸垂を教えました。最後はビレイヤーの自己脱出をやって終了。

・リードフォロー手順おさらい
・空中懸垂 (バックアップを付けて降りる)
・カラビナ懸垂
・自己脱出

こういうのは、器具との相性もあるので、あらかじめ本番前にやってみていることが大事ですが、人が多いクライミング練習の時は、終了点に二人で上がって、のんびりロープアップしている場合ではなく、なかなか機会が作りづらいので、空いている平日の時間にやっておくのが得策です。クライミングだけなら、一人でもボルジムで練習できますしね。

■ 今シーズン初の冬!

翌日は、なんと!雪! やっぱり・・・甲府で降った雨は、山では雪ではないかと心配していたんです。

我が家のラシーン君は先日の南沢小滝山行でお亡くなりになり、現在、車がノーマルタイヤのジーノ君しか今いない・・・日野春を越えたあたりから路面に雪が出始め、小淵沢インター前の坂道では、発車が核心・・・(汗)。

急遽、電話。「道の駅小淵沢で拾ってください~」 鉢巻道路は雪でした。そして、山は冬日でした。

今シーズン初!というくらいの積雪量。美濃戸口で10cm 小滝大滝で40cmのふかふか新雪。

余談ですが、この日、阿弥陀南稜で雪崩で死亡事故が起きました。ガイドパーティが率いる3人パーティで一人死亡。

八ヶ岳では、積雪が40cmを越えたら、新雪雪崩を心配しないといけません。特に地形的に危険な所にいないように。中岳沢や赤岩の頭下部、三叉峰ルンゼなど、雪崩れ地形は避けましょう。

南沢は小滝から先はノートレースでした。

■ 南沢小滝

南沢小滝では、基本の2点支持でのクライミングを教わりました。各自普通のラインを1本づつ登り、アップ。

その後、右のラインの難しいほうへ・・・ここは5.9しかないそうですが、確実にムーブが必要そうでした・・・。70mと長いロープだったので、1本でトップロープしながら、となりで同じロープでリード。

セミチューブと言うアックスは、ピックが半分に切ったチューブになっているから、セミチューブって言うんですね。やっとわかった。

氷が落ちなくて良いのだそうです。古いアックスの代表のように言われていますが、今でも、フリーソロでアイスを登るようなギリギリクライマーには好まれているアックスなのだそうです。





正しいビレイ
ムーブが面白いライン 5.9
■ 南沢大滝

昼ご飯を食べて、大滝へ移動・・・誰も来ていなくて、トップはラッセルでした。張り切るOさん!頑張って~!

ラッセルも、下に氷があるほうが潜らなくて歩きやすく、踏まれていない側面のほうなど、腰まで埋まる・・・



大滝では、ベテラン2名がリード。私はビレイを担当しました。これはとても勉強になった。


≪ビレイ位置の決め方≫

 ・クライミングラインを考える

 ・クライミングラインのフォールラインから外れた位置(落氷があるところには立たない)で、もっとも滝に近い位置にビレイポイントを作る(ハンギングすること)

 ・1ピン目を取るまでは、ゼロピン目を取る

ランニングの取り方に注目
先日峰の松目に行った時、F8の弱点の中では、強い点である凸を登るために、凹角にビレイポイントを作ったのですが、安全を考えた位置関係では、正解を選んでいました。

しかし、その後ビレイポイントを後退させたのですが、その位置はやはりリードするには向かない位置でした。トップロープでの確保地点としてはOKでしたが。

話を大滝に戻しますと、大滝は何度か来ていますが、以前、フォールラインに背を向けて立っていた先輩が、レンガ大の落氷を頭に受け、ヘルメットが割れていました。私はその割れた氷の片割れが、肩に当たって、帰ったら、あざになっていました・・・。

大事なことは、フォールラインに立たないということです。

私を含み、新人さん二人はトップロープで。私は今回は2登しましたが、とくに苦労せず登れました。ただ、この日は冬日で気温が日中も低く、寒気が強かったので(-15度)、テムレスでは指先が冷たくなり、またパンプすると指が凍傷になりそうなくらい痛かったです・・・。テムレスではダメな日でした。ちゃんと皮のグローブももっていたのですが・・・。手首の当たりにホッカイロを張るとよいそうです。

この日は、私が夜20時からレッスンを持っており、甲府に仕事で帰らなくてはならなかったので、16時下山。17時美濃戸口。18時半甲府。

ジーノで帰ると時間がかかるので、送ってもらいました。ありがとうございました☆

≪クライミングメモ≫
・80mの長いロープがあると良い
・ギリギリなので、トップロープのビレイでも末端を結んでおくこと(ローワーダウンで抜けたら最悪)

■ 角木場の氷柱

氷柱

翌日は再度八ヶ岳へ。美濃戸口、角木場の氷柱です。

ここは去年、師匠が私のリード練習に選んでくれた場所の奥地です。角木場の氷柱は、トップロープを張るのが核心です。TRを張るのに、懸垂か、確保が必要です。それは、隣のエリアも同じです。去年ちょっと苦労して師匠がトップロープを張ってくれたのに、私は氷柱全部は登れなかったんですよね。

角木場は、ガイド山行でも使われた後らしく、トップロープを張るために、フィックスが張り巡らされていたそうです。

ここは落ちたら一巻の終わりですので、懸垂しながら行くのがベターです。こういう用途の懸垂では、センターマークがあるロープが便利です。

懸垂で川底に降り立ち、そこから登り始めます。

落ちていたツララ 机大

≪氷柱登りの注意点≫

・落ちそうな弱弱しいツララは、あらかじめ落としてしまいます。
・その際は、頭上で叩かず、自分よりツララが下にある状態でツララを落とします。
・大きな氷柱も気温が上がれば、いつか崩落します。
・その時間帯は、13時~14時の間が最も確率が高いそうです。
・夕方になりまた冷えれば、登れる
・トップロープで登ること
・確実になるまでリードはしないこと
・ビレイ位置は後退すること(非常に大きな落がある。今回も氷だけでなく岩も落ちました)

各自3本づつ・・・念願の凸型氷柱ですが、上部がかぶっていて、易しいラインでも5.10A、かぶっていると、5.10bかc・・・完全にぶら下がるので、腕力の問題になります。

■トップロープ

トップロープクライミングは、カンタンと言われていますが、トップロープでも振られるという問題ががります。

今回は登りたかったのは、支点より、右のライン。「張るとフラれるから緩めに出していますよ~」と声をかけていました。

そもそも、トップロープで張り気味は嫌いなほうです。しかし、この氷柱にフラれ止めのアイススクリューを打つには直上の氷が悪く・・・アックスを一撃すると落ちる落ちる・・・氷が落ちます。

それに振られるので、思い切っては行けないし・・・。で、ラインを変えました。パツパツにタイトにトップロープで引いても、アイスに向かい合うように引かれるライン。氷柱の側壁です。こうすると、ロープを張り気味にしても大丈夫です。それでもけっこう氷がデリケートで登るのは大変でした。

フラれ止めを打つのも核心ですね~

■ 3ラインづつ

1本目、私はパンプしてしまいました。やはり一日の一本目から、かぶっているところだと動きが悪い。その上、かぶっているので、パンプが来やすい。しかも氷が固く、足もハズれ、落ちること3回(汗)。

いや~これだからトップロープでないと。それで、これは足が課題と感じました。またアックステンションでレストして、腕のパンプを抜く技は5級へ進む段階では必須ですね。

でも、これが5.10aに過ぎないのは分かった。腕にくる、かぶった核心部は、ほんのちょっとで後は足で立てるからです。

2本目は、フラッギング、ヒールフック、ステミングもあり、かなりアルパイン的で面白いラインでした。これはアックステンションでのレストは1回で済んだ。

3本目は、もう氷が落ちそうで、冷や冷や・・・氷の後ろに透けたところが見え、水が流れている!フッキングで掛けたところが、抜けること、抜けること・・・。怖くなった・・・。

昼過ぎに氷柱登りは終わり、H&Jでスパゲッティを食べて解散としました。(食事すると駐車無料)

楽しく勉強になるアイス二日間でした。

≪クライミングメモ≫
・日が当たらないゲレンデが良い
・70mロープが必要


■ まとめ

南沢大滝・小滝は、四級~Ⅴ級の課題です。四級でしっかりリードできるようになることが先決ですが、そのためには多少の垂直=5級の経験も必要です。

4級ではムーブは正対でなんとかなります。フラッギングを始め、2点支持のムーブは、あれば楽に登れるが、なくても登れます。それより確実に落ちないことを身に着けるのが四級の氷です。

一方、氷柱は確実に5級より上です。6級の氷となるため、確実に二点支持のムーブがあるほうが、楽ができますし、確実性も高まります。難しい氷で、身体能力とトレーニングが必要です。

どちらかが欠けても危険ですので、きちんと登れるようになってからしかリードは無理です。

考えてみれば、峰ノ松目沢F8は、小滝程度の高さで、氷柱でした。しかも取り付いてみたら、とても堅くて、あまりアイゼンの蹴り込みで刺さらなかった・・・ので、敗退は正解でした。

今回は、
                         
 新人 → 初めての大滝で大感動!
 アイス3年目→ リードの勉強中 ふむふむ~ & なるほど~
 ベテラン(20年) → リードを実践中 場数!
 ベテラン(アイス歴35年)→ 軽いゲレンデで、のんびりリハビリ~

と、それぞれの課題が上手く組み合わさって、皆が満足できた山行でした☆

一番頑張ったのはベテランなんですが・・・(笑) 新人さんもテンションにはなりましたが、ガッツを見せてくれました。

私も、クライミングは、岩もやる前に、南沢大滝が初めて。当時は”テンション”という言葉も知らず、トップロープの意味合いも分かっておらず、落ちたら死ぬ~と、思ってのぼっていたんですよね~(笑)

初めて1登目で、上り詰める前に落ち、失意で降りてきたら、先輩が優しく、「テンションって言ってもいいんだよ~」と言ってくれて、ビックリ仰天・・・。テンションって発想自体がなかったんですよね。

3登目で上まで登ったのですが、登れた時には「登れた、登れた」と皆が喜んでくれましたっけ。

そんな程度が新人の常で、体全体が力みまくっていたので、帰ったら、超ぐったりしていました・・・今は、2日連続で登っても、まだ登れそうです。

上手になったのではなく、ギリギリになる前に辞めるようになっただけ・・・のような気がしないでもないです(笑)。

■ 関連サイト

連れて行ってくださったK田さんのサイト

かかとにもツメがあるアイゼン



Mar 9, 2016

宿泊できる人工氷瀑

■ 宿泊施設付の人工氷瀑

初めてアイスクライミングをする人向けには、1泊二日で2日連続でクライミングすると、すぐ上達して良い。

しかし、そのため1泊しないといけないとすると、山ヤでない普通の人にとっては、宿泊施設があるほうが体も休まって良い。
人工氷瀑は

1)赤岳鉱泉
2)岩根山荘

しかないが、岩根山荘の近くに 

3)川上山荘

が、去年できた。と選択肢がある(というか・・・3つしかない)。 首都圏や大阪の人は大変だろうなぁ。

というわけで、比較表を作った。


 赤岳鉱泉   
 一泊二食9000円
 テント泊 1000円/人
 アイスキャンディー使用料 1000円/回
 

ジョウゴ沢徒歩5分
南沢小滝大滝 徒歩1時間
美濃戸口の滝 徒歩2時間
 岩根山荘  
 一泊二食9000円
 テント泊不可

 アイスツリー使用料 2000円/回
 初回登録料 500円/シーズン毎

唐沢の滝 車10分徒歩30分
湯川の氷瀑 車40分
 川上山荘  
 一泊二食6800円+暖房費500円
 テント泊不可

岩根アイスツリー車10分
氷瀑は岩根と同じ


≪川上山荘について≫

☆ 1泊2食付き6700円(税込)~暖房費一部屋500円(税込)~
☆ 電話:0267-77-7645  
☆ 部屋数:16 宿泊人数約50名  年中無休
☆ オートビレイ2基のクライミングウォール有り
☆ 150インチの大画面
☆ カラオケ有
☆ 全館Wi-Fi可能
☆ ハンドドリップコーヒー300円(菓子付)
☆ プロジェクター完備のセミナー室有
☆ 日帰り入浴可、大人300円 子供200円
☆ ちょい呑み可♪グラスワイン100円~
                                   (HPなく、FBより転載)

■ 美濃戸口

氷結が遅いが、美濃戸口でも宿泊可能だ。最近、J&Nというオーベルジェができた。氷瀑は両方とも、美濃戸口の滝が最寄りの氷瀑だが、八ヶ岳で前夜泊でルートへ行く場合、夜移動での前泊に使える。


 八ヶ岳山荘   
 1泊2食8,500円 
 素泊まり6800円
 仮眠室 2000円

 駐車500円
 無料コーヒー付
 J&N  
 素泊まり4800円
 入浴 300円

 駐車無料

Mar 8, 2016

南アルプス概要

■ 南アルプス

・大きい

・メジャーエリアは甲斐駒一帯

・積雪が比較的少ない、スケールがある氷瀑がある、アプローチが良い

・天候判断が日本海側に比して容易

・八ヶ岳などでトレーニングを積んだ者にとって脱ゲレンデに良い

・手つかずの場所がある

・適期は標高による

 2000mより上 12月初旬~1月中旬
 2000mくらいを源頭とするルート 1月中旬~2月中旬
 
・南岸低気圧が通過して重い雪やみぞれをふらせると雪崩のリスクがある

・地形をよく頭に入れておく

・3月がベストシーズンと言うこともあり得る

■ ルート

・黄連谷右俣 日本を代表する古典的アイスルート
・黄連谷左俣 歴史的名ルート

・尾白川北坊主ノ沢 尾白川右岸入門ルート
・尾白川西坊主ノ沢 困難な氷壁ルート
・尾白川滑滝沢 氷のスラブ
・尾白川下流域の氷瀑 

・大武川一ノ沢 秘境
・大武川篠沢七丈瀑 バーチカルアイス草分け
・大武川石空川南沢

・戸台川本谷 脱ゲレンデ
・戸台川駒津沢
・戸台川奥駒津沢
・戸台川七丈ノ滝沢
・戸台川舞姫ノ滝
・戸台川藪沢双児沢

・濁川本谷
・日向沢左岸大ナメ滝
・三峰川岳沢

・荒川出合三ルンゼ 夢のブライダルベール
・荒川出合三ルンゼ アーリースプリング
・荒川出合三ルンゼ 右のナメ滝
・荒川出合ニルンゼ 正面大滝
・荒川出合一ルンゼ
・荒川出合ネルトンフォール

・尾勝谷塩沢右俣
・尾勝谷塩沢左俣

アイスクライミング全国版より引用


















八ヶ岳概要

■ 八ヶ岳のアイスクライミング

・アプローチが短い
・交通の便が閉ざされない

・ルートは短く、山のスケールは小さい

・冬のバリエーションの面白さは沢にある

・東面=ナイフリッジ、きのこ雪

・西面=雪が溜まらず、雪崩の危険が少ない

・ルート数の豊富さ、シーズンを通しての安定度、BCの豊富さ、がゲレンデとしての条件を満たしている

・11月中下旬から氷結

・12月第二週で登攀可能

・年末年始は安定

・1月下旬以降は、東面の谷&西面広河原沢は雪崩れの危険が多くなる。これらは3月下旬~5月初旬にかけて、堅雪とアイスが楽しめるが、雪崩の危険がある

・寒気

・氷は堅い

・リスク: 凍傷

・継続すれば技術的に長大なルートを自分で設定可能

・南岸低気圧に注意

■ ルート

・広河原沢右俣 広河原の中でもっとも易しい
・広河原沢左俣 Ⅳ+に挑戦
・広河原沢三ルンゼ 広河原沢の中でもっとも面白い
・横岳西壁 
・ジョウゴ沢流域 人気
・大同心ルンゼ  墜落も多い
・裏同心ルンゼ 初心者もしっかりしたリーダーの元なら楽しめる
・三叉峰ルンゼ  ゲレンデ卒業試験
・峰ノ松目沢   初心者の初リード向き。取付で迷いやすい。 
・赤岩の氷柱
・柳川南沢小滝・大滝
・摩利支天沢大滝 八ヶ岳卒業試験

・地獄谷
・上ノ権現沢 美しい氷瀑
・権現沢左俣
・権現沢右俣 急峻で困難
・ナメ滝ルンゼ
・三ツ滝ルンゼ かなりの技術を要する









谷川岳概要

■谷川岳のアイスクライミング

・アイスというより、ルンゼ登攀・スラブ登攀
・総合的なスノークライミング
・アイステクニック上の困難さはさほどでもない
・八つや南アでV級から上が登れる者にとって、自然条件が悪いだけと思えるかもしれない
・核心: 気象条件の悪さ
      雪崩

     = スピーディな行動が必要になる

・確保条件が悪い= ミスが許されない
・最大のテーマ:烏帽子奥壁、幽ノ沢中央壁 (真のエキスパートのみに許されるシビアなビッグアルパインルート) 
・夜行日帰り可能
・天候、積雪、体力の3つ

■ ルート一覧

一ノ倉沢一ノ沢右壁左方ルンゼ 東尾根の後
一ノ倉沢二ノ沢右壁 燃え尽きるビッグクライム
一ノ倉沢滝沢第三スラブ 日本を代表するアイスルート。スピード命。
一ノ倉沢烏帽子沢奥壁大氷柱 究極の課題

幽ノ沢左俣三ルンゼ 完璧なアイスクライミング技術が要求される
幽ノ沢中央壁左方ルンゼ ひときわ異彩。雪崩に注意
幽ノ沢V字状岩壁右ルート 古典的アルピニズム
幽ノ沢V字状岩壁左ルート 幽ノ沢で最も困難なルートの一つ
幽ノ沢ノコ状大氷柱 美しい
幕岩Cフェース シーラカンス 幻の氷柱


八ヶ岳 峰ノ松目沢

■ 初リード

鉱泉フェスで知り合った20代大学院生の男性Oさんと、峰ノ松目沢へ。彼は初ルート。私(40代女性アイス3年目)は、初リード

冬の沢である、アイスクライミングは、比較的順調に成長し、去年は、ジョウゴ沢で、連れて行ってもらうのではない、自前で行くルートのデビューを果たした。

しかし、3月のジョウゴ沢の氷瀑は溶けかけており、アイスクライミングの必要がほとんどなく、ほとんどドライツーリングだった。結局、ロープを引いて登ることなく、全部の滝をフリーソロで抜けてしまった・・・。

なので、正式なリードはしていない。核心部のF2や大滝でも、ロープを出さなかったので、このことについては、”そんな山は教えていない”と師匠から、大変きつくお叱りを受けた。

実は、フリーソロで抜けるより、スクリューを打ってリードするほうが難しい。

それは、

 ・レスト体制をうまく作ったり、
 ・スクリューを打つのに適した氷質の面をきちんと見つけたり、
 ・落ち着いてアックステンションしたり、
 ・きちんとラッキングしてクライミングの妨げにならないようにしたり

という、もろもろの判断や技術が必要になるからだ。フリーソロは、そうした技術が欠けていることを示すのみであり、実は何の自慢にもならない。

フリーソロは、結局、セカンドで登っているのと同じことだからだ。ロープを出すべきだと言う判断が欠けている分、セカンドより悪い。リスク不感症の証である。

・・・という去年の実績だったので、今回は、曲がりなりにも、

 きちんとリード

して、大満足。後輩の確保という大役も果たせた。

■ 初ルート&大役

一方、今回、相方の0さんは、今年アイスクライミング元年。そして、アイス初ルート!アイス用クラインポン初おろしのアイスクライミングだ。

私もアイスクライミング元年に、当時、師匠だった方に、ルートに連れて行ってもらった。

同じことが後輩にできて、よかったよかった、とホッと胸を撫でおろす。

■ 同沢下降

しかし、似た者同士というか・・・言うこと&やること、似ていて参る(笑)。

師匠に連れて行ってもらった当時、トップアウトしない点に不満を持っていた。同沢下降だったからだ。

アイスとはいえ、ピークを目指すべきでしょ!という気持ちだった。それはその通りである。

ただベテランの狙いは、別にある。

山では防御の技術をきちんと身に着けてからしか、攻めの技術を教えるわけにはいかないのだ。

中級者となった今は、同沢下降は何のためだったのか分かる。敗退の技を身に着けさせるためだ。登ったところは、降りれなくてはならない。常に退路を断たないような配慮が必要だ。

というか、下りれるところしか登らないようにしないといけない。敗退する力があれば、どこへ行ってもいい。

たかだか3年前だが、初心者の私はヤル気満々だったので、トップアウトする気満々でおり、師匠が提案したルートに、トップアウトして、読図の必要な別のルートで下降する、ユニークな提案など、色々と今思えば、初心者チックな提案をしていた。

ある沢では、詰めの大滝を見たのち、ラッセルして、稜線に出る予定だったのだが、雪が多く、腰までのラッセルだった。師匠がすぐさま中止にしたのに、多少不服。もうちょっと試してみてからではだめだったのだろうか?と考えていた。

が、今回、私は、自分が少々頑張れば、トップアウトできたかもしれないところで、あまり執着せず、すぐさま同沢下降に切り替えた。もちろん、登りはピークアウトするつもりで登っているのだが。

同行者の0さんは、体力満点、伸び盛り。トップアウトしたい気持ちがあったのが見て取れたが、彼は自分では核心部を越えられない。

ので、二人の実力を平準化したところだと、峰の松目沢も、F8敗退が適当な所だった。

しかし、感心したのは、地図読みが良くできることだった。

普通、一般ルートの登山からステップアップしてアルパインへ移行する場合、地図が読めないことが多い。地図が読めないということは、まだクライミング要素が出る山ではなく、地図読みの山をしっかりやらないといけない、ということを意味する。

しかし、彼とは尾根二つ向こうを試してみましょう、など取付での会話もスムーズで、現在地も、とくにGPSへ依存せずに理解しているようだった。

イマドキの人で、GPS依存でない人、読図の基礎が分かっている人は非常に少ない。

■ ゆとりを残した山

峰ノ松目沢は、トップアウトするのに、3~4時間程度の沢なので、12時山頂とすると、8時には取り付きにいたいところだ。逆算して、6時には美濃戸口にいないといけない。

今回は、特に車で美濃戸まで入れないため、40分の林道歩きがプラス。おおよそ鉱泉まで2時間だ。(一般コースタイムは3時間) 峰ノ松目沢の取付は、鉱泉から5分程度のところ。

今回のコースタイムは

 3時起き 4:00出発
 美濃戸口 6:09
 3つ目の橋 8:16
 F1 8:49
 F8 11:00
 下降開始 12:00
 3つめの橋 13:49

 美濃戸口の滝 15:30頃
 美濃戸口 16:00頃
 樅の湯 16:20頃 待ち合わせ17:00
 甲府帰着 19:30頃

(3つ目の橋は便宜上の名で、実際の橋は3つ以上渡った。地形図で沢を確認して行く方が良いと思う)

だった。私が喘息のため、体調が悪く、アプローチの北沢で通常よりもペースが遅い。

懸案の取付での試行錯誤は、Oさんが偵察に行ってくれたり、踏み跡を作ってくれたりしたので、比較的スムーズに済んだ。F1についたら、8:49だった。あまり遅れてもいない。

核心部のF8到着は、11時。早い。そこで、リードに試行錯誤しているうちに、11時半となったので、早めに意思決定し、同沢下降とした。核心部のF8で、景色を見ながら、のんびりランチ休憩して、12時下降開始。

下降終了が13:49.美濃戸口へ下ると、まだ15:30だったので、美濃戸口の氷瀑を見学。保科ガイドに会う。去年師匠が私のリード練習に選んでくれた場所だ。16:00美濃戸口の駐車場。

■ 当日

甲府を4時に出て、6時09分美濃戸口出発した。ちょうど夜明けとともに出発し、ヘッドライトが不要だった。7:40に北沢堰堤に着く。ここから用心した。峰ノ松目沢は取り付きが迷いやすいことで知られている。

 三つ目の橋を渡って、2つ目の沢(戻る方向)、

と覚えて行ったが、橋は3つ以上あり、地形的に、ここではないか?と思われる橋に着いたのが、8:16.景色が開け、峰ノ松目沢が展望できる場所だ。

目で見て、峰ノ松目のピークと赤岩の頭の間のコルを確認する。峰ノ松目ピークから派生する顕著な尾根がある。

その尾根で分けて、峰ノ松目沢は、南西沢と南東沢があるそうだ。通常、峰ノ松目沢とされているのは、南西沢と書いてあった・・・が、南西沢とすると、その顕著な尾根の西側となり、取り付きとしては、北沢堰堤から上がった方が合理的になる。写真では、峰ノ松目沢は、コルへ突き上げているので、その南西沢は間違いで、本物は南東沢だろうということで、意見が一致していた。

実は、その点にも感動した。たぶん、私が取付を解決しないといけないだろうと想像していたからだ。今まで一緒に行った人は、大抵は、お任せ路線で、取り付きも何もかも、私が解決し、案内しないといけなかった。つまり、私のガイド登山であった。

ここかな、と思われる橋につくと、右岸へ渡ってすぐに、後退する方向に踏み跡があった。踏み跡は、一人分。

そのトレースは無視して、自分たちの考えで取付を探す。二つ目の沢ということで、進行方向を探す。

前回、別の同行者と鉱泉に行った時に取付を偵察したが、その時は、もっと鉱泉寄りのトレースがあった。

しかし、とりついた沢は写真で見た取り付きと少し印象が違うため、反対側に二つ尾根を越えてみることにする。

・・・と、先行パーティがいた。F1、15m滑、と覚えて行った。取り付いているので、ちょっと聞いてみる。

「これ、峰ノ松目沢ですか?」「初めてきたので、分からないんです」。

我々も初めてで、ワカラナイ(笑)。

先方パーティがいたことに気をよくし、そのまま登ることにする。

F1は2段で、左の雪面から上がれば、別にロープはいらなさそうだった。もしソリ遊びがしたいなら、格好のそり遊びができそうな傾斜だ。

1段目を上がってみると、下から見たより高かったので、やっぱりロープを出した方が良かったかな?と思い、同行者に聞いてみる。「ロープ要る?」

が、”いらない”という答えなので、そのまま、右にトラバースし、2段目をすこしノーザイルでアイスクライミングして、すぐに滝上に出る。

すると、すぐにF2が見えた。 F2は、結構しっかり立った滝だった。これはロープを出して、スクリューを打ち、きちんとリード。言いつけを守る。

その後は、しばらく、”念のためロープがいる”という程度の滝が出るが、技術的に困難さを感じる滝はなく、普通にリードしていく。おそらく三級程度だろう。

F7?二股では左を取る
■ 後続の確保が問題

・・・が、ビレイが問題で、後続のビレイに良いようなビレイポイントとなる残置がとても少ない。

今までルートで見たことがあるような、リングボルトやハーケンで出来ているアンカーは、一個しかなかった。

うーんと考えて、適当な自然物がないので、スタンディングアックスビレイだな~と思うが、SABをするほど雪がない。ので、結局、肩がらみとした。

F5かF6だろうか、短いが立っている滝で、肩がらみでテンションかけかけだったが、意外に平気だった。

しかし、ビレイのスタイルの向上は課題だ。シビアな登攀で肩がらみはないだろう。

■ 難しいラインの方が安全

滝は、ひとつ大きな穴が開いているのがあった。直上が氷が厚かったが、くぼんでいるほうが登攀が楽だ。結局穴に落とさないでね、と釘を刺して、穴の上のアイスにスクリューを打つ。

でも、もし登攀に自信があれば、直上して氷の厚みを取っただろう。

登攀と安全は相矛盾するんだな~と思う。登攀が易しいと危険が大きい。だから、安全のためには自分の登攀力を上げるしかないってことなんだろうな。

10時ごろ、お腹が空いたので、休憩。振り返ると、素晴らしい阿弥陀の眺め・・・気が付くと、南アまで見えていた。

ぜんそくのためか、なんだか馬力が出ず、登攀は問題ないのだが、歩きがダメな日で、雪を歩くのがつらい。

あまり長い休憩は冷えるので、さらに進む・・・と、その先に先行パーティが見える。先行パーティはベテランと新人のセットのようで、私たち二人のような、新人二人組とは違うようだ。その割には、先行パーティに追いついているじゃないか、と気をよくする。

二股に沢が分かれるF7に来てみると、先行パーティがどうも懸垂下降しているようだ。普通に短い垂直の氷瀑(左)を越える。

落ち口では、氷が大量に落ちる。うーん・・・落ち口の氷は丸い。丸い箇所の氷はアックスを指すと割れやすい。案の定、ちょっと叩いただけで、すぐ割れる。

しかし、落ち口はマントリングと同じことで、全体重を掛けるので、バチ効きでないと嫌だ。だいぶ氷を落としてしまい、アックスで進路の氷を叩き割って石橋をたたいて渡るのではなく、叩き壊しているのではないか?くらいな勢いだった。まだアックスの効きを信頼していないから、無駄が多いってことだ。

F7滝上で先行パーティに合流。どこの山岳会かと聞くと、「うんりょう会です」との答え。ピンと来ず、”?”となり、「私たちは知り合い同士です」と、とんちんかんに答えた。聞いた手前・・・。しかし、良く考えると、あの雲稜である・・・登山大系を読む人なら、誰でも知っているってば、な感じ。 あとで、超老舗、雲稜会と岩田さんに教えてもらって分かった。すぐ分からなくて、すみません(^^;)。

で、先行Pは、二股で右俣へルートを取ってしまったのだそうだ。「二股で左、と覚えてきました」と答える。

右は段々で、左は短いが垂直、どっちを詰めても、愉しく登れそうだった。

少し行くと、すぐにF8.これは写真で見たな~と思い、ここはちゃんと峰の松目沢だと確信する。

これを見るまでは、いまひとつ、本物なのかどうか確信がなかったのだ。

■ F8 核心部

先行パーティが、もっとも長い滝芯にリードで取り付いた。アックスにリーシュが付いたクラシックスタイルの登りで、垂直のつららの集合体の氷柱であるにもかかわらず、きちんとアックスが横に2本そろった正対の登りだった。正対だと、とても腕の負担が多い。

ので、岩根アイスツリーなどの人工壁では、垂直の氷は、体のフリを使って、傾斜を殺して登る。フリが入ると、まったくムーブはフリークライミング的になる。アックスは交互に出す。足は片足切ってしまう。

そのF8の滝は、記録では5~6mと出ていたが、みたところ8mくらいはありそうだった・・・。普通に鉱泉のアイスキャンディーや岩根アイスツリーと同じ長さがありそう。

予想より長い。先行Pのリードでは、スクリューが4本刺さっていた。うーん・・・峰ノ松目沢のガイドでは、スクリューは2本で十分、と書いてあった。私たちは、余裕を見て、4本持ってきたが、あの滝をリードすれば、4本では使い切ってしまう。上でアンカー構築用に2本の予備が欲しいなぁ・・・。

ただ、このF8は、巻ける、とガイド本や記録には書いてあったのだが・・・。と、見やるが、左は急な草付の雪面で支点がなく、リードより危なさそう。

右は、弱点となる3m2段で垂直の氷があり、頑張ればリードできそうだが、足元のスタンスになる部分に氷がなく、出だしが核心になりそう。さらに右は、岩が出ていて、支点がなく、短いが、アイゼントレの成果が試されそうな、ドライツーリング系のスラブ。

とりあえず、取り付きまで行くために、急な雪の斜面を上がり、氷瀑の真下まで行って、セルフを取る。

凸凹の凸は氷が厚く、登れそうだが、凹より凸が登るのは難しい

とりあえず、ビレイヤーのアンカーを氷柱で作る。

NOという返事を期待して、「Oさん、リードどう?」と聞いてみる。期待に反し、なんと!やってみます、との答え。まだ擬似リードも、経験していないのに!

ヤル気あるなぁ!ということで、まずできるだけ、高い位置にスクリューを一本打ち、1ピン目を確実にする。彼は凹を選んだので、凹角を登ってみてもらうが、右足にスタンスがなく、厳しそう。

落ちると、ビレイしている私の真上に来てしまい、具合が悪い。無理して落ちても、ろくなことはないので、あとワンアックス、という感じではあるが、1段目に上がらないうちに降りてもらう。スクリューにはテンションかけかけだが、スクリューはびくともしない。

さて、私のリードの番だ。私の狙いは凸角。

とりあえず、落ちた場合、ビレイヤーの真上に落ちないように、ビレイポイントを後退させ、雪に埋まった枯れ木でビレイヤーのセルフにしてもらう。急な斜面で、ビレイヤーもセルフが必要だった。

が、垂直をリードするにはビレイ位置が悪いな~と思いつつ、とりあえず取り付いてみる。

うーん・・・頑張れば行けそうだが、よいスタンスがない。氷が固く、爪が刺さらない・・・と思っているうちにパンプが来そうだ・・・というので、とりついてみたものの、敗退。

技術的には、越えられそうな、2mあるかないか、の垂直の氷柱だ。

段になっているところに乗れば、その上の氷柱に、もう一本スクリューを打ち、それが打てれば落ちても安心なので、安心してリードし、トップアウトできそうだが、何しろ、ビレイとの位置関係が悪く、落ちるかもしれないリスクを取る気になれない。

まぁ、落ちても雪面に落ちて、死にはしなさそうだったのだが・・・まだ垂直で、なおかつ、つつら集合体の凸面アイスのリード練習が足りていない。ので、あっさり辞める。

下りたら、まだ11時半。ふと見やると、先行パーティのセカンドが、セカンドなのに、スクリューのぬんちゃくを引っ張って登っている。

それほど登攀力の不足した状態で、ルートに連れて来られてしまい、気の毒な気もするが、まだクライミングの基礎力自体が足りていないみたいだな~と思う。

それを思うと、同行者のOさんはすごい。まだアイスは、実質4回目なのに、登攀力的には、先行Pのセカンドより上だ、と思われた。

”強点”である、その長い氷柱は、二人とも、トップロープなら、楽勝で登れるんだが・・・。弱点の短い氷柱でも、ほんの”一歩”のリスクを取る気になれない。

自分で登る、ということは、こういうことなんだな~と思いながら、後輩になっている、Oさんには申し訳ないが、先輩がビビりだ、ということで、納得してもらい、二人で美しい赤岳、中岳、阿弥陀の稜線を眺める。阿弥陀北陵や北西稜、御小屋尾根を眺め、次のルートへの夢を膨らませる。

まぁ、まずは、はじめの一歩と言うことで・・・。

つららにセルフを取り、そのセルフにザックをぶら下げ、ランチ休憩。二人とも、食料があまり足りていないようだ。

■ 懸垂下降で帰る

さて、懸垂で帰るか・・・でも、支点があんまりなかったんだよな~。登りで懸垂支点を見ながら、登ったが、あまり良い支点がなかったのだった。

登りは、カンタンな滝だらけだったが、下るとなると、やっぱり、すべての滝で懸垂下降が必要だった。クライムダウンで済んだのは、1か所だけ。

一回目の懸垂は、指三本しかない太さの枯れ木で、これは、マジでまずいと思ったので、バックアップを取り、体重の重いOさんのほうから降りてもらい、私は回収で後に降りる。他にも立木があったが、ブッシュのようになっていて、回収でノットがひっかかりそうだったのだ。

その枝が一番怖く、他は、まぁなんとか信頼できると思われた。が、懸垂は荷重がかかる方向、降りる方向が大事なので、トップは交代して、懸垂慣れしている私の方が先に降りる。

途中、立木にかかった残置スリングが、数か所。最後の残置は、しなっている枝で、私が降りたら、ミシッと言ったそうで、あの残置は、かなりマズイ残置だった。きっと初心者ルートだから、初心者が設置した残置なのだろう・・・。

奥に良い立木があったので、使えば良かったが、F1は長かったので、ザイルが届くかどうかが不安だったため、近いほうの残置スリングで懸垂したのだった。

実際、降りてみたら、その近いほうの残置で、ギリチョンだった。ギリだったので、セカンドのことが心配になり、短いほうの末端に結び目を作っておいた。

■ 回収

・・・ら、回収の時にその結び目をほどくのを忘れてロープを引いてしまい、そのノットが引っかかって回収不能になってしまった・・・。

これは、セカンドが回収に出かけてくれた。F1は、登るのはフリーソロしたほど、カンタンだったので、お任せした。

でも、回収して、また懸垂で降りないといけないので、もう一本のほうのロープも、持ってあがらなくてはならなくなった。

実は、50mシングルで、ガイドブックには書いてあったが、今回は、Oさんの自分のロープ(30m)に使い慣れてもらいたいと思い、各自が30mを1本づつ持ち寄って、2本で登っている。

滝自体は、30m1本で登れたからだ。敗退用に30m1本。すると、60mになり、ガイド本にあった50mシングル一本より、敗退するときの長さが取れ、より一層、確実なハズだった。が、2回ほど懸垂の長さはギリだった・・・。今年は雪が少ないから、滝の長さが出たのだろう。

1本で使うよりも、2本の方が、ロープワークは複雑だ。

師匠も最初の頃、私に自分のロープを持ってこさせていたし、同じことを後輩にしてあげるのが、良いと思われた。シングルがないと、どこも登れない、と思っているようだったからだ。

Oさんは、登り返しでは、アイス部分を登らないで、沢と同じように、端の方の岩の手掛かりが多いほうを登ったのが、意外だった。後で聞いたら、その方が早いと思ったのだそうだ。

沢には良く行くそうなので、さすがに登り慣れていた。私ならアイスを登るが、アイスは彼、今年、初めてだもんな。

F1からは、正規の取り付きを確認するために、普通に沢を下降する。

すると、まるで教科書のような、美しい逆ハの字のトレースが、規則的な並びでついていた。さすが雲稜と思う。

降りてみると、他の記録の写真で見た景色が出てきて、やっぱり、これであっている。

一般道へ着くと、まだ13:49だった。ゆとりだな~。やっぱり、同沢下降は早い。下りは、登りの半分だ。

トップアウトしたかったが、まぁ、それは、また今度でいいだろう。

■ おまけ

その後、順調に北沢を下り、美濃戸口の滝へ立ち寄る。

保科さんがガイド中だった。保科さんで私はアイスをスタートしたので、挨拶する。メンバーには、中年の女性もいて、アイスは、比較的女性クライマーが多いようだ。

美濃戸口の氷柱は、登るのよりも、トップロープを張るのが大変だ。

その後、美濃戸に着くと、まだ16時だった。本日の山、終了。帰りに、駐車料金を払うと、コーヒーをもらうことができた。

J&Nというカフェが美濃戸口にできたが、そちらは食事などをすると、無料。オシャレな感じの店だが、節約派は500円、払うかもしれない。頭数で割れるから(笑)。

Oさんとは、岩根2回と小滝1回の仲で、今まではOさんとの山で、温泉に入ったことがないが、今回は、ゆとり付き山行なので、樅の湯へ。

会では、かならず温泉が付いていたし、山で寒い目にあったら、温泉へ、と思うが、今回は、天候はあまりにもよく、濡れも寒さもなく、しかもルートも比較的短く、あまりたくさんは、動いていないので、温泉は、贅沢の部類だ。

甲府へ帰ると、まだ19時過ぎ。渋滞も比較的避けることができた。天候は翌日霞がかり、この日が最後の冬のピーカン日のようだった。

■ おまけ

翌日は、小瀬の人工壁。メニューは、

 ・5.8でリードフォロー&空中懸垂 役割を変えて2回

 ・回収&架け替え練習。5.8でリード後、トップロープ支点を作り、ローワーダウン、セカンドの人はトップロープ&ローワーダウンで単純に登り、最後の人が回収するという一連の流れを役割を変えて2回

 ・5.10Aの被った壁をリード練習。単純にトップロープで、クライミングムーブの習得練習

という流れで、4時間。リードデビューしてもらう。5.9でも、かぶっていれば、なかなか大変。ランチを食べて解散。

小滝や岩根に行くにも、漫然と登って降りる、を繰り返すだけではなく、何を実現したいか、リアルに課題が見えた山行だった。モチベーションを作る山。

≪課題≫

・凹凸では凸を登る
・10m程度の氷柱のリード
・アックステンションしながらのスクリュー設置

・後続の適切なビレイ方法

■ まとめ

今回は無理のない計画で良かったと思う。

帰宅して、GPSの軌跡を確認すると、あと200mあるとおもっていた、トップアウトまでの距離は、あと標高差80mしかなく、それなら、トップアウトしたらよかったな、とも思うが・・・。

これは初心者のルートデビューに最適な沢だった。

■ 記録

 実施日: 3月3日(木) 前夜泊日帰り
 メンバー: 2名  
 ギア: ダブル30m ×2 スクリュー×4 (6本がベター &ハーケン、イボイノシシ) 
 
 参考コースタイム:
 3時起き 4:00出発  美濃戸口 6:09  3つ目の橋 8:16  F1 8:49  F8 11:00
 下降開始 12:00  3つめの橋 13:49

 美濃戸口の滝 15:30頃  美濃戸口 16:00頃  
 樅の湯 16:20頃 待ち合わせ17:00  甲府帰着 19:30頃

■ ルートグレード 3級上 Ⅳ+ 日帰り

■ 参考サイト

支点と滝の姿が参考になる 三ちゃんのサイト
F8の右岸の草付を大きく巻いている記録
南西沢と南東沢が混乱していると思われる記録
雲稜会

■ 参考画像

峰ノ松目沢を望む
F1
F2上の残置
F4
F8





































F1 2段15m 滑
F2 12m 穴あき カンテ
F3~F4 35m? 長い滑
F5~6 ??
F7 二股  休憩ポイント?
F8 垂直氷柱 核心
F9 滑?
F10 5m? 

アプローチ2h ルート3~4h

■コスト

交通費 往復2000円
駐車料金 500円 (無料コーヒーサービス付)
行動食 800円
温泉 500円

F8 これくらいリードできなくては!


コルへ突き上げる沢です